学会追放とは、特定分野の学術研究団体である学会を追放されることである。
概要
フィクション作品ではしばしば「私は学会を追放された」と称する研究者や科学者などが登場することがある。『その分野では極めて常識外れとされる研究仮説を唱える』『非道な実験を繰り返す』などといった異端的な行動の結果、危険人物であると判定されて学会を追放されることが主である。そういった科学者は「私の研究をコケにした奴らを見返すのだ」という動機で独自研究を続けたり、さらに人の道を外れた研究に手を出すなど、マッドサイエンティスト的要素として学会追放がなされることがある。
一方現実の学会ではどうなのかというと、基本的には単に常識外れで異端な研究をしたとか、そのような仮説を唱えたという理由で学会を追放されることはほぼないという。あらゆる研究や仮説は学会内で然るべき議論が交わされたのちに評価が定まるもので、批判されたり低評価されたりすることはあれ、それ自体が学会を追放される決め手にはなり得ない。
学会の定款には「本会の運営を妨げる行為を行った場合」「本会の名誉を著しく傷つける行為を行った場合」「本会の目的を明らかに著しく損なう行為を行った場合」などに除名対象となることが明記されていることが多いが、そうそうあることではない。もちろん「実験結果を捏造する」「他人の成果を盗む」「同意を得ずに著しく有害な人体実験を行う」などの倫理的に激しく問題がある研究手法をとれば、上記の定款に照らして普通に除名を含む何らかの処分が下される可能性はあるが。
そういったレアケースを除いて現実的に学会を追放されることがあるとしたら、主に学会の会費未納が原因で除籍になることが多い。「会費未納ってことはお金がなかったのか……」と悲しく思うかもしれないが、お金自体はあるというケースも多い。どういうことかと言えば、「いつか払おう」と思いつつダラダラと支払いを忘れる単純にだらしない者、学会に入っている事自体を忘れており届け出を出さずに所属を変更したせいで督促状も手元に届かず学会費について思い出せない者、さらには「別にこの学会に入ってる必要ないな」と見切りをつけて「除籍されてもいいや」と意図的に支払わない者など、理由は様々。会員数が多い大きな学会であれば年に100名以上の除名者が出ることもある。
仮にこの現実の状況を漫画やアニメに出てくる学会追放科学者にもあえて当てはめてみるなら、彼らの多くは学会費滞納で追放されたということになってしまうのかもしれない。カッコ悪い。
ポストを読み込み中です
https://twitter.com/tomatoha831/status/1467504360578232323
学会を追放された研究者一覧
この項目は内容が少ないです。 具体的な例をいくつか知りたいときの参考にはなりますが絶対的に内容が不足しています。 加筆、訂正などをして下さる協力者、学会を追放された研究者を求めています。 |
架空の人物
人物 | 作品名 | 追放理由 | 備考 |
---|---|---|---|
Dr.ワイリー | ロックマンシリーズ | 過激なロボット理論を提唱したため | 一部作品での設定 |
ドン・ポール | レイトン教授シリーズ | 邪悪な精神を持っているため | |
成原博士 | 究極超人あ~る | 不明 | |
稗田礼二郎 | 妖怪ハンター | 妖怪の実在を唱える説を発表したため | |
フジ博士 | ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 | ポケモンの遺伝子研究 | 当時発売された漫画版の設定 |
真戸博士 | ぷにるはかわいいスライム | 学会費未納 | |
真船博士 | メカゴジラの逆襲 | 動物を科学的にコントロールする研究を発表したため | |
宮野厚司 | 名探偵コナン | APTX4869の研究に携わっていたため | 宮野志保(灰原哀)の父親 |
実在の人物
先に記載した通り、現実に学会を追放される恐れは(ちゃんと会費を支払っていれば)ほぼないが、初版作成者が記事作成にあたり一応情報がないか調べたところ、残念ながらごく僅かに現実で(会費滞納以外の理由で)学会を追放されそれが報道された実例があったため、この項目で紹介する。
ジェフリー・マーシー
2021年5月24日、米国の非営利学術団体「米国科学アカデミー(National Academy of Science:NAS)」の会員である天文学者のジェフリー・マーシー氏を除名処分とし、実質的な学会追放措置となったことが発表された。
⇒158年の歴史を持つ米国科学アカデミー初の除名処分、天文学者のセクシャルハラスメントにより
ジェフリー・マーシー氏は10年以上にわたり女性研究者や学生に対して身体接触などセクハラを迫っており、2015年にその事実がマスコミに報道された。報道を受けて当時マーシー氏が所属していたカリフォルニア大学バークレー校が調査したところ、セクハラは事実であったことが判明し、マーシー氏は同校を辞職した。
NASの会員の除名に関する規約は発足以来長らく存在しなかったが、今回のセクハラ報道を受け、2019年に規約を改訂し、「NAS運営評議会が、セクハラの証明された事例を含む、新たな行動規範への最も悪質な違反についてメンバーシップの取り消しを許可する」と改めた。マーシー氏はアメリカでも著名な天文学者の一人であったが、新たな規約での除名処分適用第一号として不名誉な名を残すこととなった。
キム・ヒョンチョル
2018年3月26日、韓国の精神科分野の医学会「大韓神経精神医学会(대한신경정신의학회의)」は、精神科医のキム・ヒョンチョル氏を除名処分とした。
⇒俳優ユ・アインをSNS上で「軽躁病」と診断した精神科医、学会から除名される | wowKorea(ワウコリア)
キム・ヒョンチョル氏はテレビ番組などにも登場する有名医師であったが、治療にあたっていた患者と不適切な性的関係を結んでいたり、患者の個人情報や秘密を漏出させていたり、芸能人の振舞いについて精神疾患の疑いがあるとインターネット上でコメントしたりするなど、様々な問題行動を起こしていた。
関連動画
ニコニコ動画にも日夜異端な説を発表し、学会追放も覚悟の上で動画を投稿している研究者も多く存在する。
動画内容があまりにも例のアレすぎるので詳細は各自検索してもらいたい。
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- なし
- 4
- 0pt