さっきも言いましたけど、コンバースみたいな小さな町では、誰もがお互いを見守ってます。特にフットボール部を。誰も何かがぶち壊しになるのを望まない。
SCP-2510 - SCP財団より,2022/08/08閲覧
SCP-2510とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
SCP-2510は、2016-2019の亡くなるまでの間、オークヒル中等学校に通っていた17歳の高校生、サマンサ・マッカーサーを取り巻く現象である。サマンサの遺体は、彼女が死亡してから発見されるまで5ヶ月が経過していることが推定されている。彼女の死は自傷行為の結果であって異常ではない、と考えられている。
このオークヒル中等学校が存在するコンバースの町の住民は、このサマンサの遺体を認知せず、近くに存在していても完全に無視する。会話中でサマンサの話が出てきても、影響者はかわりに他の話題に集中する。直接的にSCP-2510やサマンサの話を突きつけると、影響者は無言を貫く。影響者たちはサマンサについて何かを知っているようだが、それを誰かに伝えようとすることを望まないか不可能であり、財団職員が何度も話を執拗に持ちかけると、財団職員と会話することを拒否するようになる。
死体の第一発見者は甥の入学式に出席しようとコンバースを訪れた女性である。彼女はコンバースの住民ではないためサマンサの遺体に気づき通報したが、警察は影響下にあるため当然調査しようとはしなかった。そこで彼女はインディアナ州警察に地元警察が死亡事件の調査を拒否していると訴えたところ、インディアナ州警察に潜伏していた財団エージェントによってSCP-2510が認識された。
財団は現在に至るまでSCP-2510がなんであるかを突き止められていない。法的措置や懲役の脅迫を行おうともコンバースの住民はサマンサについて語ることを拒否するからだ。覆面エージェントを教員や学生として潜入させても、彼らはコンバースの住民に受け入れられなかった。SCP-2510は社会性反ミームと考えられ、コンバースのコミュニティの間で社会的な絆を介して拡散していると考えられた。財団はそこでコンバースのコミュニティからそこそこ孤立していて、サマンサを知っている人物を探した。
目をつけたのは6ヶ月前にオークヒル中等学校に転校してきたザカリー・エイモス。ザカリーは財団のインタビューに協力的であったが、自分が回答したことを明かさないでほしいと最初に要求した。なんとなく、それを話してはいけない気がする、暗黙のルールより深刻なものではないかと。彼は、サマンサの話を振られても取り乱すだけで沈黙していた。
そこでインタビュアーはザカリーに、オークヒルでの生活について尋ねる。小さく閉鎖的で、誰もが互いを知っているような町に打ち解けられるか心配していたが、なんとか彼らに合わせることでコミュニティにうまく馴染むことができた。彼のクラスメイトで人気者のケビン・コズニアックとデレク・トンプソンはフットボール部に所属していて、学校のボスのような感じであると。彼らについて、正直嫌な奴らだとザカリーは捉えており、妙な雰囲気を感じていたので、ザカリー自身はあまりケビンやデレクと会話することはなかった。彼らは、まぐれでいつもその場をのり切っていたとも。その妙な雰囲気について問われても彼は沈黙した。
そこでインタビュアーは、過去5ヶ月でケビン、デレクとの記憶に残るような出会いをしたか尋ねた。ザカリーはデレクの家のパーティについて語る。フットボール部が重要な試合に勝って、オークヒルが州の代表校になった。そのためデレクは自分の家にケビンやフットボール部のメンバー、自分のガールフレンドや、ザカリーも所属するデレクのホームルームの全員、更に他のクラスからも数人を呼んでいた。
パーティーの進行を聞くと黙ったので、気分を聞くと「だいぶノッていた」という。デレクのお兄さんがビールを調達していたので盛り上がっていたのだと。しかしみな酔いが回っていた。デレクやケビンがなにか雰囲気を壊すようなことをしたようだが、ザカリーはそれを語らない。
インタビュアーは最後に、オークヒルのほとんどの生徒は好調子だが、ザカリーだけが違うと指摘する。ザカリーは、誰も何かがぶち壊しになるのを望まないのだと語る。最後にインタビュアーが、人々はひどい事件を隠蔽してでも波風を立てたくはないのか、自分の行いを皆が無視したのか、彼らはサマンサに何をしたのか、問うがザカリーは取り乱すだけで回答できなかった。
SCP-2510とは何なのか。これは、このコンバースという田舎町において、閉鎖的環境でかつフットボール部を守りたいという住民の自発的感情が、街全体を覆う異常と合わさり、「触れてはいけないタブーに誰もが言及できなくなる反ミーム」と化しているのである。サマンサ自身も町の住民であるため、サマンサになにかがあったことを隠匿するだけでなく、サマンサ自身も隠匿されてしまう。
ケビンやデレクが毎回何かしらの悪事を働いても、ザカリーの言うところの「まぐれ (=反ミーム)」でそれは公にならない。
なお作者のCerastes氏いわく、ザカリーの「回答できること」「回答できないこと」から財団もなんとなくはSCP-2510について気付いているらしい。また、SCP-2510の根源たる町の反ミームはあくまで町にかかっているだけでケビンやデレクの能力ではないため、彼らがコンバースの外で悪事をやらかせば普通に捕まるだろう、とのこと。
もともとSCP-2510は過去にMetaphisician氏が『我らの壊れたる救済』というサーキック・カルト絡みのオブジェクトを書いていたが、これが一部文章が盗用ではないかと疑義をかけられ、削除されている (Metaphisician氏もBAN) 。いくつかの文書を出典無しで引用したとされることが要因だが、Metaphisician氏に申開きのチャンスを与えぬままBANしたためにSCP-ENのスタッフサイドが逆に批判されている (出典を後出しで追加して認められた事例が以前にいくつか存在していたためでもある)。
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最終更新:2024/05/23(木) 22:00
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