SCP-610とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
| SCP-610 | |
| 基本情報 | |
|---|---|
| OC | Keter |
| 収容場所 | 南シベリアのバイカル湖付近 |
| 著者 | NekoChris |
| 作成日 | 2009年4月12日 |
| タグ | 伝染性 場所 変容 生命 精神影響 |
| リンク | SCP-610
|
| SCPテンプレート | |
南シベリアはバイカル湖付近の特定のエリアにて見受けられる感染症。初期状態こそ皮膚病に酷似しており、湿疹・痒み・過敏症などを見せるが、やがて腕部・胸部において重度の傷跡のようなものが組織形成され、それが脚部・背部に及んでいき、5時間以内には感染者を『食い尽くす』。なお高温下ではこの進行が早くなることも確認されており、上記の内容が5分以内に起きた事例も記録されている。
こうして感染者はやがて動かなくなるのだが、この後3分ほどの停止期間を経過すると常人の3倍の速度で活動を開始しはじめる。更に傷跡も自発的に動き出して腕部や脚部が奇怪に伸長されたり、増えたりと肉枝が弾けて芽生える。この時点で元の感染者の生命活動は消失しており、新たにこの肉塊とでも呼ぶべき何かの自我が生まれるようだ。これを便宜的に第1段階と称することにしよう。ただしこの第1段階で止まる個体も存在しており、次段階にいたるまでの期間はまちまちである模様。
なおこの個体群の中には、移動を止めて根を張りそこに留まる個体も存在し、この個体は他の個体にSCP-610感染症を感染させることはない。この段階に進んだ感染者は、周囲の感染者の成長と変化を促進する模様。便宜的に第2段階感染者と表現する。
初期感染 - 第1段階の感染者を観察する試みは基本的には成功しない。初期感染者は助けを求めて動き回り結果的に感染を広めてしまうし、第1段階の感染者は逆に能動的に仲間を増やそうとするためである。第2段階に関しても、それ自体は感染を広げないが近くに他の感染者がいるのでほとんど不可能に近い。基本的に視覚がある感染者は非感染者を見分けて襲いかかる。視覚が失われた状態でも、30m以上離れていなければ危険であるようだ。
当初SCP-610はロシア政府から財団に直接、非公式のチャンネルからもたらされた。ロシア政府は該当地域の農夫の失踪を理由にエージェントを派遣したのだが、上述のことから全滅した模様。基本的に近くに人がいなければ拡散しないと見られているため、現在の該当地域はエリアごと封鎖している。また高温には耐えられるとは言え流石に燃やされるとどうしようもないらしく、財団は調査時には火炎放射を行うことにしている。また調査にあたっては遠隔機器やロボット、ドローンなどを基本的には採用し、人間が必要な場合はDクラス職員を向かわせている。
本報告書には探査記録がL1 - L6まで存在している。ただし、探査記録L6(オペレーション'Source Point'における探査記録)のみはクラスA以上の権限が必要とされ、財団との契約違反及び国際法違反になるという。
L1は当該地域に存在していた集落の行方不明者捜索、L2はSCP-610封じ込め区画防御線建設中にSCP-610に感染してしまったDクラスをせっかくだから調査に当たらせて有効活用しようというものであり、SCP-610封鎖区画内のSCP-610の行動を見るものである。まとめてしまえば、SCP-610は変異後も第1段階の間は生前の行動を模倣する模様であること、また、第2段階として根付いた個体のなかに円錐状に進化し高温の熱を吹き出す集合体 (第3段階)、感染者が球状に集合した第4段階も確認できた。第4段階の球体はSCP-610病原体を噴出しては拡散している様子。この球状の感染体が燃やされた際に爆発が起き、同時に動けない感染体は一時的に死亡、動ける感染体は上流階級の住居と見られる建物に移動し、その住居内の陥没穴に落下していった。
ここからL3の内容になるが、財団は今度は研究スタッフと護衛隊員を向かわせて、当該穴を確認させることにした。その中で地震活動が数度起きた後、周囲に病原体が拡散して空気中の生物が感染体になって職員たちに襲いかかったり、巨大な人間の頭部が穴から乗り出しているところが撮影された。ここで全隊員はロスト。かわって遠隔操作ドローンによる調査が開始される (L4)。これによって穴の中はSCP-610感染体の痕跡で壁面が覆われていること、穴が自然物ではないこと、中に川が流れていることなどがわかった。そのまま地表に続く穴を確認した財団は、ドローンをそちらに向かわせたところ、放棄された廃村にたどり着いたことがわかった。
この廃村は建物がSCP-610の死んだ組織で覆われており、体組織そのもので構成されていることがわかった。
先述の穴に再度有人探索が試みられることになる (L5)。穴は先述の廃村と川の2つにつながっているが、探査チームの十数名は感染体が探査用のバギーを襲うのから守ろうとして水流にのまれてしまった。残った数名は廃村にたどり着くと、他の家々が崩落している中、稼働する時計塔のついた教会が見つかった。そこに入ると、6つの木製の円環を吊るす巨大なSCP-610感染体と、そこにそれぞれひとりずつつながれたSCP-610に覆われた人間6人がいた。この6人は後ほど教会に入ってきたSCP-610個体群に捕食された。なんらかの儀式のようだ。
L6は我々には開示されていない。しかし、読むことが国際法違反になることから、ひとつの予測は立つ。水源はロシアとは別の国につながっており、そこにもSCP-610のコロニーが存在する、ということだ。
今となってはサーキック・カルトとの関わりがしばしばつけられるこのSCP-610だが、もともとこのSCP-610が執筆された当時はサーキック・カルトという概念が存在していない。そのため、いわば後付であり、この項目のタグにもサーキック・カルトなんて一切書かれてはいない。
故にサーキック・カルトと無縁に読むことが可能であるし、それを望む人たちも多い。SCP-610とサーキック・カルトを結びつけて話をする場合、相手がそのヘッドカノンを共有できる相手であるかどうかは確認することが望ましい。
SCP-2217 - 鎚と鑕はサーキック・カルトからみとしてSCP-610を捉えている作品であり、財団が収容違反をおこしかけていたところ、メカニトたちが財団を助けるためにやってくる。
かつてこのSCP-610のページ内で使用されていた画像は、「Mark Powell」という芸術家による「Dream Diorama」というシリーズものジオラマ作品の3作目「Dream Diorama 3」の写真画像であった。
この「Dream Diorama 3」は2004年の作品で、大きさは28x50x35cmであったという。このシリーズ作品の1作目「Dream Diorama 1」には「Meat eater/ Anatomy lesson」という個別タイトルが、2作目「Dream Diorama 2」には「Meat orchestra」という個別タイトルが添えられていたが、この3作目「Dream Diorama 3」は「Untitled」(無題)と添えられていた。
(※Mark Powell氏の公式サイト内、同作のページ。サイト自体が消滅済みのためインターネットアーカイブ)奇怪でインパクトの強い画像であり本SCPが知名度や人気を集める一因にもなっていたかもしれない。しかし後に、権利上の問題からか画像は別のものに差し替えられた。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/19(金) 07:00
最終更新:2025/12/19(金) 06:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。