長良川鉄道とは (ナガラガワテツドウとは) [単語記事]

長良川鉄道とは、岐阜県の美濃太田駅～北濃駅までの72.1km^[1]を結ぶ第三セクターの鉄道路線である。

経営の苦しい状態が続いているが、美濃を過ぎると日本三大清流で知られる長良川に沿って走るため、風光明媚な路線を走る鉄道として人気が上がりつつある。

概要

長良川鉄道沿線には、小瀬鵜飼や刃物で有名な関市、うだつのあがる町並みや美濃和紙で有名な美濃市、郡上おどりや郡上八幡城で知られる郡上市などの観光地が点在している。

しかし、東海北陸自動車道が整備されたことや、沿線の過疎化や災害による長期運休などで経営が苦しく、現在は沿線自治体の支援を受けながら経営している状態である。それでも最近はイベント列車を走らせたりキャンペーンしたりして経営努力している。人数が集まればお座敷列車による貸切列車も利用可能である。

平成29年 7月より^[2]通年発売されている1日フリー切符は2,700円とお得な設定で、例えば通常の運賃で美濃太田から北濃まで行くと1,720円かかる^[3]。ところを、フリー切符を使えば往復するだけで軽く元が取れる。

みなみ子宝温泉駅は温泉施設を併設しており、長良川鉄道利用だと入湯税込200円^[4]で入浴可能である。施設、駅など、国鉄時代の古き面影をよく残しており、音楽のプロモーションビデオのロケが深戸駅で行われたほか、映画の撮影も行われている。^[5]

路線名は越美南線と言い、その名前の通り元々この路線は国鉄時代、美濃太田駅～福井駅を結ぶ目的の路線として建設された。北濃駅の先の県境の峠を越えた福井県側には同じ目的で建設された越美北線（福井駅（越前花堂駅）～九頭竜湖駅）がある。国鉄時代、残りの北濃駅～九頭竜湖駅の建設着工直後に国鉄再建の影響で工事は中止され、それ以来お互い結ばれることも無く、越美南線は第三セクターの長良川鉄道として、越美北線はJR西日本の路線としてそれぞれの道を歩むこととなる。

北濃駅～九頭竜湖駅は直線距離にして十数キロしか離れていない。かつて両者を結ぶバス路線があったが、今は廃止されている。ちなみに郡上八幡駅で美濃太田行きに乗ってスグの所に日本一短いのでは？と言われる鉄道トンネル（中野トンネル：7メートル）がある。

2019年 7月には運賃支払方式にQRコード決済サービスのpaypayを導入したり、2022年 6月からはVisa タッチ決済を導入したりと、キャッシュレス決済にも積極的な姿勢を見せている。

観光列車｢ながら｣

2016年 4月27日に運行開始した、水戸岡鋭治氏がデザインした観光列車。

2016年 4月27日に導入された森号・鮎号は、セミクロスシートで食堂車（森号）と一般車両（鮎号）の2両編成。
2018年 4月18日に導入された川風号は、ロングシートで1両編成。川風号の改造費用の一部はクラウドファンディングで集めた。（リンク）

越美南線開通記念祭･郡上市人権の夕べ

毎年8月上旬に行われる郡上おどりの縁日の1つ。郡上八幡駅前がおどり会場となる。（※詳しくは「郡上おどり」記事内の見出し「郡上おどりの日程」を参照。）

駅一覧

全駅岐阜県に所在。また、観光列車「ながら」を除き全列車が各駅に停車する。

駅名	乗換路線・周辺施設・備考	所在地
0 美濃太田駅	JR東海CG高山本線・CI太多線乗り換え。美濃加茂市役所の最寄り駅。	美濃加茂市
1 前平公園駅
2 加茂野駅
3 富加駅	列車交換可能。富加町役場の最寄り駅。	加茂郡富加町
4 関富岡駅		関市
5 関口駅
6 せきてらす前駅	岐阜県刃物会館、フェザーミュージアムの最寄り駅。
7 関駅	列車交換可能。関市文化会館の最寄り駅。 2005年に名鉄美濃町線が廃止される以前はその乗換駅であった。
8 関市役所前駅	周辺に田んぼが広がっているが一応関市役所の最寄り駅。
9 関下有知駅
10 松森駅		美濃市
11 美濃市駅	列車交換可能。美濃市役所の最寄り駅。
12 梅山駅	うだつの上がる町並みの最寄り駅。
13 湯の洞温泉口駅
14 洲原駅
15 母野駅		郡上市
16 木尾駅
17 八坂駅
18 みなみ子宝温泉駅
19 大矢駅	列車交換可能。
20 福野駅
21 美並苅安駅	郡上市役所美並庁舎の最寄り駅。
22 赤池駅
23 深戸駅
24 相生駅
25 郡上八幡駅	列車交換可能。郡上市役所、郡上八幡城の最寄り駅。
26 自然園前駅
27 山田駅
28 徳永駅	郡上市役所大和庁舎の最寄り駅。
29 郡上大和駅	駅名に反して郡上市役所大和庁舎の最寄り駅ではない。
30 万場駅
31 上万場駅
32 大中駅
33 大島駅
34 美濃白鳥駅	列車交換可能。郡上市役所白鳥庁舎の最寄り駅。
35 白鳥高原駅
36 白山長滝駅
37 北濃駅