和歌などに本歌取りがあるように、替え歌は本来は、一般的で当たり前な表現様式であった。著作権概念が法的に確立した近代においては、歌詞の改ざんや置換が著作人格権その他を侵す法的リスクが高くなった。
したがって、俗謡などでの使用など、替え歌はある意味で言えば不正規な表現形式とみなされがちである。
しかし、俗謡に商業作品にない突き抜けた表現性が備わる場合などに、替え歌で元歌に鋭い風刺や批判を込めたり、元歌そのものを否定しなくても、元歌の持つ社会的な影響力を風刺、批判できたりもする。
もとより風刺とは優れた批評であり、芸術の進歩は批判や、批評なくしてはありえず、替え歌は、歌詞置換による新しい音曲の可能性を探る優れて改良的な方法である、直接に芸術表現な側面も持つ。
すなわち、
優れた替え歌は、『批評と芸術性高い表現を兼ね備える』、魅力的な表現形態である。
ニコニコ動画においては、包括的に歌謡引用的な使用について、ニコニコ動画内での限定的なライセンスとして、大半において著作権問題が解決している以上、『俗謡』の概念を脱皮して替え歌を自由且つ大いに楽しむ、新しい可能性が生じたと言える。
無論、原作者を著しく、意味もなく不当にけなす替え歌は著作人格権の蹂躙なので許されていると解する余地はないと思われるが、替え歌を堂々と多くの人とメッセージを交わしながら楽しみ、またいまひとつの替え歌に駄目出しをしながら詩作の方法を探ってゆけるのは、連歌のようなよき表現の営みであると言えよう。
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最終更新:2025/01/23(木) 19:00
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