NineDayFeverとは、金澤裕治氏が作成したコンピュータ将棋プログラムである。
概要
コンピュータ将棋の対局場"floodgate"に「PuppetMaster」の名で登場し、既存の強豪に引けを取らない高レートを記録して話題になった。
Bonanza6.0をベースに、評価値の矛盾を解消することで機械学習結果を改善し、強化を図っている。ここで「ベースに」というのは、Bonanza6.0の評価関数「のみ」を独自に進化させ、それ以外の探索部分などは一部を改良したものの、Bonanza6.0を極力原形のまま残している特徴のことを指す。この取り組みの指針について、開発者の金沢氏は「局面評価の極北を目指す」と高らかに宣言している。
NDFが評価関数の生成において用いた「相対KKP/KPPによる次元下げ」の方法は、教師となるプロ棋士の棋譜に現れる回数の少ない局面もより正しく学習することを可能にした。この手法により、局面評価それ自体の精度が大幅に底上げされた(次元下げは、後にAWAKEが導入した「駒の利きを考慮した次元下げ」でさらなる発展を遂げる)ことに加え、機械学習による評価関数の強化において棋譜の絶対数が少ないために課題となっていた、入玉などの出現頻度が少ない局面におけるコンピュータ将棋の棋力の大幅な向上に寄与することになった。特殊なパッチを当てなければ入玉そのものができなかったBonanzaや、とりあえず入玉はするもののそれ以降の指し手がわからなくなるPuellaαなどに代表される、コンピュータ将棋の「極端な入玉型の弱さ」は、NDFの登場以降はすでに過去のものとなっている。
第23回世界コンピュータ将棋選手権へのエントリーにあたって「NineDayFever」に改名。
名前の元ネタは改名前後ともにハインラインのSF小説『人形つかい』からと思われる。
世界コンピュータ将棋選手権
第23回に初出場。事前の評判通りの強さを見せ、1次予選を全勝1位で通過した。
2次予選ではシード組の洗礼を受けつつも決勝進出を果たし、最終成績は5位。新人賞を受賞した。
初参加のソフトが決勝に進むこと自体、極めて稀なことである。
第23回 決勝5位(新人賞) アピール文書
第24回 決勝4位(独創賞) アピール文書
第25回 決勝2位 アピール文書
第26回 決勝6位 アピール文書
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関連項目
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