ガイエスブルク要塞 単語

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ガイエスブルクヨウサイ

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ガイエスブルク要塞とは、「銀河英雄伝説」に登場する宇宙要塞である。

概要

ゴールデンバウム朝銀河帝国の領土内に所在する宇宙要塞。「禿」とも表記される。直径40km以上におよぶ球形人工体にして、難攻不落を誇るイゼルローン要塞にさえも対抗しうる戦備を誇るきわめて有な要塞である。

帝国488年、リップシュタット戦役においては貴族連合軍の本拠地となり、その終結に際してはジークフリード・キルヒアイス殉職の現場ともなった。翌489年には各種の航行機を加えた移動要塞に改造されて遠征し、イゼルローン要塞に対抗したが(第八次イゼルローン要塞攻防戦)、ヤン・ウェンリー率いる自由惑星同盟軍の前に敗れ、破壊された。

諸元

ガイエスブルク要塞は、質量にして約40兆tに達する球形灰色の人工体である。第八次イゼルローン要塞攻防戦時の同盟軍側推定によれば、その直径は40kmないし45km、材質は合セラミックから構成されていた。

要塞として装備する1ダースからなる硬X線ビームは、波長100オングストローム、出7億4000万メガワットを誇る。その威巨大戦艦を一撃で蒸発させるに足り、イゼルローン要塞雷神ハンマー”にこそ及ばぬとはいえ、その最強と謳われる四重複合装甲をたやすく貫通できる域に達している。軍事根拠地としても強大で、少なくとも艦隊16000隻、将兵200万人を収容することができた。

移動要塞への改造後には、全に同期して作動する12個のワープエンジンと、同じく12個の複合装甲カバーに覆われた通常航行エンジン、あわせて24個のエンジンを輪状に設置し、戦略・戦術両面における機動をもつ移動要塞となった。

歴史

リップシュタット戦役より前の要塞の経緯は詳らかにされていないが、レンテンベルク要塞、ガルミッシュ要塞などと並ぶ帝国領内の軍事要塞として建造されたものと考えられる。

リップシュタット戦役

帝国488年のリップシュタット戦役においては、オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク公爵リップシュタット貴族連合軍が本拠地として使用し、リヒテンラーデ=ローエンラム枢軸に対抗する数千の貴族が集結する牙となった。

ラインハルト・フォン・ローエングラム率いる討伐軍はしだいに要塞へと迫り、同年にはガイエスブルク近傍でも断続的に戦が繰り広げられた(ガイエスブルク要塞の戦い)。結果、数的戦と自サイズでは勝っていた貴族連合軍は討伐軍にほぼ敗を喫する。しかし、組織的戦闘は要塞外部の宇宙空間での交戦に終始し、ガイエスブルクやその防御火力戦闘への戦術的をほとんどもたらさなかった。

貴族連合軍の敗北が決定づけられると、盟ブラウンシュヴァイク公爵は要塞内で自殺を遂げた。散発的に抵抗する貴族士官もいたものの、ほどなくして討伐軍の制圧下におかれた。9月5日には要塞の広間で戦勝式が行われたが、捕虜引見時にブラウンシュヴァイクアンスバッハ准将ラインハルトの暗殺を試み、阻止しようとしたジークフリード・キルヒアイスが殉職する惨事が発生している(ローエンラム侯暗殺未遂事件)。

要塞対要塞

戦役後のガイエスブルク要塞は放棄されていたが、翌年初頭、アントン・ヒルマー・フォン・シャフトの発案した要塞ワープによるイゼルローン要塞攻略作戦に起用されることとなる。

作戦カール・グスタフ・ケンプ、副ナイトハルト・ミュラー揮のもと、ガイエスブルクの修復(内部装飾類をのぞく)および各種航行エンジンのとりつけが行われ、3月半ばにはヴァルハラ系外縁部への初のワープ実験に成功。この結果を受けてイゼルローン攻略が正式決定され、艦艇16000隻、将兵200万人を収容して出征する(第八次イゼルローン要塞攻防戦)。

守るべきヤン・ウェンリー不在のイゼルローン攻略では、リップシュタット戦役とはうってかわって要塞を盛大に用いて活躍したが、しだいに戦況は着状態におちいる。最終的にヤンが増援とともに戻ってくると、ケンプは最終手段としてガイエスブルクを航行させイゼルローンに衝突させようとするが、一部の航行エンジンに集中攻撃を受けて推軸を狂わされたあげく、核融合炉爆発によって破壊された。

メディアミックスでの描写

石黒監督版OVA

作中ではもっぱら「ガイエスブル」と発音されている。

直径45km、合セラミック・ハイドロメタルなど(同盟側推定)で構成された人工体。同作設定のイゼルローン要塞と同様、全体を流体金属層で覆った外観だが、イゼルローンと異なり、各所で流体金属層から内部構造が露出し、おどろおどろしい形態となっている。同作の第八次イゼルローン要塞攻防戦では、この流体金属層の設定を用いたオリジナル演出がなされた。

この外観について、同作のメカニックデザインを担当した加藤直之によるデザイン初期案では、「表面をおおっている面流体が長い間に少しずつ蒸発したため、内部構造物の一部が表面に露出」した結果とされている。この初期案には、「ガイエスブルク」の名も南半球側に残った「面流体」の形がに見えることから自然とついた名称、といった書き込みも見られる。

要塞である硬X線ビームについては「ガイエスハーケン」という名称が設定されたが、流体金属を照準レンズに用いる複数基連動の浮遊台であるイゼルローンとは異なり、近くのやや南半球よりに設置された、単独の固定口となった。また、移動要塞としての航行エンジンは子午線上に輪状に設置された。

なお、ガイエスブルクの本来の所在地は原作でも帝国領内でヴァルハラ系から相応に遠隔地という以上には明らかではなく、OVA作中でもどこの系かといった具体的な話は出てこないが、石黒監督版に基づいたゲーム版『銀河英雄伝説IV』ではなぜかアルテナ系に存在する。

Die Neue These

直径45km・質量40兆tの人工体。同作設定のイゼルローン要塞と同様に全体を流体金属で覆った外観だが、フレーム状の外殻構造が多数、流体金属から露出しているのが最大の視覚的特徴。本作ではガイエスブルクの建造はイゼルローンよりい時期とされ、そのために経年で流体金属が薄くなってフレームが露出している、と設定されている。

流体金属の外部には、ほかに極部の円形構造物や8か所の艦艇出入口、姿勢制御用ジャイロ、スラスター、固定砲台などが見受けられる。球形の外殻の内側には正八面体状の軍港設備を備え、要塞は極部に設置されている。

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