C-1とは、日本の航空自衛隊が保有する国産の中型戦術輸送機である。
C-1は、世論を考慮して作戦距離を本州~九州までに制限し、その代わりに敵戦闘機からの避退を確実にする速度を与えた。国産ジェット旅客機の習作という意味もあったが、これは実現しなかった。C-1は輸送機として肝心な航続力、搭載力、不整地への着陸能力がどうしようもなく劣っていたので、結局、はるかに古い設計のC-130を後継輸送機として導入するという事態になってしまった。[1]
1960年代、航空自衛隊が発足する前から使用されていたC-46輸送機の老朽化による次期輸送機(C-X)導入計画が持ち上がった。
当時は戦後初の国産輸送機YS-11もなんとか目処が立ちつつあったころで国内航空機産業育成のために傑作戦術輸送機C-130を蹴ってまで国内開発にこだわったのだが、当時の国内状況はあまり良い状態といえず(70年代はベトナム戦争や日米安保など国内での混乱時期でもあった)、余計な揉め事を望まない政府筋の横槍なのか、極端に航続距離が削られた輸送機として実用化される羽目になる。
1970年代の輸送機として、岐阜を中心に北は北海道・南は九州までしかいけないような(沖縄返還も控えていたというのにこの)航続距離では使い道に困るというのが正しいだろう。最大積載量も8t程度で、C-130の20tに比べると明らかに見劣りする。確かにサイズ的には一回り小さいのは確かなのだが、それでもなお過小に過ぎる航続距離であり、機体の大型化・航続距離強化の計画もあったといわれるが、時の某防衛庁官僚がこれに反対したという話もある。
・・・しかしその反面、輸送機でありながら90度バンクで旋回が出来るなどどうも頭のネジが外れたよう高機動っぷりで、アメリカの特殊部隊がその高速性と高機動性に目をつけたという噂話があるほどだった(ま、もっとも色々国内事情で輸出とかできる時代ではありませんでしたが)。今でも一般公開などでは輸送機らしからぬ軽快な空中機動をみせてくれる。
生産機数は試作機含めて31機。事故損失が4機。現有25機が運用されている。うち試作1号機は飛行開発実験団でC-1FTBとして試験機に。量産21号機が総隊司令部飛行隊直属の電子戦訓練支援機・EC-1として運用されている。
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