標準得点(standard score)とは、あるデータが全体のどの位置にあるのかを示す値である。
「偏差値」ともいうが、ニコニコ大百科の当該項目をはじめとして、この用語はTスコアで表された学力偏差値を表す言葉になっており、誤解を生むこともある。
簡単に言えば、「あなたの得点は、平均から標準偏差いくつ分のところにいますよ」ということを示す値である。統計が正規分布に従う場合、データの標準得点がいくつかがわかれば、そのデータが上から(下から)何%の位置にあるかがわかる。
裏を返せば、正規分布に従っていない場合はほとんど意味のない指標である。
標準得点は、「データと平均の差が標準偏差いくつ分か」を表す値であるから、「データの値-平均」を標準偏差で割った値が基本となる。
このとき、平均をいくつ、標準偏差をいくつにとるかによって、以下の種類に分かれる。
なお、ExcelではSTANDARDIZE関数が定義されており、=STANDARDIZE([引数], [平均], [標準偏差])で、引数を標準化した値を返す。Zスコアを表示したいならこの値をそのまま、Tスコアなら10倍して50を足せばよい。
平均を0、標準偏差を1としたときの表し方。つまり、標準化した後で何もしない値である。平均より上ならプラス、下ならマイナスであり、1が標準偏差ひとつ分というもっともシンプルな形である。
しかしながら、人は0から100までの数値で比較するのに慣れすぎているため、68%が-1以上1以下の範囲に収まるこの方式では直感的にわかりづらいようである。なにせ、平均より上でもたいていは小数点以下から始まり、ちょっとでも下ならマイナスになってしまうのだから。
例えば、あなたのテストの偏差値は0.01ですよ、と言われたら、一応平均より上なのにがっかりするだろうし、「お子さんの知能指数はマイナス0.1ですよ」と言われたら、実際には問題ないにもかかわらず親御さんは何らかの知的障害かと狼狽するかもしれない。
→偏差値
平均を50、標準偏差を10としたときの表し方。学校のテストにおける偏差値はこれを使っている。
テストの点数と似たような数値が出るため、わかりやすいとされている。しかし、点数の70点は(内容にもよるが)「すごく頭がいい」とは言いづらいのに対し、偏差値70はそうとう頭がいいと言える数値である。
40-60の範囲に68%、30-70の範囲に95%が集まる。20を下回ったり、80を上回る値はめったに見られない。このように、低得点・高得点では、テストの点数と同じ感覚で偏差値を見ると認識がずれることになる。
→知能指数
知能指数は、現在では偏差値を用いた偏差IQで表すのが一般的である。平均を100、標準偏差を15とする。標準偏差の値は、ウェクスラー式では15、田中ビネー式では16と方式によって異なる。
知的障害があるかどうかの基準がよく「知能指数70未満」といわれるが、ウェクスラー式ならば標準偏差2つ分なので、Tスコアでいうなら30を下回る状態ということである。
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最終更新:2025/12/12(金) 14:00
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