ヘルメスとは、「ファイナルファンタジーXIV」(FF14)の登場人物である。
作中の時代より太古の昔に栄えた文明に生きた種族、いわゆる古代人のひとり。当時は創造生物の実験場「エルピス」という施設の所長を務めていた。特に飛行生物の創造の第一人者とされている。
後に十四人委員会「ファダニエル」の座に就く。そしてその魂は幾度かの転生を経て、現代における「アシエン・ファダニエル」へと受け継がれる。ただしアシエン・ファダニエルにヘルメスの記憶は定着していないため、この2人は基本的に別人として扱われる。性格もアシエン・ファダニエルとは全く違い、心優しい青年である。
彼の傍らには青い鳥人の少女のような創造生物「メーティオン」がいる。
光の戦士は現代に再来した「終末の災厄」を鎮めるヒントを得るべく、クリスタルタワーの機構とエリディブスの助力によって古代人の時代のエルピスを訪れ、そこでヘルメスと出会う。ちょうどこの時、エメトセルクとヒュトロダエウスも次期「ファダニエル」に推薦されたヘルメスを見定めるべく彼を訪ねており、後に星の意志「ハイデリン」となるヴェーネスもまたエルピスに滞在していた。
これまでの情報からヘルメスが「終末の災厄」について何かカギを握っているものと見ていたが、彼と接してみて到底そんなことを望むような人物には見えなかった。
しかし彼は大きな悩みを抱えていた。古代人は「創造魔法」によって生物を含むあらゆるものを創り出すことができる。エルピスはその創造生物が古代人の共通の使命である『星を善くする』に相応しい存在かどうかを見極め、問題なければそれを世に放つという役目を持った施設である。一方で逆に星の益にならないと判断された創造生物は、処分される。人によって命が生み出され、人の判断でそれが奪われる、それがあまりにも一方的且つ当たり前に行われることに疑問を抱いていた。
しかしこの星の人々はそれを疑問に思うことはない。そこで彼は、星外に答えを求めた。生物学のみならず天文学にも秀でた彼は、生命・文明が存在しそうないくつかの星に目星をつけ、そこの人々に命に対してどのような価値観を持つかを確かめようとしたのである。
宇宙に存在する莫大なエネルギー「デュナミス」を操る創造生物「メーティオン」を創り出し、彼女たちをそれぞれの星へと送り出した。ヘルメスの傍らにいるメーティオンは、彼女たち『姉妹』からの伝達を受け取るための端末の役割を果たしている。
そして送り出したメーティオンたちから間もなく連絡が届くというところで、光の戦士と出会った。明らかに(この時代の)『人』とは異なりながらも、むしろ自分の悩みや価値観にある程度共感してくれる光の戦士に心を許し、交流を深める。
やがて、光の戦士が未来からやってきたこと、遠くない未来に「終末の災厄」が訪れること、それが光の戦士の時代に再来していることを聞く。ヘルメスにとってその話自体は信じがたいことだったが、その場にいたヴェーネスの助言もあって、それらをすべて事実とした前提で考察し、「終末の災厄」の現象が「デュナミス」によるものである可能性が高いことを伝えた。
ちょうどその時、傍らのメーティオンが他星に旅立った姉妹たちからの伝達を受け取る。しかしその報告は、彼が期待していたものとは程遠いものだった。いずれの星の文明も知的生命体も、既に滅びていたか、その寸前の状態だったのである。辛うじて交流できたいくつかの星の人々も、命や生に対して絶望・恐怖・諦観・憎悪といった負の感情ばかりを抱いていた。
「おい、ヘルメス……。
改めて聞くが、お前がメーティオンに託した問いは何だった?」「生きる理由を……命の意味を、どう考えるかと……。」
「では、その問いの前提が間違っていたらどうなる?
生きる理由も、命の意味も、生きていればこそ……
それを望んでいてこそ答えられるものだ。もし、メーティオンがどれだけ翔んでも、
生きている者がいなかったら……生きたいなどと望んでいる者が、
誰ひとりとしていなかったとしたら。……そいつはこの星に、どんな答えを持ち帰ってくる?」
メーティオンは他星では言葉が通じないであろうことを考慮して、心で他者と交流できるように創られている。そのため、そういった負の感情を多く受けたメーティオンたちはその影響を受け、ヘルメスの傍らの個体も含めて心が負の感情に支配されてしまった。そして彼女たちは「終わりこそが唯一の安らぎ」と結論付け、この宇宙の全ての生命を「デュナミス」の力により滅ぼすことを決める。
その場に居合わせた光の戦士、ヴェーネス、エメトセルク、ヒュトロダエウス、そしてヘルメスは、これこそが「終末の災厄」の正体であると悟る。彼らはすぐにヘルメスの傍らにいるメーティオンを基点に「終末の災厄」への対応を始めようとするが、ヘルメスは『自分が求めて得た答えが自分の望むものではなかったからといって、それを切り捨ててしまってもいいのか』と疑問を抱き、メーティオンの引き渡しを拒否し、逃走した。
しかしすぐに追い詰められ、力尽くの抵抗も及ばず、窮地に陥る。それでもなんとか一時的なものながらも光の戦士たちを拘束することに成功。その隙に(本来は創造生物に用いていた)記憶改竄装置「カイロス」を起動し、メーティオンがもたらした情報や「終末の災厄」についての記憶を自分も含めて消去しようとする。
「ここはエルピス、生命の実験場……
所長ヘルメスの名において、「人」の裁定を執り行おう。人がもし、命を見つめ直し、生きたいと渇望したなら……
それに足るだけのものであるならば、
いかに真理であると謳おうが、終わりは退けられるだろう。そうでなければ、星ごと滅びるのみ……。」
その対象に自分を含めているのは、彼の目的は「終末の災厄」を引き起こすことでも星を滅ぼすことでもなく、あくまで人類に対して生きる意味があるかどうかを問いかけるためだからである。メーティオンが他星から届けた情報を知らなければ、「終末の災厄」を引き起こしているのがメーティオンだと知らなければ、ヘルメス自身も人類の一員として全力で対抗すると踏んでの行動である。
光の戦士とヴェーネスを取り逃すが、エメトセルクとヒュトロダエウス、そして自分の記憶の改竄に成功する。この時代における光の戦士は得体のしれない存在であり、段階を経ずに「終末の災厄」の話をしても誰も信じてもらえないことは明らかである。ヴェーネスはこの時代で地位も信用もある人物だが、『もしすべてを語ればいざ本当に「終末の災厄」が訪れたときに、生物学・天文学の深い知識を持つヘルメスの協力が得られなくなる』として、一連の出来事を心の内に秘めたまま「終末の災厄」への対応を始めた。
かくして「終末の災厄」はこの時代の星と人々を襲った。ヘルメスは彼自身とヴェーネスが見立てたとおり、十四人委員会「ファダニエル」としてその対応に当たり、それが発生する法則のひとつを突き止め、最終的な対抗手段である『ゾディアークの召喚』の第一歩を果たしている。
そしてその後は、ゾディアークとハイデリンの戦いの影響で、他のほとんどの古代人・生物と同じく、世界と共に魂が14に分かたれ、その内の原初世界の魂は前述の通り幾度もの転生を経てアシエン・ファダニエル、つまりアモンへと受け継がれた。
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最終更新:2025/12/06(土) 17:00
最終更新:2025/12/06(土) 17:00
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