無臭トイレとは、水洗式ではない汲み取り式便所[1]に臭気対策機能を備えたものの総称で、1950年代から1970年代の下水道が普及していない地方で普及していた方式である。一応積水化学の商標であるが、一般的に広まった名前である。
無臭トイレの起源は、1927年(昭和2年)に内務省(現在の総務省)の衛生局実験所(現在の厚生労働省)が、伝染病や寄生虫対策として開発した内務省式改良便所である。これは便槽の中に何層もの区切りを取り付けたものであった。
第二次世界大戦後に厚生省式改良便所が開発された。
内務省式は、屎尿(し尿)が便槽に積み上がっていくため、汲み取り時に新しい屎尿も一緒に汲み上げてしまう構造を持つ。そのため寄生虫卵や法定伝染病菌が死滅する以前に汲み取られてしまい、衛生上の問題が発生するという欠点があった。
この解決策として、厚生省式は屎尿を100日・3ヵ月以上貯留できる構造になっていた。また臭気の軽減についても考慮されていた。便器から土管・コンクリート管の直下管を設け、仕切り板により気密にされ、臭突[2]により直下管へ臭気の逆流を防ぐ構造の第一の貯留層と、堰により隔てた第二の汲み取り槽により長期間に亘り屎尿を順序良く腐敗させる構造である。
1954年に硬質エンビ工業(現・前澤化成)が、厚生省式改良便所を参考に、便槽と便器の間にU字管(トラップ)を設けてある構造の塩化ビニール製の汲み取り式便所(名称・サワートイレ)を発売する。その構造はU便器の直下に臭突へ分岐する管があり、そこからヒーターや換気扇を経て臭気を排出するため直下式便槽より臭気が少なく、それが無臭トイレの名前の由来となっている。後に積水化学や松下電工(現・パナソニック電工)等の建材メーカーが参入をするようになる。1950年代から1970年代の下水道が進んでいない地方で多く普及をしたが、最近では水洗トイレの普及で浄化槽や下水道が普及したので、新設では希少な構造となっている。また、便器だけを簡易水洗式にして便槽をそのまま流用してリフォームをすることもある。ただし、汲み取りの回数は多くはなる。
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最終更新:2025/03/26(水) 21:00
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