ツヴァイヘンダー(ドイツ語:Zweihänder)とは、主に西ヨーロッパで用いられた刀剣の1種である。
ツヴァイヘンダーはドイツやスイスなどで用いられた両手で使用する大型の刀剣であり、英語の場合トゥーハンデッドソードとなる。トゥーハンデッドソードとは細部が異なるがだいたい同じ武器である。
刃渡りは100cmから130cm、平均的な全長は150cmから160cmであり、重量は戦闘用ならば3kg以内である。(最初期のタイプは刃渡り81~104cm、柄の長さは15~25.5cm、1.5~2kgほど。)
ヨーロッパの刀剣は刀身の根本付近には、(使わないため)刃が付いていない場合が多くこの部分をリカッソと呼んだが、ツヴァイヘンダー及びトゥーハンデッドソードはこのリカッソは柄の延長として握って扱うために革が巻かれ鍔の代わりとなる突起が付いていた。このリカッソをつかむことで敵による手に対する攻撃を躱したり、間合いが短くなる代わりに懐に入られた場合でも対応しやすくなったりしたが、特に重心が変化し操作性が向上するという恩恵があった。
ツヴァイヘンダーの使用は体力の消耗が激しく、鈍重でとっさに動くことが困難だった。そこて、戦闘中はなるべく動きは大ぶりを避けコンパクトに留め、かつ勢いを殺さないように水車のように旋回させながら攻撃した。突きや単純な振り下ろしの動作は勢いを維持できないため、基本的には避けられた。
製作のコストが高いという欠点もあり、使用者には体力や高い技術力だけでなく財力も要求された。
ツヴァイヘンダーのような大型刀剣は古代から中世初期にかけてほそぼそと使われていたが、いずれも例外に近いレベルであり、伝承の中に登場するような曖昧な存在だった。確実に用いられ始めたといえるのは、13世紀の後半になってからであり、最初に使い始めた地域はドイツだといわれている。
全盛期は15世紀から16世紀末であり、主にドイツやスイスの傭兵達が使ったがイタリアでも使用されたという。ツヴァイヘンダーは専用の兵士が用いる事が多く、死傷率が高いが給料が高いため倍給兵と呼ばれることもあった。彼らの任務は長槍で武装した味方部隊より突出し、同じく長槍で武装した敵部隊の隊列を崩すことで味方を優位に立たせることである。
それだけでなく中世の軍人達からはツヴァイヘンダーのような武器は複数の敵を相手取るのに適しているという認識が強く、指揮官や軍旗の護衛部隊の武器として活用された。
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最終更新:2025/01/03(金) 11:00
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