Match of the Day (MotD) とは、イギリスの国営放送BBCが編集・放送しているプレミアリーグ専用のサッカーハイライト番組である。姉妹番組としてMatch of the Day 2 (MotD2) も存在する。
概要
MotDはBBCの主要チャンネルであるBBC One(日本で言うところのNHK総合)で土曜日の夜10時30分から放送され、翌日曜日の午前7時35分に再放送されている。放送範囲はイングランドのみで、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドでは地元リーグのハイライトが放送される。初放送は1964年であり、BBCでも最長寿の番組の一つとなっている。
2000年代に入り放映権料が高騰した際に、プレミアリーグのハイライト放映権が民間局のITVに移ったことがあった。この期間にITVで放送されていたハイライト番組The Premiershipはイマイチな出来であり、イングランドのサカオタは「MotDが懐かしい・・・」とパブでビールを傾けながらぼやいたものである。結局3年後にハイライト放送権はBBCに戻され、MotDも復活した。BBCは現在のところ2012/13シーズンまでのハイライト放送権を保有している。
この頃からプレミアリーグの日曜開催がしだいに増加するようになったため、これに対応するためにBBC Twoにて日曜夜10時から放送のMotD2がもうけられた。ただ同じスタイルの番組を土日と繰り返し放送するのは能がないと考えたスタッフ陣は、MotD2については悪名高い自動車番組TopGearと同様に、番組の演出にかなりのお遊びを加えることにした。パロディ、皮肉、当てこすりと、公共放送としては如何なものかと眉を顰められる演出であるが、これがサカオタに大うけし今では本家のMotDより人気が出るまでになった。ただしMotD2で取り上げられるのは日曜開催の3試合程度のみである。
パーソナリティ
MotDの司会は日本でもおなじみのゲーリー・リネカー氏(レスター・シティ‐エヴァートン‐バルセロナ‐スパーズ‐名古屋グランパス)が務め、アラン・シアラー、アラン・ハンセン、リー・ディクスンなどのゲストが登場する。
MotD2の司会は長らくエイドリアン・チャイルズが務めていた。どこからみても冴えない風采を持つ小太りのエイドリアンさんは、大学では英文学を勉強し役者になろうと思って挫折し、諜報機関MI5の採用試験も受けてみたものの丁重に断られるなど、なんともぱっとしない経歴の持ち主である。結局テレビ局のレポーターとして働くようになり、そこからBBCに入局し多数のテレビ、ラジオ番組を経て、サカオタとしての情熱と知識を縦横無尽に活用できる場を与えられた。それがMotD2である。軽いバーミンガム訛りに朴訥な語り口は視聴者の好評を博したが、2009/10シーズン終了と共に年俸100万ポンド(1億3000万円)の契約でITVに電撃移籍した。契約期間は4年間である。契約内容を見ると遠藤保仁や中村俊輔などJリーグのトップレベルとほぼ同じである。ひいきのクラブはウエスト・ブロムウィッチ・アルビオンでシーチケも保有している。母親がクロアチア出身であったためクロアチア代表も応援する。
2010/11シーズンからはコリン・マーリーが司会を務めている。カルト番組となったMotD2を引受けるのには勇気がいったようで、初放送後には「スタジオに座ってテーマ音楽が聞こえてきたときにはチビリそうになった」とのコメントを残した。司会のほかに2名のゲストが招かれる。多くは元選手だが現役選手もたまに出演している。
テーマ音楽
MotDの冒頭に流れるテーマミュージック、番組名に同じ"Match of the Day"は本当に素晴らしい。文句なしの名曲である。イギリスの著作権団体PRS調べでは同国内で最も認知されている曲であるらしい。TUBEのギタリストの人が作曲したJリーグのテーマ曲"J's Theme"からはロマンや感傷を感じるが、"Match of the Day"からは陽気さのほかにユーモアやペーソスも含まれるように思え、両国のサポーターの応援スタイルの違いと相まって興味深い。
視聴方法
プレミアリーグの放映権上の問題からイギリス以外では放送されていないMotDだが、日本からも視聴することが可能である。視聴料を徴収して作成したNHKスペシャルを高額なBDパッケージで販売するNHKとは違い、BBCは作成するほぼすべての番組を無料でネット放送している。MotDはこのiplayerと呼ばれるサービスでも見ることができる。ただし視聴はイギリス国内からに限られているため、日本からの視聴はIPアドレスではじかれる。そこで、(以下略)世界中のプレミアオタがこのようにしてMotDを視聴しているのである。
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関連項目
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