海坊主の一種、百鬼夜行の一員など、地域や語り手によって様々な伝承がある。江戸時代の妖怪画家である鳥山石燕も「画図百鬼夜行」でこれらしき妖怪を描いているが、誤記なのか、表記は「ぬうりひょん」となっている。
近年ではよく「他人の家に勝手に上がり込んでくる妖怪」や「妖怪の総大将」などと描写されることがある。これは民俗学者の藤沢衛彦が前述の石燕の絵画に「まだ宵の口の燈影にぬらりひよんと訪問する怪物の親玉」という解説を付けたことに由来し、水木しげるの妖怪図鑑やアニメ版ゲゲゲの鬼太郎などによって広まったらしい。つまりこの描写はかなり新しいもので、藤沢の解説もどんな典拠に基づいたものなのかよく分かっていない。
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17 ななしのよっしん
2025/09/10(水) 09:24:41 ID: aySgVe7oyu
江戸時代以前の妖怪話はもっと卑近な存在だったのと藩制で国ごとに生活圏が別れてたのとそもそも神も仏も居てあまり調子乗ると仏罰が下ったり悪神が出て来やすいので、妖怪が組織立って集まったりその総大将みたいなポジションはあまり需要なかったんじゃないかな
昔ながらの鬼のトップと言えば地獄の主の閻魔大王でしょうかね(裁かれる人間にとっては怖くとも本来為政側なので世界観のしっかりした作品だとかえって使いにくいですが)
山本五郎左衛門は稲生物怪禄世界観ありきなので認知度もその範囲に限定されかと思います
例外として崇徳上皇は保元物語で『日本国の大魔縁』を宣言した事にされ後世の太平記や雨月物語で大天狗として怨霊を率いたり、時代や作品を越えて珍しくネイションワイドな活躍をしています
あるいは宇治の宝蔵伝説のようなその時代の共有設定に出てくる妖怪(酒呑童子、玉藻前、鈴鹿山の大嶽丸)は強い印象を残します
彼らは能、浄瑠璃、歌舞伎など現代で言うメディアミックスされる事でより知名度を上げています
18 ななしのよっしん
2025/09/10(水) 09:34:31 ID: aySgVe7oyu
妖怪の総大将となると普通に描くと上記のようなアクの強い妖怪談のクロスオーバー作品になるので崇徳上皇や閻魔大王のようなスケールになってしまい既存の身近な妖怪からは外れがちになります
そんな時にぬらりひょんのような「どこにでも居てどこにもいない」系の特性が悪役としてマッチしたんじゃないでしょうか
鬼太郎原作でも一妖怪に過ぎなかったぬらりひょんが総大将として格上げされるのはアニメ第三期(1985年)からですが、その頃には水戸黄門、必殺仕事人の中村主水、古くは忠臣蔵の大石内蔵助と隠居最強イメージが醸成されていたかもしれません(他にも徳川吉宗、金さん、松平長七郎…時代劇多いな)
19 ななしのよっしん
2025/09/10(水) 09:54:37 ID: aySgVe7oyu
最近の作品だと鬼太郎の「総大将」、原典的な「とらえどころがない」特性が注目されて、忙しい時に紛れこんで指摘しづらい形でストレスかけて来る絶妙に嫌な能力が忘れられてそうなのが寂しい
ただの老人ちゃうんかってレベルだけど「妖怪なので突然湧くし常人には対処不能・払いキャラには対処可能」な特性が日常妖怪物として丁度いいんだが、何度も言われてるように原典見ても最近の作品見ても出て来ない時代的な特徴なんで知らない人にとって年々調べにくくなってる気がする
というか近世妖怪は割りと江戸時代の妖怪画にビジュアル優先で書かれただけじゃね?みたいなのから昭和に設定を後付けしてキャラクターを確立してってる所が多いから、ある意味後付け設定の成立過程の方がその妖怪の原典とむしろ言えるかもしれない
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最終更新:2025/12/08(月) 11:00
最終更新:2025/12/08(月) 10:00
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