ロタウイルスとは (ロタウイルスとは) [単語記事]

【ニコニコ大百科　：　医学記事】
※ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。

ロタウイルスとは、感染性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種である。

主に冬から春にかけて流行する。

概要

主に乳幼児に感染し、重い胃腸炎を引き起こすウイルス。

日本などの先進国では死亡例は稀だが、発展途上国ではロタウイルスによる胃腸炎で亡くなる子供も多い。

電子顕微鏡で観察すると車輪のような形状をしており、これが名前の由来となっている。（ロタはラテン語で車輪という意味）

ノロウイルスと同様に感染力が非常に強いウイルスだが、何度もかかるうちに免疫ができるため、大人が感染しても症状が軽いことが多い。

ノロウイルスと同じくエンベロープを持たないウイルスであるため、アルコール消毒は無効である。

激しい下痢、嘔吐、発熱などがみられる。

重症の場合はコレラのような真っ白い水様便（米の研ぎ汁状）が大量に出て脱水症状に陥ることもある。

また、稀に脳炎や脳症、心筋炎、肝炎、腎不全、腸重積症などの危険な合併症を引き起こすこともある。

大人は免疫を持っていることが多いためロタウイルスに感染しても軽症で済むことが多いが、乳幼児にとってはノロウイルスよりも危険なウイルスであるため注意が必要。

ちなみにロタウイルスをやっつける薬は存在しないため、水分補給をして脱水症状を防ぐことが最も重要な治療法である。

ただし副作用として腸重積症という非常に危険な病気が起こる可能性があるため、「過去に腸重積症にかかったことがある人」や「先天的な消化管の病気がある人」はワクチンを受けることができない。