特別警報とは (トクベツケイホウとは) [単語記事]

「特別警報」が発表されたら、地元市町村の避難情報に従いただちに「命を守るための適切な行動」をとってください！

「死ぬな！（何があっても）生き延びろ！！」

特別警報とは、重大な災害が起こるおそれが著しく大きいときに注意や警戒を呼びかける気象庁の警報である。

概要

2013年 8月30日運用が開始される。きっかけは「平成23年台風第12号による8月30日から9月5日にかけての大雨と暴風(紀伊半島を中心とする記録的な大雨)」の際、大雨警報・記録的短時間大雨情報など気象庁は様々な発表を繰り返したが住民の避難には結びつかなかった。それを機に「災害に対する強い危機感を伝えるため」に特別警報が新設された。

2019年から運用を開始した警戒レベルのうち、最も危険な「警戒レベル5」に相当する。

特別警報は「気象等に関する特別警報」と「津波・火山・地震に関する特別警報」の2つに大きく分けられる。

気象等に関する特別警報

気象により「数十年に一度」(あるいは「今までに体験したことがない」)非常に危険な状況で重大な災害の危険性が著しく高まっている場合に発表される。ちなみに「数十年に一度」というのは「その地域では」ということなので、全国を対象範囲にすると特別警報は毎年何度も出ている。

大雨特別警報		大雨特別警報は、台風や集中豪雨により数十年に一度の降雨量となる大雨が予想される場合、若しくは、数十年に一度の強度の台風や同程度の温帯低気圧により大雨になると予想される場合に発表します。大雨特別警報が発表された場合、重大な土砂災害や浸水害が発生するおそれが著しく大きい状況が予想されます。特に警戒すべき事項を標題に明示して「大雨特別警報（土砂災害）」、「大雨特別警報（浸水害）」又は「大雨特別警報（土砂災害、浸水害）」のように発表します。雨が止んでも重大な土砂災害等のおそれが著しく大きい場合には発表を継続します。
大雪特別警報		大雪特別警報は、数十年に一度の降雪量となる大雪が予想される場合に発表します。
暴風特別警報		暴風特別警報は、数十年に一度の強度の台風や同程度の温帯低気圧により暴風が吹くと予想される場合に発表します。
暴風雪特別警報		暴風雪特別警報は、数十年に一度の強度の台風と同程度の温帯低気圧により雪を伴う暴風が吹くと予想される場合に発表します。
波浪特別警報		波浪特別警報は、数十年に一度の強度の台風や同程度の温帯低気圧により高波になると予想される場合に発表します。
高潮特別警報		潮特別警報は、数十年に一度の強度の台風や同程度の温帯低気圧により高潮になると予想される場合に発表します。

引用：気象庁気象警報・注意報の種類
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/warning_kind.html(2019.09.19)

地震・津波に関する特別警報

地震・津波に関する「特別警報」クラスは以下のとおりである。ただしこの条件以下でも十分に注意していただきたい。特に津波は高さが低くても足を持っていかれてしまうことがある。津波が起こることを予想された場合は直ちに海岸を離れ、高台に避難すること。

地震(地震動)		震度6弱以上大きさの地震動が予想される場合 (緊急地震速報「震度6弱以上」を特別警報に位置付ける)
津波		高いところで3mを超える津波が予想される場合 (「大津波警報(3m以上)」「津波警報(1m以上～3m)」を特別警報に位置付ける)

一部引用
気象庁：津波警報が変わりました(リーフレット)より
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/tsunamikeihou/tsunamikeihou2013.pdf(2019.09.23)

火山に関する特別警報

火山における「特別警報」クラスは以下のとおりである。

噴火警戒レベルが運用されている火山

噴火警報
(火口付近)
または
噴火警報

【対象レベル】レベル5(避難)
【対象範囲】
居住地域それより火口側
【火山活動の状況】
居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生、あるいは切迫している状態と予想される。
【対象レベル】レベル4(避難準備)
【対象範囲】
居住地域それより火口側
【火山活動の状況】
居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生する可能性が高まってきていると予想される。

噴火警戒レベルが運用されていない火山

噴火警報
(居住地域)
または
噴火警報

【対象範囲】
居住地域及びそれより火口側
【警戒事項等(キーワード)】
居住地域及びそれより火口側の範囲における警戒
「入山危険」
【火山活動の状況】
居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生、あるいは発生すると予想される。

一部引用
気象庁：噴火警報・予報の説明
https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/volinfo.html(2019.09.23)

なお海底火山は「警報」「注意報」のみであるため「特別警報」は現在設定されていない。

おねがい

この記事は「警報・注意報」を扱っていないため、「警戒・注意」すべき内容を記載していない。本来であれば「特別警報」のみを注視するのでなく、それ以外にも何らかの被害を及ぼしそうな情報に対しても「警戒・注意」をしていただきたい。インターネット(アプリなども含む)・テレビ・ラジオなどを使い、地方気象台・気象庁・各気象会社から出される確実な情報をこまめに確認いただきたい。