このアカウントは乗っ取られていた形跡があります。とは乗っ取りの可能性を周知するための一般的なフレーズである。しかし色々な意味で最悪の悪手である。
アカウントの乗っ取りとは
TwitterのようなSNSやニコニコ動画など、WEBサービスではIDやメールアドレスと、パスワードを設定してアカウントを作り、使用することができる。IDやパスワードなどを知っていれば、複数の端末から同じアカウントを使用できるが、それは自分以外の人間でもそのアカウントが使用できるということである。詳しくは→アカウントハッキング
またアカウントを乗っ取ることによって、メールアドレスを不正に使用し、あたかも第三者を装ってメールを送ることができる。犯罪に使われることが多いが、乗っ取られた本人が気づくことは難しい。
このフレーズの問題点
- 乗っ取りに気づけるような人間は、乗っ取り被害には合わない。
アカウントの乗っ取りは簡単なことではなく、また被害者のセキュリティ意識の低さが招いた事態であるのに、はたして被害者が乗っ取りに気づけるのだろうか?そもそも乗っ取られていたアカウントでの発言の信用性は? - 乗っ取られていたから無罪であると主張してしまっている。
乗っ取り被害者は、真犯人が見つかるまで犯人として非難されやすいが、仮にこれが炎上などにエスカレートして、脅迫や殺害予告などの犯罪が起きた場合でも、それが電子掲示板や電子メールで送られたものである場合、送り側が「このアカウントは乗っ取られていた形跡があります。」と言ってきた場合、それらの犯人を追及する正当性がなくなる点が問題である。
さらに、乗っ取りの犯人自体が「私も乗っ取られていた」といってくる場合も考えられる。それが嘘でもこれを疑うことは自身の正当性を捨てることになるから追及できない。
どっちにしても詰み
無実の人間が乗っ取りのために悪事を働いたように見えて、その件で誹謗中傷があっても、免罪符があるために犯人や自身へのほとんどの脅迫、誹謗中傷、名誉棄損などを追及する正当性が失われ、さらに彼らが免罪符を使うことで 、自身の発言が「追及逃れの方便」であるという疑惑が強まる。
仮に、自分の悪事がバレたとき、追及逃れのためこのフレーズを使っても本質的に信じられないので、信用できないばかりか、自身へのほとんどの脅迫、誹謗中傷、名誉棄損などへの追及ができなくなり、相手の一方的な攻撃を許してしまう。
結論 最初にこのフレーズをいったら詰み
「このアカウントは乗っ取られていた形跡があります。」は、自分が乗っ取られていた可能性を周知するために使うべきではない。この言葉自体が、「乗っ取られているなら無罪」という犯人や脅迫主への免罪符を提供することになるからである。翻って、この言葉を発することは、「自分の悪事を乗っ取りのせいにする」という行為として見られることになる。このフレーズは最初に使えば最悪だが、二番手以降には最高の免罪符である。
関連項目
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