法螺貝(ほらがい)とは、貝の一種、およびその抜け殻を楽器としたもの。
フジツガイ科に属し、日本の巻貝としては最大級の大きさを誇る。全長40cmを超え、直径ですら20cmを超えるほど大きくなる。
その美しい殻は観賞用であったり、コレクションであったりと、マニアだけでなく一般にも多く売り買いされている。基本的に大きいものほど価格が高く、一つ数十万円で取引されることも。
主にヒトデ、ウニなどを食料とする肉食性の貝。サンゴを食害するオニヒトデの天敵として有名だが、あまり大食いではなく、かつ食べる速度も遅く、しまいには食べ残してしまったりと、実は天敵といえるほどではなかったりする。
肉は食べることが可能だが、オニヒトデなどを食していることもあり、内臓に毒をもっていることが多い。そのため、食用となるのは足などの部分に限る。
殻の頂点を切除し、ふき口をつけラッパ状に加工したものは古来より楽器として用いられた。修験道などの仏教、神事などに用いられる。
戦国時代には陣触れの合図として使用され、士気高揚の道具ともなった。このため、法螺貝の笛は陣貝(じんがい)とも呼ばれる。法螺貝の音色を聞くと何故か出陣したくなるのは、我々が日本人であるがゆえである。たぶん。
法螺貝そのものには音を出す機構はないため、ただ息を吹きかけても音はならない。音は唇の振動(汚い表現だがブーッとオナラの音を出すカンジ)を利用し、これが貝殻に共鳴することで大きな音が出る。音を出すのには少々コツがいるが、金管楽器を吹いた経験がある人であれば比較的容易に音を出すことができるだろう。
ちなみに、インド史においてはシャンカ(サンスクリット語で法螺貝)というモノがあり、こちらも法螺貝と同様に笛として吹かれる。宝石を埋め込んだ青銅の装飾で覆われていたり、貝の表面に彫刻が施されていたりと、非常に豪華な外見が特徴。使用されている貝の多くはシャンクガイという貝で、法螺貝よりは小ぶりなため、笛の音色も高い音となる。
日本では嘘つことや大げさに言う人のことを「ほら吹き」と呼ぶ。これは法螺貝が由来となっている。
法螺貝は見た目以上に大きな音が出る。そこで予想以上に大儲けすることを「ほら」と呼び、大げさに表現することも「ほらを吹く」と表現するようになった。
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最終更新:2024/04/18(木) 12:00
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