ナダル(Nadal)とは、2017年生まれのアメリカの競走馬。鹿毛の牡馬。
4戦4勝でケンタッキーダービー有力候補と言われながら故障で引退し、日本で種牡馬入りした。
主な勝ち鞍
2020年: アーカンソーダービー(GⅠ)、サンヴィセンテS(GⅡ)、レベルS(GⅡ)
父Blame、母Ascending Angel、母父Pulpitという血統。
父ブレイムはRoberto系で、2010年のBCクラシックにて超名牝Zenyattaに唯一の黒星をつけた馬。
母は12戦未勝利。大伯母に1991年のBCジュヴェナイルフィリーズ勝ち馬Pleasant Stageがいる。
母父プルピットは、Flightlineなどを送り出した名種牡馬Tapitの父。日本ではミューチャリーやメイショウハリオを送り出した*パイロの父と言えば馴染み深いか。
2017年4月27日、ケンタッキー州のシエラファームで誕生。2歳時のトレーニングセールに出され、ラスト1ハロン10秒0の好タイムを出して70万ドルというなかなかのお値段で落札された。馬名の由来は言うまでもなく、スペインの世界的テニス選手、ラファエル・ナダル。
何かと疑惑のボブ・バファート厩舎に入厩したナダルだったが、デビューは3歳1月まで遅れてしまう。しかしサンタアニタパーク競馬場のダート6.5Fの未勝利戦でデビューすると、3と1/4馬身をつけて快勝。
続く2月の同競馬場の7F戦、サンヴィセンテステークス(GⅡ)で重賞初挑戦すると断然人気に支持され、レースはすっと先行するとそのまま一緒に先行したGinobiliとの叩き合いを制して重賞初制覇を飾る。
3月のオークローンパーク競馬場でのレベルステークス(GⅡ)ではダート8.5ハロンに距離延長となったがここでも断然人気に支持される。ここでも最内枠からすっとハナを取りに行き、2頭でレースを引っぱって4コーナーで一緒に逃げた馬を振り落とし、直線では後続の追撃を振り切って逃げ切り3連勝。
続いて同競馬場のケンタッキーダービーへのステップレースであるアーカンソーダービー(GⅠ)へ。コロナ禍の影響でアメリカ各地のレースが休止・延期になっていたため各地から出走希望馬が殺到、賞金半額ずつの2レースに分割されて開催されることになった。
分割の2レース目に回ることになったナダルは逃げる馬を2番手で追走。4コーナーで逃げ馬が力尽きるとそのまま先頭に抜け出し、直線では追撃する後続を逆に突き放して3馬身差で圧勝。勝ちタイム1:48.34は過去10年の最速タイムで、一躍ケンタッキーダービーの最有力候補に躍り出ることになった。
しかしその後、調教中に左前肢の側面顆部を骨折。ボルト2本を埋め込む大手術となり、復帰は難しいということで、ケンタッキーダービー本番には挑めないまま現役引退となってしまった。通算4戦4勝。
なお引退が報じられた際、「ナダル骨折で電撃引退」という見出しで全世界のテニスファンが大混乱に陥ったとかなんとか。そらそうなるよ。
さて、引退・種牡馬入りとなったナダルは、日本の社台スタリオンステーションに購入され、2021年から日本で供用されることとなった。
日本と違い海外競馬では馬体重の計測が行われないので、ナダルの現役時代がどの程度の馬体重だったのかの公式なデータはない。ただ、アメリカ競馬らしい巨漢であるという話は聞こえていた。そして日本にやって来たナダルは、それはもうマジでデカかった。
なにしろ社台SS到着時の馬体重は、なんとびっくり680kg。メロディーレーン2頭分である。もちろんこれは種牡馬として身体を大きくした結果であり、現役時代からこの馬体重だったわけではない。とはいえ現役時代の馬体重については現地報道
によると1300ポンド(約590kg)以上とのことなので、少なくともヒシアケボノやドンフランキー以上であったと思われる。世界は広いなあ。
ちなみに体高は171cmと、かなりデカい方だが同じ社台SSの種牡馬ではキタサンブラック(172cm)の方が高い。そのぶん胸囲が凄く、キタサンブラックを含めた他の種牡馬が185~190cm前後のところ、ナダルは堂々の201cm。サリオスが191cmだと言えばナダルの身体の分厚さが実感できるのではなかろうか。
種付け料400万円で募集されたナダルは初年度から154頭の牝馬を集め、その後2年は種付け数・種付け料はともに若干下がったものの、デビューを控えた初年度産駒の評判が聞こえてきた2024年は189頭に大幅増となった。この巨漢ぶりからしても大型馬を出すパワー系の種牡馬として期待されていることが窺え、やはりディープインパクト牝馬との配合が多い。小柄な牝馬につけて馬格を補うという需要もあるようだ。
