エドワード・パーマー・トムスン(1924~1993)とは、イギリスの歴史学者である。
E・P・トムスンという略称の方が有名かもしれない。
インドで従軍牧師をしていた両親の間の、イギリスへの帰国後に生まれた次男である。キングズウッド・スクールに通った後、ケンブリッジ大学に通った。兄のフランクと同様共産党に入党し、第二次世界大戦中にユーゴスラヴィアでパルチザンとして活動した。戦後ユグノーの末裔であるドラシ・タワーズと結婚する。
大学卒業後はヨークシャーで党活動と成人教育に従事する。しかし1956年のスターリン批判とハンガリー事件で党活動とは袂を分かち、以降は非共産党系左翼として活動することとなる。
トムスンの代表作といえば『イングランド労働者階級の形成』である。産業革命の時代の政治文化についてマルクス主義史観に基づいて記した大著である。内容は労働者階級が産業革命を通して階級意識が形成されるという政治文化の大変貌が生じ、それが近代イングランド史の前提となることを主張するものである。
トムスンはこののち18世紀から17世紀の研究へと移る。1965年にウォーリック大学に初めて正式な教員として勤めるが、1968年の学生運動の勢いなどによってトムスンは辞職し、フリーランスの文筆家となった。
70年代になると今度は「長い18世紀」を考察対象とし、彼の研究と連動する形でモラル・エコノミーやラフ・ミュージック(シャリヴァリ)、磁場といった民衆研究史における主要な概念を生み出していった。
1980年代になると政治論争に参加し、歴史家としては言語論的転回を経た若い世代からは距離を置かれるようになった。しかし死の直前までウィリアム・ブレイクに関する著作を書きあげるなど、イギリスを代表する社会史研究者としての生涯を終えたのであった。
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最終更新:2024/04/25(木) 16:00
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