うさぎとかめとは、イソップ童話などに登場する童話である。
曖昧さ回避
概要
ストーリー
ウサギがカメのことを足が遅いと馬鹿にしたため、二匹はかけっこで競争をすることになる。
当然のことながらウサギの速さにカメが追いつけるはずがなく、スタート直後にウサギはカメを大きく引き離した。
しかし、ウサギはカメを引き離したことで油断しきってしまい、ゴール直前で居眠りを始めてしまう。
ウサギが眠ってる間にカメは着実に歩みを進め、ウサギが眠っているのを横目にゴールする。
ようやくウサギは目覚め、自分が負けてしまったのを知り、後悔する。
教訓
ウサギの油断を通して、相手がどんなに劣っているように見えても、どれほど楽に勝てる勝負であろうとも、けっして手を抜いてはいけないということを子供たちに教える童話である。
また、カメの決してあきらめない姿勢を通して、物事にあきらめずに取り組むことがすばらしい事だと言う事も教えている。
考察
この物語の最大の注目ポイントはカメがウサギを追い抜いたことである。なぜそのようなことが可能になったのかここで考察する。
ウサギは寝不足だったんだよ派
ウサギの目が赤いのは勝負の前日に緊張して眠れなかったためであり、実はその体力は限界だったのではないか。
それでもウサギはカメとの勝負から逃げることはせず、時間通りに勝負の場所に現れ、残り少ない体力でそれでもカメを圧倒的にリードした。しかし、ゴール直前にウサギの体力はつき、その場で倒れこんでしまったのである。
この考察を前提にすると、カメは体調不良で倒れてしまったウサギを横目にゴールに飛び込んだことになる。勝負者としては仕方のないことであるのかもしれないが、道端で倒れ伏せているものを無視してまで競技を続行するのは若干の倫理的問題が発生するであろう。
やる前からカメの勝利だよ派
「鶴は千年、亀は万年」という言葉にも凝縮されているようにカメにとってこの競争にかける時間と、そのあとについて廻るであろう足が遅いという評判はカメの長い長い寿命の中では一瞬である。
一方のウサギはせいぜいが数年生きるのが精一杯である。その短い寿命の中でこのようなくだらない勝負に無駄な時間を費やしてしまうことそれ自体がウサギの負けである。そのことに気づいて絶望したからこそゴール直前で戦意を失ってしまったとも考えられる。
実はカメの足は速かったよ派
アキレスとカメの話を調べるとわかるが、古代ギリシアでも屈指の速さを誇ったアキレスでさえ追いつけない生き物がカメなのである。アキレスは半人半神の英雄であり、通り名に「駿足」と付けられるほどに足が速かったといわれている。当然ながら、ウサギより速かったと考えられる。この前提を元にすると、
と三段論法が成立する。つまり、ウサギが寝なくてもカメは勝負に勝っていたと考えられる。最初の圧倒的リードさえ、カメがウサギに与えたハンデに過ぎないのである。
ウサギは止まっているよ派
アキレスとカメの話は「先行者に対して追いかける追走者」という状況と、「先行者は前に進み続ける」という前提が必要である。この二つが重なることにより、
- 「カメまでの距離をアキレスが進むまでに、カメはそれより先に進んでいる」
- →「カメが進んだ距離をアキレスが進むまでに、カメはさらに先に進んでいる」
- →「カメがさらに進んだ距離をアキレスが進むまでに、カメはさらにさらに先に進んでいる」
- →(ry
という無限ループが発生し、カメはアキレスに追いつかれないという能力を手に入れている。
しかし、この物語の先行者であるウサギは自ら眠ることにより歩みを止めてしまっている。ここで「先行者は前に進み続ける」という前提は崩壊し、「ウサギまでの距離をカメが進むまでに、ウサギはそれより先に進んでいる」という結果が得られなくなってしまう。
よって、追走者であるカメはウサギを追い抜くことができたのである。
ウサギはカメに連れられて竜宮城にいったよ派