2024年から産駒がデビューすると、さっそく初年度産駒が2歳戦にてダートで猛烈な大暴れ。56頭がデビューして、キズナやエピファネイアといったリーディング種牡馬を上回りトップとなる2歳戦30勝を挙げ、うち27勝がダート。*ヘニーヒューズが2018年にマークした25勝を上回る、JRA2歳ダート戦最多勝記録を初年度から打ち立てた。2024年のJRA2歳ダート戦は全部で241レースだったので、中央2歳ダートの9戦にひとつはナダル産駒が勝った計算になる。勝ち上がり頭数も26頭でサートゥルナーリアと並びトップタイ、勝ち上がり率.464は20頭以上がデビューした種牡馬ではダントツである。
中央のファーストシーズンサイアーリーディングこそ僅か650万円差でサートゥルナーリアに敗れて2位だったが、地方の分で逆転し中央・地方総合のファーストシーズンサイアーリーディングに輝いた。ちなみに地方でデビューした産駒は11頭しかおらず重賞馬も出なかったので、地方での同リーディングは9位。
この結果を受け、2024年は300万円だった種付け料が、2025年はなんと1000万円に爆上げ。ダート中心の種牡馬としては、実績充分の*シニスターミニスターや*ヘニーヒューズをいきなり軽く上回ることになった。その2025年は年明け最初のダートグレード競走・ブルーバードカップでメルキオルとクァンタムウェーブがワンツーフィニッシュして産駒初のダートグレード競走勝利を飾っている。
社台SSのダート種牡馬としてこれ以上ない最高のスタートを切ったナダル。種牡馬として同期となるルヴァンスレーヴや、2025年から産駒がデビューするクリソベリルが主なライバルとなっていくだろうが、まずはスタートダッシュで差をつけた。今後は産駒のダート三冠や海外での活躍はもちろんのこと、父に似たクソデカ産駒の活躍馬が出るのも楽しみにしたいところである。
| Blame 2006 鹿毛 |
Arch 1995 黒鹿毛 |
Kris S. | Roberto |
| Sharp Queen | |||
| Tee Kay | Gold Meridian | ||
| Tri Argo | |||
| Liable 1995 鹿毛 |
Seeking the Gold | Mr. Prospector | |
| Con Game | |||
| Bound | Nijinsky II | ||
| Special | |||
| Ascending Angel 2011 栗毛 FNo.23-b |
Pulpit 1994 鹿毛 |
A.P. Indy | Seattle Slew |
| Weekend Surprise | |||
| Preach | Mr. Prospector | ||
| Narrate | |||
| Solar Colony 1995 黒鹿毛 |
Pleasant Colony | His Majesty | |
| Sun Colony | |||
| Meteor Stage | Stage Door Johnny | ||
| Northern Meteor |
クロス:Mr. Prospector 4×4(12.50%)、Northern Dancer 5×5×5(9.38%)
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掲示板
25 ななしのよっしん
2025/06/18(水) 21:19:12 ID: zyp3nl9+PJ
メモリアカフェが関東オークス勝ったけど、入れ違いになるようにクレーキングが故障
3歳春からダートグレード競走にガンガン絡んでいけてる一方でその辺の有力馬の故障が目立ってきてるかも…
26 ななしのよっしん
2025/06/19(木) 00:24:33 ID: AnLP+dQhYY
勝ち上がりのいかつい数字とか超ポジティブ要素ばっかり言われて来たが、ちょっと最近故障する素質馬増えて来たな…
それだけ目立つ馬が多い裏返しではあるけど、下級条件馬は故障情報が目立つ事あんまないからね
27 ななしのよっしん
2025/06/19(木) 16:13:28 ID: A5elbacQwR
産駒の故障が遺伝する傾向が強いなぁ
怪我の少ない牝系との配合が今後増えて来るかも
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最終更新:2025/12/16(火) 06:00
最終更新:2025/12/16(火) 06:00
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