矛盾(むじゅん)とは、故事成語のひとつ。以下に難しく簡単に、かつ長く短く説明する。
曖昧さ回避
概要
「矛盾」という単語は以下の逸話から誕生した熟語である。
昔の中国の「楚」という国に、盾と矛を売り歩く者が居た。
その人が自分の盾を褒めて言うには、
「この盾の堅いことと言ったら、貫き通せる物など無いくらいだ。」と。
また、自分の矛を褒めて言うには、
「この矛の鋭いことと言ったら、貫き通せない物は無いくらいだ。」と。
そこで、ある見物人は言った。
「それなら、あなたの矛で、あなたの盾を突いたらどうなりますか?」と。
その人は、見物人の質問に答えることができなかった。
これに由来して、前後のつじつまが合わないことを「矛盾」という。
出典およびこの故事成語の背景
出典は韓非子。この言葉は儒家にたいする批判として使われたものである。
要約するとだいたいこんな感じ(法家:韓非子の法治主義を統治理念とすべきという考えの学者)
法家「堯と舜は聖人だよね?」
儒家「当たり前だろ」
法家「あんたらは舜が大臣になると争い事は無くなったというが、その前に統治していたのは聖人の堯のはずだ。聖人の統治では起きないはずの争いが舜の大臣就任で治まるというのはどういう事だい?」
儒家「…」
補足
ここの掲示板でも謎な方向に迷走している人がいるので一応補足しておくと、この商人がおかしなことを言っているのは結局矛は盾を貫通するのかしないのかというその一点であり、実際にこの装備を身に着けた人間はどっちが有利とか、この商人の売り物がいい加減な商品かどうかはここで一切関係がない。
現実的には、物さえマトモならちょっとのセールストークぐらい大目に見てやれよと思わないでもなく、徹底的に厳格化しなきゃダメだという法家のウザさも内包されていると思うのは自分だけだろうか。厳格にやりすぎて史上初の農民反乱が起きたりしてるしな!
関連作品
ここでは、故事成語に出てくる矛と盾から派生したと思われるものが登場する作品を紹介する。
ファイナルファンタジー12
「最強の矛」と「最強の盾」というアイテムが登場する。
「最強の矛」はFF12に登場する武器の中では最高の攻撃力を持ち、「最強の盾」は通常の盾の中では最高の物理回避値(「血塗られた盾」というさらに物理回避値が高い盾もあるが、装備すると大きなデメリットがあるので除外)を持つ等、最強の名に相応しい性能を誇る。しかしその分入手するのは難しく、特定の条件を満たすか、或いは強敵ひしめく隠しダンジョンに極低確率で出現するトレジャーからしか手に入らない。
因みに、装備するにはそれぞれ個別のライセンスが必要。
モンスターハンターポータブル2ndG
G級クエストの一つに「最強の矛、最強の盾」というものが登場する。
クエスト内容は、“制限時間内に大闘技場に出現する「ダイミョウザザミ」と「ショウグンギザミ」というモンスターを討伐する”というもの。
ちなみにザザミが盾でギザミが矛である。
ヨルムンガンド
武器商人である主人公ココ・ヘクマティアルは、近年の紛争地域で消費される武器代の年平均が、国連が世界の子供達に充てる年費用を越えた事を憂いつつ以下の発言をしている。
"殺人"の道具を"生業"にする彼ら武器商人の存在そのものが、社会の抱える"矛盾"であるのかもしれない。
逆転裁判シリーズ
逆転裁判シリーズは、相手の証言と証拠品の「矛盾」をついていくゲームである。(ゲーム中の表記は『ムジュン』)
関連静画
関連項目
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