ウサギはうっかり眠ってしまったが、勝負の最中に本当にそこまで眠れるものだろうか。百歩譲って眠ってしまったとしても、カメに追い抜かれるほどに長時間眠れるだろうか。
その答えは時空の流れをゆがめるカメの能力にある。カメの能力「浦島効果(メイド・イン・ヘヴン)」により、周囲の時間の流れがウサギを残して加速し、ウサギがちょっとだけと思った時間は実時間では相当長いものになっていた。その中で唯一時の流れに対応できるカメがウサギを追い抜いたのである。
カメのこの能力は別の童話「浦島太郎」の中でも発揮されており、背中に載せた浦島太郎のみを残して周囲を加速させ、彼を100年以上先の未来へ送り込んでいる。
ウサギは青鬼さんだよ派
実はウサギは、カメがのろまと皆から馬鹿にされているのをかわいそうに思っており、それを何とかするために自ら悪役を買って出た。
足が速い自分が競争に負けることによってカメの「足が遅い」という悪評を払拭できると考えたウサギはわざとゴール直前で手を抜き、カメに勝利の栄光を譲り、自らはおろかものの称号をあえてかぶったのである。
同様の童話には「泣いた赤鬼」などがあり、実はうさぎとかめもこの類の友情物語だったと考えられる。
二匹が走った距離
2004年放送の「トリビアの泉」では、「『ウサギとカメ』で二匹が競争した距離はどれくらいなのか?」というトリビアの種が取り上げられた。当然ながら童話内に二匹が走った距離は言及されないので、番組ではイソップ童話が生まれたギリシャに飛び、前提となる各種データの検証が行われた。
童話を最も忠実に書き記した1938年発行のイソップ童話の挿絵をもとに、ウサギは「ヤブノウサギ」(ギリシャのウサギはこの一種しかいない)、カメは「フチゾリリクガメ」と判断。ヤブノウサギとフチゾリリクガメに直線コースを走らせ、10秒間で走る距離から時速を測定。さらにヤブノウサギを24時間監視し、寝た回数と睡眠時間を測定し、一回の睡眠にかかる平均時間も測定。
こうして、ウサギの走行距離19m45cm=時速7.002km、カメの走行距離80cm=時速0.288km、ウサギの平均睡眠時間は56分というデータが得られた。
これらのデータをもとに、番組は数学の権威である秋山仁教授に計算を依頼。
教授によると、この問題を解くカギは、カメがウサギにギリギリで勝つ場合、つまりウサギとカメがほぼ同時にゴールする距離を求めることと解説。そうすれば、カメがウサギに負けない最大限の距離が求められることになる。
ここで、ウサギとカメが同時にゴールした場合の距離の方程式は次のようになる。
[ウサギの時速]×[ウサギが走った時間]=[カメの時速]×[カメが走った時間]
重要なのは[カメが走った時間]。これは[ウサギが走った時間]と[ウサギが寝た時間]を足したものに等しいので、方程式は次のように置き換えることができる。
[ウサギの時速]×[ウサギが走った時間]=[カメの時速]×([ウサギが走った時間]+[ウサギが寝た時間])
これに数字を当てはめて計算すると次のようになる。[ウサギが走った時間]をtとする。
ウサギが寝た時間は56分なので、単位を時間に直し0.933時間に置き換える。
7.002×t=0.288×(t+0.933)
両辺に1000を掛けてカッコを展開
7002t=288t+268.8
7002t-288t=268.8
6714t=268.8
t=268.8÷6714≒0.0400357...
ウサギが走った時間は0.0400357時間、すなわち約2分24秒という結果が得られた。
これにウサギの時速を掛けると、二匹が同時にゴールした距離が求められる。
0.2803299714km。メートルに直すと約280m33cmとなる。これは二匹が同時にゴールする距離なので、カメがウサギに勝つ距離はこれよりも少ない距離、280m33cm未満ということになる。この距離より少なければ、カメは必ずウサギに勝つことができる。
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