宇喜多能家とは (ウキタヨシイエとは) [単語記事]

宇喜多能家（うきた・よしいえ　？～ 1534）とは、戦国時代の武将である。浦上家臣。

概要

浦上則宗、浦上村宗に仕えた知勇兼備の名将。宇喜多直家の祖父。村宗没後に島村貫阿弥の奇襲により死亡したといわれていたが、実はこれは説話である。

生涯

宇喜多久家の子。1499年ごろに家督を継いだ。

はじめ浦上則宗、その死後は後継者である村宗に仕えた。

知勇兼備の名将で、数々の戦いで功績を挙げている。自ら敵将の首を取ることもあった。初めは主に三浦氏と備前国の勢力を巡って争っていた。しかし村宗が下剋上を画策するとこれに尽力。傀儡当主・赤松義村の反撃を幾度となく退けた。1523年には次男・四郎が浦上村国の策略で討死するが、そのショックから死地を求めて敵陣へ突入、逆に村宗に勝利をもたらした。この奮戦ぶりは時の管領・細川高国も賞賛し、名馬と釜を贈ったといわれる。

このあと義村は村宗により暗殺され、新たな傀儡・赤松晴政（当初は政村→政祐）が擁立される。しかし晴政の裏切りにより村宗は討死してしまった（大物崩れ）。これを機に、家督を息子・宇喜多興家に譲って出家する（1524年に出家したとの説もあり）。

最期

ところが犬猿の仲であった同僚・島村貫阿弥（島村盛実）の讒言により居城・砥石城を奇襲され、自害に追い込まれた。跡を継いだ興家は暗愚な人物で、1536年もしくは1540年に病死、あるいは自害してしまったという。この仇は孫・宇喜多直家によって果たされることとなる。

真相

この最期は江戸時代の軍記物によって誕生したもので、事実ではないとされている。実際には能家は赤松晴政の手の者により暗殺されたらしく、実際には島村家に仕える子供衆（元服前の若衆）と喧嘩の末に殺害されたのは息子の興家であるとされる。これが貫阿弥本人が興家を殺した話に変わっていき、更にはターゲットが能家になったようだ。