イオー・ジマ級強襲揚陸艦とは、アメリカ海軍が運用していた揚陸艦である。
第2次世界大戦において発達したヘリコプターを上陸作戦で有効に活用するために計画され7隻が建造され1961年から2002年まで運用された。更に設計を流用した揚陸指揮艦が2隻建造され1970年に就役した後2021年時点でも現役である。
全長184m弱、最大幅32m弱、満載排水量18,000tの船体は右舷中央に聳えるアイランド式艦橋を備え、艦首の形状に合わせた半円状の先端以降は長方形状の全通式飛行甲板をもった外観である。
機関出力は2万3千馬力の蒸気タービン1軸推進で最高速力23㏏、巡航速力20㏏で1万海里となっていた。
ただ、計画段階では機関出力5万馬力、2軸推進が検討されていたが開発予算の都合から民間規格の商船をベースにした船体構造となった。
前述の通り、本級はヘリコプターの運用を重視して設計されたため飛行甲板上に7箇所のヘリスポットを設け、CH-46(V-107)輸送ヘリなら7機の同時離発着が可能であった。甲板下の格納庫はCH-46を20機積載可能である。なお、1974年からAV-8(ハリアー)攻撃機の運用を開始したことに伴い滑走ラインが甲板上に設定されAV-8の搭載は4機から12機となっていた。
一方、兵員は艦自体の乗員が685人に対し揚陸用兵員は最大2000人程度である。但し上陸用舟艇の運用能力に不可欠なウェルドックを持たないため戦車などの重装備の揚陸は不可であった事からより大型化したタラワ級強襲揚陸艦の建造に繋がることになった。
なお、個艦兵装として当初連装式76㎜両用砲を艦橋前と艦尾に分けて4基装備したが後に2基をシースパロー用8連装発射機に換装し、更にファランクスCIWSを追加して対空火力を強化した。
イオー・ジマ級をベースに建造された大部隊の指揮に特化した艦(移動司令部)。
強襲揚陸艦をベースにしたのは飛行甲板を利用して各種通信アンテナを障害物なしに自由に配置でき、格納庫や揚陸用兵員向け居住区が高性能通信機の積載や部隊司令部の人員の居住用に適していた為である。
故に艦載機はヘリコプター2機(格納庫なし)のみ、個艦兵装は当初シースパロー用8連装発射機+76㎜両用砲を2基づつ装備していたが撤去されファランクスCIWS+水上近接戦用25㎜機関砲2基づつと軽装となった。
なお、本級は2隻が1970年、1971年に相次いで就役した後2021年現在も現役で運用されている。
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最終更新:2024/04/19(金) 22:00
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