細川氏綱とは (ホソカワウジツナとは) [単語記事]

細川氏綱とは、細川尹賢の息子であり、細川晴国、細川国慶に続く細川高国派残党の最期の旗頭である。

概要

彼の父・細川尹賢とは細川野州家の分家であり、従兄弟の細川高国が細川京兆家を継いだ後、細川政賢の離反もあって細川典厩家に養子入りし、これを継いだ人物である。細川高国陣営はこのように細川京兆家、細川典厩家、細川野州家の三家を中心とした同族連合として、守護クラスの分家が味方した細川澄元派に対抗していったのだ。

そして細川氏綱は1513年に誕生する。細川高国には嫡子である細川稙国がいたが早世し、万が一何かあったとき用として細川氏綱の立場は細川高国の後継者候補にあったとされる。結果、細川高国は「大物崩れ」で亡くなり、細川氏綱は高国の養子として京兆家を、同母弟である細川藤賢は典厩家を、異母弟である細川勝国が駿州家を繰り上がり式に継ぎ、父親の細川尹賢と同様兄弟がプチ同族連合として機能することとなったのである。

一方、細川高国亡き後は、細川晴国が残党をまとめていく。彼は、細川尹賢の兄であった細川国豊の息子とされる細川九郎二郎亡き後、それを引き継ぎ房州家を興した細川高国の父・細川政春の晩年の子供であり、細川高国とは年の離れた兄弟であった。
細川晴国と細川氏綱は氏綱の方が3歳年上であったが、後継者問題に苦しむ細川高国の後継者候補としてそろって元服した仲間なのだ。そしてそのために両者の間には高国後継者の座を巡って軋轢が生じていたのである。細川晴国は高国の代わりに丹波守護を代行していたため、丹波で挙兵するも、氏綱勢力の協力を得られず失敗して敗死した。またその影響で野州家の地位も房州家から駿州家へと移ることになった。

その後旧高国の残党は細川国慶がまとめあげ、細川氏綱は基盤を持っていた和泉に潜伏、そして1538年に細川国慶と共に晴元を討つための兵を和泉で挙げ、さらには畠山稙長や尼子晴久とも協力関係に持ち込んだのだ。畠山稙長の離反などもあったが細川氏綱が細川晴元側の三好長慶を引き付けている間に、細川国慶が京都を制圧。一年近い支配を行うにまで至ったのである。しかし、細川晴元側の反撃で翌年細川国慶は討ち死に、京都を失うことになる。