アイオライト(競走馬)とは (アイオライトとは) [単語記事]

アイオライト(Io lite)とは、2017年 3月13日生まれの日本の競走馬である。黒鹿毛の牡馬。

主な勝ち鞍
 2021年：ベテルギウスステークス（L）
2022年：大沼ステークス（L）
2023年：栗東ステークス（L）

概要

父ローレルゲレイロは、その父キングヘイローが唯一勝利したGIの高松宮記念で父仔制覇を成し遂げ、更に同年のスプリンターズステークスも勝利した経歴を持つGI2勝のスプリンター。種牡馬としては、地方重賞勝ち馬こそ出したものの、2025年 3月現在グレード重賞を勝利した産駒はいない。

母ステラアクトレスは地方で2勝。1957年に輸入された*マイリーに端を発し、ハギノトップレディ、ダイイチルビーなどを輩出した「華麗なる一族」と呼ばれる牝系に属する。イットー(イツトー)が中興の祖とも言われるが、イットー産駒の中ではカムイイットーの子孫は比較的目立たない方であった。なお、「華麗なる一族」こと*マイリー牝系はダイイチルビー以降は衰退傾向にあり、2025年 3月現在 GI級勝利はマイネルセレクトの2004年 JBCスプリントが最後、中央重賞勝利もヴィーヴァヴォドカの2009年フラワーカップが最後である。

母父*オペラハウスはGIを3勝したイギリスの競走馬。種牡馬として日本軽種馬協会に輸入され、GI7勝のテイエムオペラオーやGI4勝のメイショウサムソンを輩出したほか、母父としてGI2勝のメジャーエンブレムを輩出している。

生産は浦河町の南部功牧場という家族経営の小さな牧場。北海道サマーセールにおいて税込270万円で落札され、田頭勇貴が馬主となった。馬名の意味は「菫青石(宝石名)」^[1]である。

戦績

2歳(2019年)

美浦の武藤善則厩舎に入厩し、6月の芝1200mの2歳新馬でデビュー。武藤調教師の息子の武藤雅騎手を鞍上に5番人気^[2]に支持されたレースでは、番手につける形で4着。

7月の芝1200mの2歳未勝利は横山武史を鞍上に4番人気で迎え、出来れば逃げたかったとのことだが、番手で進めて3着。

9月にダート 1200mの2歳未勝利に武藤鞍上で出走すると、ここでは単勝1.8倍の1番人気となり、番手で進めたレースでは上がり最速を出して2着に10馬身差を付けての完勝となった。

12月にはダート 1200mの2歳1勝クラスに出走。ここも単勝1.7倍の1番人気に支持されると、鞭を使うこともなく上がり最速を出して3馬身半差で勝利。

同月には全日本2歳優駿(JpnI)にも出走^[3]。距離不安もあって4番人気で迎えたレースでは、逃げてレースの流れを作ったが、ゴール直前で地元川崎競馬のヴァケーションに差し切られアタマ差の2着。

3歳(2020年)

軽度の骨折で休養した後、5月には3歳初戦としてダート 1400mの端午ステークス(OP)に出走。クリストフ・ルメールを鞍上に2番人気に支持されたものの、結果は15着。

7月にはダート 1200mで3勝クラスとなる越後ステークスに武藤鞍上で出走したものの、ここも4番人気10着。

この後、再び骨折したようでこの年はこれ以降レースに出走することなく終わった。

4歳(2021年)

4歳初戦は1月のダート 1400mの4歳以上3勝クラスであったが、ここは7番人気で逃げたものの、5着。

2月にはダート 1400mで3勝クラスとなる遠江ステークスに出走。川田将雅を鞍上に迎え2番人気となったレースでは、好位から抜け出して2着に3馬身差の完勝。川田騎手曰く、悪い方向に向いていた我の強さを改善させたことが功を奏したとのことであった。

3月には黒船賞に一応登録していたが、ここは賞金不足でダート 1400mのポラリスステークス(OP)に出走。2番人気に支持されたが、6着に終わった。

一応登録していたかきつばた記念も賞金不足で4月はオアシスステークス(L)に出走。戸崎圭太を鞍上に11番人気となったレースでは番手に付けて6着。

9月にはエニフステークス(L)に出走。川田鞍上で再び2番人気となったものの、8着に終わった。

11月には福島民友カップ(L)に菱田裕二鞍上で出走。逃げ粘ったものの直線で交わされダノンファストの2着。

続いて12月にはベテルギウスステークス(L)に出走。単勝14.8倍の6番人気に支持されたレースでは、逃げてショウナンナデシコ^[4]に2馬身半差付けて完勝。

5歳(2022年)

5歳初戦はマーチステークスを予定していたが、調子が良かったということで1月の東海ステークス(GⅡ)に出走。4番人気に支持されて逃げたものの、もう一頭先行する馬がいてゆっくり逃げられず結果は13着。

