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アビガン(ファビピラビル)とは、日本国内ではインフルエンザ治療薬としての承認を受けているが、エボラ出血熱の治療薬としては未承認である。開発元は富士フイルムホールディングス傘下の富山化学工業である。
アビガンとは2014年3月、国内での製造販売が承認された新型インフルエンザ治療薬である。エボラ出血熱、もしくはラッサ熱といった「RNAウイルス」への効果が期待されている。また、口蹄疫やノロウイルス、黄熱対策にも効果があると言われ、エボラ出血熱に対する治療薬としては日本国内で手に入る唯一の貴重な薬剤である。日本国内において約2万人分(原薬としてさらに約30万人分)の在庫を保有しており、WHOからの要請があれば供給可能である。
現在までに欧州4カ国でこの薬剤を投与された4人全員が回復したという実績があり、本格的にエボラ出血熱に対する治療薬として確立されつつある。(因果関係はいまいち証明されてないようだが。)日本国内では厚生労働省が2014年10月末に専門家による会議を開き、医師の指導の下で薬剤を使用できるとの見解で一致し、国内での使用も認めた。
2014年11月、フランス、ギニア両政府はギニアの患者約80人を対象にアビガンの治験を開始した。この治験にはWHOも関与しており、国際的な承認に向けて前進中である。また、米政府も多額の助成金(計:約3800万ドル)を米企業メディベクターに出して、米マサチューセッツ州とアフリカで、アビガンのエボラ出血熱へのフェーズ2試験を開始する予定である。
2015年1月、富士フイルム側は中国企業がアビガンの模造薬を製造したとして、明確な特許侵害であることを理由に提訴を検討しているという。
2015年2月上旬、フランス、ギニア両政府がギニアの患者約80人を対象にアビガンの治験を開始して以降、新たな進展がみられた。富士フイルム側に『有望な成果が得られている』とフランス国立保健医療研究所(治験をしている研究所)から報告があり、死者の減少、治癒されていくケースが増加傾向にあるとのこと。国際承認に向けて大きく前進した。
2月24日、フランス国立保健医療研究所による治験の中間結果が発表された。簡潔に要約すると以下の通り。
・エボラウイルス値が中~高値(血液1mL中のウイルスコピー数が108以下)の患者において、一般の栄養療法(基礎療法)と比較して、死亡率が30%だったのが15%に半減した。
・エボラウイルス値が非常に高値な患者(血液1mL中のウイルスコピー数が108以上)の約8割に強い腎機能障害がみられ、服用させても直接的な成果は得られず、死亡率の減少にはほとんど繋がらなかった。
・インフルエンザの治療と比較して10日間多量に服用させたが、有害事象(副作用)はみられなかった。
上記のようにエボラ出血熱に対する治療効果が示されたことを受け、富士フイルム側は、「引き続き、エボラ出血熱の感染終息に貢献するとともに、治療法確立に向けて、フランス政府やギニア政府、日本の関連当局に全面的に協力していきます。」とコメントした。
効果:元々は新型インフルエンザ治療薬として製作、承認されているため、それに対する効果は勿論のこと、エボラ出血熱などのウイルスの増殖を食い止める効果がある。(ということは、最終的にエボラ出血熱などのウイルスを滅菌することができるのは人間の『免疫力』ということになる。)
副作用:身体の細胞が正常に作成されるのを阻害する(皮膚や内臓の損傷に対する回復力が低下する)可能性があるといわれている。また、胎児へ何らかの影響を与える可能性があり、妊娠中の女性には処方できないといわれている。
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最終更新:2024/05/01(水) 10:00
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