アーマード・コア4(ARMORED CORE 4)とは、フロムソフトウェア社からPS3、およびXbox360用に発売されているカスタマイズロボットアクションゲームである。
なお、タグとしては[AC4]が良く使われる。ただし、「エースコンバット4」といった他作品との重複があるので注意されたし。
食糧やエネルギー資源の慢性的な不足をはじめ、積み重なる諸問題により国家は統治能力を失いつつあった。
頻発するテロや暴動により多くの都市が廃墟と化していく一方、重要性を増した軍隊は、これらに対応すべく高度に機械化していった。
それに伴い、いくつかの企業は強力な軍産複合体を形成し、影響力をかつてないほどに拡大させていった。
加速する荒廃が経済システムの存続を脅かすに至った時、実質的な最高権力となっていた6つの巨大企業グループは国家を見限った。
そして自らによる新しい統治体制を構築すべく、国家に対して全面戦争を開始したのだ。
これが後に言う、「国家解体戦争」の始まりであった。
この戦争は企業側の一方的な奇襲によって始まり、企業たちの圧倒的な勝利という結果に終わった。
企業達の最新鋭兵器、特に30機足らずの新型AC「アーマードコア・ネクスト」に、国家軍隊はなすすべもなく壊滅していったのだ。
戦争は、わずか一ヶ月で終結した。
戦争終結後、企業達により統治のための新しいシステムが構築された。
我々はコロニーと呼ばれる居住区に押し込められ、自由市場から切り離された。
資源と市場を企業が独占し、我々は企業達から配給される糧食を得るためだけの労働に従事することとなった。
賢明な経済主体を自称する企業達が「限りある資源の、節度ある再分配」と豪語する、この奴隷制度的なシステムを、企業達は「パックス・エコノミカ(経済による平和)」と呼んだ。
パックス下で築かれたコロニーの一つに、コロニー・アナトリアと呼ばれるコロニーがあった。
そこはネクスト関連の技術研究を中心とした、先端技術開発が基幹産業となっているコロニーであった。
ある時、アナトリアは一つの転機を迎える。
ネクスト研究の第一人者であったイェルネフェルト教授が死去し、さらにアナトリアの技術が流失したのだ。
唯一の商品であった技術は専門性を失い、その価値を大きく落とすことになった。
こうして、アナトリアは経済危機に陥いることとなった。
教授の死後、アナトリアの全権を担うことになった私は、この経済危機を打破すべく思い悩むことになったが、方策を打ち出すまでに長い時間はかからなかった。
きっかけは教授の娘、フィオナ・イェルネフェルトが救ったあの男、伝説的なレイヴンだった。
彼は戦争で重傷を負ったところをフィオナに救われ、アナトリアで療養していた。
その時に分かったことだが、彼にはAMS適性――つまりネクストを動かす資質――があったのだ。
それに加えて、アナトリアは技術開発用としてネクストを持っていた。
つまり、ネクストを用いた傭兵業でコロニーの資金を賄う事にしたのである。
我々が負うべき負担を一人に押し付ける、極めて非人道的な策であったと思う。
しかし、ひっ迫した経済事情が他の選択肢を許さなかったのだ。
かくして、「アナトリアの傭兵」は誕生することになったのである。
エミール・グスタフの回顧録より
次世代機であるPS3、およびXbox360へプラットフォームへ移したことからあらゆる面で完全なリニューアルをした作品。便宜上それ以前の作品を“レイヴン作品”と略称する。
世界観はレイヴン作品のような遠い未来の架空世界ではなく、現実世界に近い世界観であり、事実として現在の地理的名称が出てくる(「アナトリア」も実在の地名。探してみると面白いだろう)。
レイヴン作品ではACと他の兵器との明確な戦力差が明示されなかったが、それらが整理され、特にコジマ粒子という設定に基づいた超兵器が主役=アーマードコア・ネクストという立場を取っている。
何よりも操作面はレイヴン作品と別物である。操作系はもちろん、3次元戦闘主体となり、煩雑な管理項目が削られることでよりシンプルに整理され、スピーディに仕上げられた。
(それでも操作難度は高い。プレイする場合、タグ「リンクス養成動画」で予備知識を得ることをお奨めする)
パーツも、慣例として値段と性能が比例していたものが廃止。全てのパーツが明確な個性と一線級の性能で揃えられることとなり、「旧型だから使えない」といったパーツが完全に無くなった。よって、アセンブルの知識の無い初心者でも攻略しやすい。