3月には予定通りマーチステークス(GⅢ)に出走。5番人気に支持されてここも逃げたが8着。

5月には国分恭介を鞍上に栗東ステークス(L)に出走し、6番人気で逃げたが14着。

6月には再び菱田を鞍上に大沼ステークス(L)に出走。単勝12.6倍の7番人気となったが、3番手からレースを進め、最後は差し切って4分の3馬身差の勝利。

8月はエルムステークス(GⅢ)に出走。3番人気となり、ここでは再びハナを切って逃げたものの4コーナーで手応えが無くなり8着。

11月にはみやこステークス(GⅢ)に出走。菱田はアルゼンチン共和国杯でテーオーロイヤルに騎乗するため鮫島克駿を鞍上に迎えた。前走は暑さが良くなかったともことであったが、ここは13番人気で15着。鮫島曰く、枠が悪く距離も少し長く感じたとのことである。

同月には更に菱田鞍上で浦和記念(Jpn Ⅱ)に出走。初の2000mのレースは7番人気となったが、不良馬場の中で逃げてクリノドラゴン、ラーゴムに次ぐ3着と健闘した。

6歳(2023年)

6歳初戦の2月は川崎記念を視野に入れていたが、結局久しぶりのダート 1200mとなる令月ステークス(OP)で始動。岩田望来を鞍上に6番人気で迎えたレースでは、狭くなった時に怯む様子を見せながらも内を突いて迫ったがケイアイターコイズから半馬身差の2着。

続いて3月には千葉ステークス(OP)に丹内祐次鞍上で出走したが、6番人気で4着。

5月には岩田鞍上で栗東ステークス(L)に出走。雨が降り重馬場となる中で単勝10.2倍の5番人気に支持されると、好位でレースを進め、直線で先頭に立って後続を突き放し、2着のタガノクリステルに7馬身差付けての圧勝。

6月には北海道スプリントカップ(Jpn Ⅲ)に出走。単勝2.2倍の1番人気に支持されると、好位からしぶとく伸びたもののケイアイドリーに1馬身半差の2着。

11月はみやこステークス(GⅢ)に出走。岩田が直前のJBCスプリントでダンシングプリンスから落馬し負傷した影響で横山典弘を鞍上に迎え、12番人気で臨んだレースは番手に付けたが10着。

12月には団野大成を鞍上にギャラクシーステークス(OP)に出走。3番人気に支持されたレースでは好位に付けたが、ペースが速く、59kgとトップハンデであったこともあってか5着。

7歳(2024年)

7歳初戦は1月の根岸ステークス(GⅢ)。11番人気で迎えたレースでは、スタートで躓いたことも響いて11着に終わった。

次走としてかきつばた記念も検討されたが、3月はコーラルステークス(L)に菱田鞍上で出走。5番人気に支持されたものの、15着。

5月には栗東ステークス(L)に出走し、11番人気で先行したが7着。

6月にはJRAの競走馬登録が抹消され、浦和競馬の入口由美子厩舎所属となったものの、その後も出走せずに引退となった。

30戦6勝 [6-4-2-18]。重賞にはあと一歩届かなかったが、リステッド競走を3勝し、1.5億円以上の賞金を獲得した。

種牡馬入り

地方競馬移籍後は情報が途絶えていたが、翌2025年の3月に種牡馬登録されたことが判明した。

ローレルゲレイロの産駒としては初の、キングヘイローの直系種牡馬としても2025年 3月現在キタサンミカヅキのみという状況での種牡馬入りであった。多くの種付け数を集めるのは厳しいであろうが、名馬*ダンシングブレーヴの直系としても直仔*ホワイトマズル、*コマンダーインチーフの系統がそれぞれ僅かに残るのみとなる中で活躍馬を輩出することを期待したいところである。

血統表

ローレルゲレイロ 2004 青鹿毛	キングヘイロー 1995 鹿毛	*ダンシングブレーヴ	Lyphard
			Navajo Princess
		*グッバイヘイロー	Halo
			Pound Fool ish
	ビッグテンビー 1998 黒鹿毛	*テンビー	Caerleon
			Shining Water
		モガミヒメ	*カコイーシーズ
			モガミポイント
ステラアクトレス 2001 黒鹿毛 FNo.7-e	*オペラハウス 1988 鹿毛	Sadler's Wells	Northern Dancer
			Fairy Bridge
		Colorspin	High Top
			Repro color
	カムイイットー 1986 黒鹿毛	*ラッキーソブリン	Nijinsky
			Sover eign
		イツトー	*ヴェンチア
			ミスマルミチ

クロス：Northern Dancer5×4×5(12.50%)、Nijinsky5×4(9.38%)

脚注

*因みにアイオライト自体は宝石にしては比較的安価であるため270万円のものは見当たらなかったが、宝石の国で話題になったフォスフォフィライトのコラボ宝石なんかだと税込324万円とアイオライト(競走馬)より高い。
*因みに1番人気に支持されたのは後の重賞馬ビアンフェ(2着)。
*余談だが、後の障害J-GI 馬で九州産馬のイロゴトシが芝のひまわり賞の収得賞金で出走し、11番人気8着となっている。
*1番人気で、翌年かしわ記念など重賞を4勝する牝馬。