SCP-661とは、オカルト創作サイト「SCP Foundation」掲載のSCPオブジェクトの一つである。
概要
オブジェクトの特徴
通称名「Salesman, Too Good to Be True(日本語版訳:すごすぎて胡散臭いセールスマン)」。オブジェクトクラスはsafe(セーフ)。
SCP-661はもともとアメリカ合衆国のとあるお店で広告/販売を担当する白人男性のセールスマンとして、テレビやラジオで広告アナウンスの仕事をしていた。年齢はSCP財団によって隠匿されているが、紹介ページの顔写真を見るとやや年を取った初老の男性と思われる。この写真はSCP財団に収容される前の時の写真であり、白髪が混じったパンチパーマ風の短髪に少し日焼けして黒くあせた肌、あご全体に生えた無精ヒゲ、たむらけんじのイカつい黒サングラスをかけて太い葉巻を吸っている姿はどこか年季の入ったおじさんの雰囲気を漂わせている。
収容までの経緯
彼が財団に認知され始めたのは、誰にでも、そしてどんな事でもさせることができるか賭をすることで悪名高くなった後からである。これについての彼の異常な勝率が調査のきっかけに繋がり、潜入調査員によって彼の能力が記録されたのち、実験のために財団に収容された。彼の家族については、ヨットの事故であるともっともとした理由説明(というもみ消し)がなされた。
SCP-661に与えられた部屋は、〇〇ー〇〇にある広さ6m×8mの通常拘留室である。SCP-661には一般人間取扱規定により、ベッド、トイレ、鏡を備えた洗面台、現在拘留室にあるすべての物にアクセスすることが許されている。また、対象の要求により室内は平均20℃に保たれている。なお、他のあらゆる要求については上級スタッフの承認が必要である。
SCP-661の取り扱い方
SCP-661とコンタクトを取るためイヤープロテクト無しで入室する職員はすべて、彼の能力の影響下に入っているかどうか判定するため検査される。入っていると疑いのある職員は再検査の前に24時間強制的に隔離される。この時点でまだ影響下にあれば再び24時間隔離し、再検査。影響下から外れるまで繰り返される。このサイクルは、検査スタッフがSCP-661の影響が減少したと確信するまで続行される。
なお、音声ログの再検査を行うスタッフも検査を受けなければならない。
SCP-661は〇〇〇-〇〇にある食堂の食べ物を1日3回与えられ、1日6回飲み物を与えられることになっている。対象は水ではない味の付いたの飲み物に好みを表している。これらへのアクセスは、SCP-661が財団スタッフにトラブルを起こせば一時的に剥奪される特権と共に、善行の保証人として認められている。
また、医療テストにより体型は太っていて、不健康であることが分かっているが、潜在的な健康上の問題は存在していない。ただ、健康状態をモニターするため年に1回健康診断を受けることになっている。
SCP-661の能力
SCP-661の声には、他人が、SCP-661が望むと言ったことを望むよう操る力があることが実験で判明している。被験者たちは、その効果をまるで絶え間なく続く弱い欲望と述べている。そしてそれは無意識の考えのようにSCP-661との接触後1週間に及んで続いている。ただしこの欲望は、被験者達に何かを得るためには不当な危険を犯させるほど強力ではない。しかし機会があれば、被験者たちは何も考えてないようにそれを手に入れるために行動をしようとする。この効果は物理的存在に対して最も強く働き、抽象的な概念にも作用することが観察されている。しかし、SCP-661は英語でしか話せないため、英語を理解していなければ能力に影響されない。
実験記録
実験 661-0: 被験者D-606955をSCP-661による肉声での〇〇〇〇のフードプロセッサーの宣伝に曝露しました。
結果:事前に調理への興味を持っていなかったにもかかわらず、D-606955はフードプロセッサーの購入を希望しました。理由を尋ねたところ、彼はそれがいい買い物だと思ったこと、母へのいいプレゼントになることを述べました。実験 661-1: 対象(SCP-661)に説得能力を見せてくれるよう丁寧に依頼。
結果:対象はそんな能力は知らないと訴え、弁護士を呼ぶよう頼みました。実験 661-2: 対象(SCP-661)に能力を見せるよう命令。
結果:対象は拒絶し、能力など知らないと再度訴えました。更に命令したところ、彼は研究者に対して「あんたは俺を拘束しない、あんたは俺で実験しようとしない」と言いました。すると、研究者はテストの中断を要求し、SCP-661の解放を提案しました。彼はその後担当を変更されました。実験 661-3: SCP-661の独房に被験者D-965215を入れる。D-965215には暴行罪の前科があり、SCP-661に能力を使わせるため、必要ならどんな手段を取ってもいいと命令しました。
結果:前述の研究者と入れ替わりに入室したD-965215は苛立ちながらSCP-661に突進しました。SCP-661が「お前は俺を傷つけない」と述べると、D-965215は直ちに攻撃を止めて独房を退出しました。実験 661-4: 被験者D-161709にSCP-661を攻撃しなければ「終了」すると命令。