(ただし、パーツラインナップの不足から、特に続編のACfAと比較すると中量二脚以外の選択肢が少ないという欠点もある)
本格的なネットワーク対戦が実装され、対戦会も多く行われた作品でもある。(ハードウェア間互換は無し)
何よりこの作品の魅力はストーリー面であるといえる。
エミール・グスタフによる回顧というスタイルで描かれている他、他のシリーズ作品と変わって主人公や、周辺人物に明確な設定や過去があること。
そしてその人物たちがミッション内で交わす豊富なやり取りの濃密さ、深さも興味深いところ。
また、難易度NORMALはいわば「ダイジェスト」という形を取っており、策謀家達の意図、本心といったものはHARDをプレイすることで見えてくるということから、長く遊べる仕様となっている。
そこに星野康太氏による楽曲も加わり、一本道で進むストーリーや演出はさながら映画のようであり、続編のフォーアンサーよりもシナリオ・演出面ではこちらの方を高く評価するファンも多い。
それでありながら、『結果だけを見せて過程を見せない』というフロム・ソフトウェアらしい物語作りは一貫している。
この作品はニコニコ動画始動と時期を同じくしたアーマード・コアでもある。
ニコニコ動画の盛り上がりと共にプレイ動画のみならず多数のMADや架空戦記シリーズが投稿され、ニコニコ動画と発展を共にした作品である。
特にキャラクターに容姿を設けず、物語に至るまで想像の余地があることから優秀な素材集としても注目された。
タグ「コジマ汚染患者シリーズ」「アーマードコア良作MAD」等のタグが付いた動画はシリーズ作品のゲームとしてはかなりの多さであることがそれを物語る。
※リンクスナンバーとは、№26までは国家解体戦争で挙げた戦果の高い者順から付けられ、それ以降のナンバーは登録された順に付けられている。特に№26までのリンクスは「オリジナル」と呼称される。同時に、企業などに全く属さず、ナンバーを与えられていないリンクスは「イレギュラー」と呼称される。
かつてアーマードコア・ネクストの技術研究の最先端を担っていた。
技術流出後、対外的な商品が無くなり、パックス以後は貧困の一途を辿る。
国家解体戦争に参加した元レイヴン。
かつては伝説的なレイヴンと称されていた。
戦争で重傷を負ったところをフィオナに救われ、アナトリアに保護される。
それから数年後、経済危機に陥ったアナトリアのためにネクスト傭兵となる。
リンクスナンバーは39。通称、アナトリアの傭兵。
イェルネフェルト教授の娘であり、主人公をアナトリアに招いた女性。
エミールの構想は理解しているものの、主人公を利用することへの後ろめたさを隠しきれないでいる。
本作のオペレーターである。
しかし本職でないためか、手際が悪かったり感情的になったりするなど、過去作のオペレーターとは趣を異にする。
イェルネフェルト教授の元部下にして、現コロニー・アナトリアの指導者。
アナトリアの経済対策として、ネクスト戦力による傭兵業を実行したのは彼である。
なお、チャプターの合間に回顧録を話すのも彼である。
研究者でありながらネクスト借りパクという大博打を打つ程冷徹かつ政治的に優れた人物である。
ネクスト操縦関連技術に優れたコロニー。
大戦以後はそのネクスト技術を巡っての企業間抗争に巻き込まれる不穏さを隠せない。
アナトリアと同じく、ネクストによる傭兵業を担うリンクス。
リンクスナンバーは最も若い40だが、登録されるより前からAMSの被検体となっていた最初期のテストパイロットであり、経験・AMS適性共に高い。
愛機「ホワイトグリント」は全身を軽量パーツで揃えた高機動型。一撃離脱用の火力も充足したカスタム機であり、企業標準型ではない。ゲームで登場した時の戦力も高く、初心者リンクスの一つの壁である。
フィオナとは旧知の仲であり、お互いを懐かしむ台詞も交わされる。
レイレナード陣営筆頭。ジェネレーター技術を中心に戦力としてのネクストとしての技術水準の高い企業。
標準機「AALIYAH(アリーヤ)」は薄い装甲をプライマルアーマーと高い機動性で補う中量機。
武装のラインナップも、アリーヤの特性に合わせた近距離戦向けのパーツが揃っている。
リンクスナンバーは1。
冷静かつ歴戦の戦士としての風格を持つ男。
兵士として作戦遂行を第一としつつも強者を目の当たりにして喜ぶ一面もある。
乗機「シュープリス」は彼の戦果により、BFF製ライフルやフレア、GA系のグレネードキャノンといったレイレナード系以外のパーツ使用を許されている。
