概要
それまで京都線の特急として使用されていた2800系を置き換えるため、1975年から1978年にかけて8両編成8本、合計64両が製造された。車体は2800系同様2ドア・2連窓だが、ドアの位置は車端部に寄せている。前面は同時期に製造された2200系をベースに前面の窓上に方向幕・種別幕、窓下に標識灯・尾灯が設置されているが、標識灯・尾灯部分や前照灯から貫通扉にかけての部分にはステンレスの飾り帯がつけられ、特急車として他車との差別化がされている。塗装はこれまでのマルーン単色ではなく、屋根付近にアイボリーを入れている。京都本線特急専用車として設計されたため車体寸法は阪急最大であり、神宝線や大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)堺筋線には入線できない。
足回りは6330Fを除き5300系を踏襲しており、抵抗制御である(6330Fは界磁チョッパ制御)。ただし、5300系と異なり、運転台はワンハンドルである。
特急引退と廃車・転用
2001年の特急増便(10分間隔化)・停車駅の大幅増加により、6300系以外によるロングシート特急が増えたため、新型特急電車9300系を2003年・2005年に3編成導入し、6300系の不足分を補った。しかし、9300系が3ドアで製造されたように、停車駅の増えた特急には2ドアの6300系は使いにくく、乗降に時間がかかることが問題となった。また、6300系自体の老朽化も進んでいたため、2008年から2010年にかけて順次9300系に置き換えられ、特急としての運用を終了した。
トップナンバーの6350Fは引退後6両編成に短縮され、行楽期の梅田-嵐山の臨時列車等に一時的に使用された後は休車となっていたが、車体の劣化・風化が進んでおり、6年が経過した2016年2月に梅田側先頭車である6350を除いた5両が廃車・解体された。今後は1両のみ静態保存されるものと思われる(2021年現在は大きな動きはなし)。
6351F・6352F・6353Fは4両編成に短縮され、9300系風の車内にリニューアルされ嵐山線に転用された。ただし、9300系と異なりクロスシートは2+1列となっており、ドア上には車内案内表示器も設置されていない。2014年には前照灯のLED化改造が行われた。
6354Fは6両編成化され、2011年に観光列車として和モダンな車内にリニューアルをされて「京とれいん」という愛称が付けられた。以降は毎週土・日・祝日に「京とれいん(種別上は2011年~2019年1月までは快速特急、2022年冬までは快速特急A)」として大阪梅田-京都河原町を走っていた。他、年に数回ほど臨時快速・臨時快速急行として嵐山線へ入線する事もあったが現在は設定されていない。
それ以外の編成(6355F・6356F・6357F・6330F)、上記編成の余剰となった中間車は廃車された。
2023年冬に京とれいん編成の6354Fも廃車、解体された。
運用
現在は嵐山線を往復する普通列車のみが存在する。ただし、嵐山線は多客期には8300系等の3ドア車や直通運転の間合い運用による神宝線車両が使用され、6300系による運用がない日もある。
編成表
現在の編成表
梅田側の制御車6350形(Tc)、パンタグラフつきの中間電動車6800形(M)、MGやCPを搭載した中間電動車6900形(M')、河原町側の制御車6450形(T'c)が現存する。かつては中間付随車の6850形(T)、パンタグラフつきの制御電動車6330形(Mc)、MGやCPを搭載した中間電動車6930形(M')、パンタグラフつきの中間電動車6830形(M)、MGやCPを搭載した制御電動車6430形(M'c)が存在した。
更新の欄は、大規模リニューアル編成に○をつける。前照灯の欄は前照灯がLEDに交換された編成に○をつける。編成表は2021年8月現在のもの。
←大阪梅田 | 京都河原町→ | |||||||||
Tc | M | M' | M | M' | T'c | 更新 | 前照灯 | 備考 | ||
6354 | 6804 | 6904 | 6814 | 6914 | 6454 | ※ | 「京とれいん」専用車 ※2011年改造 |
|||
Tc | M | M' | T'c | 更新 | 前照灯 | 備考 | ||||
6351 | 6801 | 6901 | 6451 | ○ | ○ | 嵐山線用 | ||||
6352 | 6802 | 6902 | 6452 | ○ | ○ | 嵐山線用 | ||||
6353 | 6803 | 6903 | 6453 | ○ | ○ | 嵐山線用 |
特急時代の編成表
←大阪梅田 | 京都河原町→ | ||||||||||
Tc | M | M' | T | T | M | M' | T'c | 廃車年 | 備考 | ||
6350 | 6800 | 6900 | 6850 | 6860 | 6810 | 6910 | 6450 | 2016年 | 2009年6連化 | ||
6351 | 6801 | 6901 | 6851 | 6861 | 6811 | 6911 | 6451 | - | 2009年4連化(嵐山線転属) | ||
6352 | 6802 | 6902 | 6852 | 6862 | 6812 | 6912 | 6452 | - | 2009年4連化(嵐山線転属) | ||
6353 | 6803 | 6903 | 6853 | 6863 | 6813 | 6913 | 6453 | - | 2009年4連化(嵐山線転属) | ||
6354 | 6804 | 6904 | 6854 | 6864 | 6814 | 6914 | 6454 | 2023年 | 2009年6連化 2011年「京とれいん」に改造 2022年運行終了。翌年廃車。 |
||
6355 | 6805 | 6905 | 6855 | 6865 | 6815 | 6915 | 6455 | 2009年 | |||
6356 | 6806 | 6906 | 6856 | 6866 | 6816 | 6916 | 6456 | 2008年 | |||
6357 | 6807 | 6907 | 6857 | 6867 | 6817 | 6917 | 6457 | 2009年 | |||
Mc | M' | T | T | T | T | M | M'c | 廃車年 | 備考 | ||
6330 | 6930 | 6950 | 6960 | 6970 | 6980 | 6830 | 6430 | 2009年 | 界磁チョッパ制御 |
関連動画
関連商品
関連項目
阪急電鉄の電車(2000系列以降) | ||
神宝線 | 5000系 - 5100系 - 6000系 - 7000系 - 8000系・8200系 - 9000系 - 1000系 | |
京都線 | 3300系 - 5300系 - 6300系 - 7300系 - 8300系 - 9300系 - 1300系 | |
引退車 | 神宝線 | 2000系・2021系・2100系 - 5200系 - 2200系 - 3000系・3100系 |
京都線 | 2800系 - 2300系 |
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