結果:D-161709の攻撃の前に、SCP-661は「お前は俺を傷つけない」と述べました。D-161709は攻撃を続行しました。映像および音声記録は、D-161709が極度のストレスを感じていたことを示していると共に、SCP-661に謝罪し「終了」は嫌だと伝えています。その後SCP-661が「お前は死にたくなる」と述べると、その時点でD-161709は攻撃を止め、独房を出ようとして扉のそばにいた守衛を攻撃しました。次いで、彼は「終了」されました。実験 661-5: D-313217にSCP-661を攻撃しなければ「終了」すると命令。D-313217は英語を話せず、理解もできません。
結果:SCP-661は様々なフレーズで攻撃を止めようとしましたが、失敗しました。攻撃はD-313217が拘束されるまでの4分間の間続き、その後のSCP-661には明らかな動揺が確認されました。将来の告知があるまで、実験は中断します。
SCP-661からの要求とその対処
SCP-661の気性は、不快で要求が多く、職員に対してさまざまな要求をしている。また、財団による心理的検査は彼を下劣な精神の持ち主であると判定し、それは199Xに彼が収監されてからますます悪化している。
以下、SCP-661からの要求に対し、どのように対処したか記録が残っている。
-"「俺をここから出せ。」"(却下)
-"「おい、マジで言ってんだぞ。俺をここから出せ。」"(却下)
-"「冗談じゃねぇぞ!俺をここから出せ!」"(却下)
-"「解放を要求する!俺は合衆国市民だぞ!お前らにこんなことする権利はねぇ!」"(却下)-ハバナ限定版キューバ葉巻一箱(2,012アメリカドル)(却下)
-マイアミ海岸葉巻一箱(299アメリカドル)(却下)
-"安物のクソ葉巻"一箱(原文ママ)(却下)
-煙草一パック(却下)
-ニコチンガム一パック(承認)~いや、笑い事じゃないんだよ。彼のお願いの滑稽さを見るに、ニコチン中毒は重症だね。-〇〇〇〇〇博士-インターネットにアクセスできるコンピュータ(却下)
-コンピュータ(却下)
-ケーブル付きのテレビ(却下)
-デジタルかアナログの記録物を再生できるテレビ(却下)
-監禁後に書かれた本(却下)
-監禁前に出版された本(承認)~人間が正気でいるためには、いくらかの娯楽が必要だからね。〇〇〇〇〇博士-CDプレイヤー(承認)~読むことはさせられなくとも、録音機能無しの音楽デバイスくらいはあげてもいいかな。〇〇〇〇〇博士
-筆記用具とメモ(却下)~著作物を通して力を発揮できるかもしれないので。そういう様子は確認していないけど、彼の能力の範囲内かもしれないしね。〇〇〇〇〇博士
補足:SCP-661の能力が著作物に及ぶ確証はないものの、保安上の理由からこの要求は却下され続けます。エージェント×××××残りの要求を処理するため、〇〇〇〇〇博士は他の職員にSCP-661の要求処理の手伝いを依頼しました。
要求は〇〇〇〇〇博士により許可されませんでした。-レザー・ジャケット一着(却下。対象には代わりに拘束服を支給しました。)
-"タコス。"(却下。対象には代わりにブリトーを支給しました。)
-"レッド・ツェッペリンのベスト版CD"一枚(却下。対象には代わりにモンキーズのCDを支給しました。)
-"〇〇〇〇〇。〇〇〇〇〇〇〇の臭いがここまで漏れてやがる。窓を開けるかどうにかしろクソ〇〇〇〇!"(却下。オフィサー〇〇〇〇〇〇は代わりに独房で放屁しました。)
-"陽のあたる場所。"(却下。オフィサー〇〇〇〇〇〇は代わりに対象の顔にフラッシュライトを10分間当てました。)
-ウェンディーズのベーコンチーズバーガー一つ(却下。対象には代わりにボカのソイソースバーガー一つを支給しました。)
-アビエイターのサングラス一つ(却下。部屋の明かりを消しました。)
-ペプシのソフトドリンク一本。(却下。対象には適切な代替品としてコカコーラのソフトドリンク一缶を支給しました。脳震盪からの回復後、〇〇〇〇〇博士は非知覚存在SCP担当に異動されました。)
諸君、真面目に聞いてくれ。無礼なSCP-661にはいらいらさせられるが、それでも彼は知的存在SCPであり、一定のレベルの敬意を払われるべきなんだ。私はこのように彼を扱いはしないし、上記のようなことは容認しない。-〇〇〇〇〇博士
と、このように多くの要求をしているが、ニコチンガム一パックと監禁前に出版された本とCDプレイヤー以外は全て却下され、一部の要求については代替になるような名案(という名の迷案)で対応している。
オブジェクト作者について
この項目には高濃度のメタ要素が含まれています。 SCP財団の世界観が壊れてしまう恐れがあります。それでも構わないという方のみ読んでください。 |
このオブジェクトを作成した人物は、Le Blue Dude氏。この作者は他にもSCP-010、SCP-070、SCP-738のSCPオブジェクトを作成している。
このオブジェクトの評価は、本家の「SCP Foundation」では+143と高い評価を獲得しているものの、日本版サイトの「SCP財団」ではたった+5しか評価されておらず、比較的マイナーな立ち位置のSCPオブジェクトとなっている。しかし、このオブジェクトは上記のようなネタ要素が含まれており、比較的ファニーなオブジェクトなので日本支部の財団職員の方はぜひ宣伝して広めてほしい。
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