オープニングムービーで砂塵舞う施設を単騎で襲撃しているのは彼である。
アリーヤの鋭利なフォルムは過去作にはありそうでなかったデザインであり、AC4シリーズにおける象徴的な機体である。また、ジャケット絵も飾っている。
リンクスナンバーは3。ACNXのアグラーヤ、ACLRのジナイーダに続く孤高の女性。
強者との邂逅を望んで単独行動を行い、常に戦場に身を置くことを望む。
乗機「オルレア」は彼女専用のパーツが満載された、レーザーブレードによる格闘戦に特化した機体である。
レイレナード陣営に所属し、レイレナードと密接な提携関係にある企業。
コジマ技術のリーディングカンパニーであり、GAEと共同開発も行っている。
コジマ技術に優れ、プライマルアーマーを重視した製品のほか、FCSといった精密製品も輩出する。
標準機「LINSTANT(ランスタン)」はプライマルアーマーとKP出力、および素敵性能に特化した機体であり、多くのリンクスから『アクアビットマン』と呼ばれ愛されている。
レイレナード陣営に所属する企業。
かつてはローゼンタールグループだったが脱退している。
製品は専属リンクスであるメアリー・シェリーの戦闘スタイルに合わせ、高精度狙撃重視のものが揃う。
また、イギリスをモデルにしていると思われる節がいくつかある。
リンクスナンバーは5。誇り高い女帝。
自身の実力に絶対的な自信を持つスナイパー。サディスティックな台詞が多い。
乗機「プロメシュース」はスナイパーライフル主体の狙撃機体。
だが、高精度武器の命中率から迎撃に徹すれば近距離戦も一応可能である。
レイレナード陣営所属。
「レオーネ・メカニカ」「メリエス」「アルブレヒト・ドライス(アルドラ)」の3社連合である。
先端主義を掲げるレーザー兵器主体の企業。独特の曲面主体のデザインは生物的。
GAグループ筆頭。地上最大規模の資本を有する。
しかし、ネクスト技術及びリンクス育成では他企業に後れを取り、アナトリアの傭兵の最初のクライアントとなった。
技術力は無い分質実剛健な実弾兵器群の火力は高い。子会社も多く、パーツラインナップが多い。
標準機「SUNSHINE(サンシャイン)」はプライマルアーマーに頼らないタフな設計を持つ重量機であり、その名前・フォルムから『悪魔超人』と呼ばれている。
GAのヨーロッパ支社であり、GAグループ内のコジマ技術を担っている。
アメリカ本社であるGAからの脱退を画策している。そのため、アクアビットと共同開発も裏で行っている。
GAグループ所属。意匠性の高いパーツに定評がある。
ヒロイックなデザインも標準機「HOGIRE(オーギル)」に代表される、その汎用性の高いパーツ郡は初心者にも扱いやすい分、特化機を組むには不向きである。
リンクスナンバー4。とあるミッションで主人公と協働する好青年。
プロモーションビデオで白昼の市街戦を華麗に行うのは彼の愛機「ノブリス・オブリージュ」。
天使を思わせる両背の翼状キャノンが特徴的な機体。通称『破壊天使』
ローゼンタールの提携企業であり、GAグループ所属。
標準機「JUDITH(ユディト)」はオーギルをベースにした軽量機。
政治力に優れ、このリンクス戦争をネクストの利用を最小限にして乗り切ろうとする。
ローゼンタール提携。
資源的な対立にあったGAとは提携グループの縁で協働する。
標準機は、耐久力を犠牲に高機動・撹乱性を重視した「SARAF(サラーフ)」。
武装は、連射や手数を重視したパーツラインナップを揃える。
反社会体制を掲げる武装勢力。アフリカが活動の中心地。
マグリブ解放戦線の中心となって活躍するイレギュラーのリンクス。
高い精神負担を対価に自身のAMS適性以上の性能を引き出し、身を削りながらネクスト戦力として企業と戦いづづけている。その姿から反社会体制組織の英雄とされている。
サラーフベースの「バルバロイ」を駆り、その3次元機動力で初心者を一人前に育てる「先生」の名前をファンから拝名している。
PVとオープニング。この時点からなんだただの実写かと言わしめんという気迫の片鱗が見える 。
MADも盛ん。他版権作品との混成MADが破綻無く動くのもこの想像の余地の大きさにある。
▶もっと見る
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/11(木) 03:00
最終更新:2025/12/11(木) 03:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。