メスガキ懺悔室とは、アスティカシア高等専門学園に突如現れたギャグ空間である。
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第18話でその存在が明らかになった。
概要
マルタン・アップモントが学園のカウンセリング室で自身の行動を懺悔したことに端を発する、一連のギャグ展開を指す単語である。
なお、メスガキ「懺悔室」とはあくまで視聴者間で生まれたスラングであり、例の部屋はあくまでも「カウンセリング室」である(そもそも入り口横に「COUNSELLING ROOM」と掲示されている)。あまりにこの呼称が広まりすぎたせいか、後に出演声優の山根綺と佐藤元が『ブリオン寮ラジオ』にて「あれは懺悔室ではない」と釈明する羽目になった。
マルタンの葛藤と決断
地球寮の面々が、プラント・クエタのテロ事件に巻き込まれてから2週間。同じ地球寮のニカ・ナナウラが、テロリストに光信号で通信していた場面を目撃していたマルタンは「ニカはテロリストとの一員なのではないか」という疑念を持つ。マルタンは寮長としてニカに事実を確認しようとするが、彼女ははぐらかすばかり。
更に数日後、アスティカシア高専ではオープンキャンパスが開催されるが、その目玉として行われるバトルロイヤル決闘"ランブルリング"の直前、ニカが「整備中の事故」で負傷する。だが、格納庫の損害度合いは「ただの事故」というには厳しく、マルタンは更にニカへの不信を強める。
そしてランブルリング本番、件のテロリストの狩るガンダムが戦術試験区域に乱入し、破壊活動を開始した。ここに至って、マルタンは地球寮メンバーが再び危険にさらされることを危惧し、フロント管理社へニカの不審な行動を通報する。
状況の悪化
学園テロは死傷者が出るほどの大きな被害を齎し、実行犯は逃亡。マルタンの通報の結果として地球寮メンバーも事情聴取を受けることになる。そしてそれが「地球寮がテロリストと関わっている」「株式会社ガンダムは人を殺すガンダムを作っている」という噂を呼び、地球寮は他の生徒から嫌がらせを受けることになった。マルタンは中傷落書きをする生徒に毅然として対応するが、投げられたスプレー缶から仲間を庇い、頭を負傷してしまう。
その後、帰還したミオリネ・レンブランの調べで、プラント管理社に連行されたはずのニカが行方不明になっていることが判明する。更にその後、ミオリネとスレッタ・マーキュリーの関係がこじれてしまったことで、地球寮メンバーは負傷中のマルタンを一人留守番に残し、スレッタをミオリネに引き合わせるためベネリットグループフロントへ出張していった。
マルタンの懺悔
地球寮を守るためとはいえ、通報したことで地球寮メンバー全員が疑われ、マルタン自身も負傷してしまった。さらに当のニカ本人の行方もわからないという結果が残った。
果たして自分の行動は本当に正しかったことなのか、ニカはどうなってしまったのかという疑念を一心に抱えてしまったマルタンは、とうとうカウンセリング室に籠り、カウンセラー代わりのハロに訴えかけた。
「僕は寮長として仲間を守りたかった! 何もおかしくない!
僕のしたことは、正しいですよね!?」
普段の困難にはツッコミや苦笑いで対処している描写の多かったマルタン。それが取り乱すように懺悔する、とてもシリアスなシーン。
だったのだが
ブッブー!!
突然ブザーが鳴り響いたかと思うと、軽快なSEと共にハロの後ろの壁が解放され、決闘委員会の太ももメスガキセセリア・ドートが顔を出した。
驚きのあまりギャグ漫画のようにすっ飛ぶマルタンに、セセリアは
と挑発的に微笑むのだった。
元々セセリアは「上級生でも関係なく煽る」「太もも丸出しのラフな格好」という要素から一部の視聴者に(年齢や身長はともかく)メスガキ属性持ちとして扱われていた経緯があり、そのことがこの展開を「メスガキ懺悔室」と呼ばしめる原因となった。
視聴者の反応や考察
- 何の前触れもなく突然生えてきた「アス高には懺悔室形式のカウンセリング室がある」という設定
- 「ニカを通報するべきか」というマルタンの葛藤は数話かけてじっくり描写されていたのに、突然ギャグ展開になる
- 壁の向こうから突然エッチな女の子セセリアが出てくる
- 本来懺悔室に待機しているのは神父やシスターのような聖職者であり、セセリアの人物像とは似ても似つかない
- 懺悔室というシスターものの薄い本でよくみるシチュエーション
- その後は何事もなかったかのように「スレッタ出生の秘密」をはじめとしたシリアス展開に戻る
……と、ツッコミどころ満載の超展開であった。シスターセセリアはシリアス展開で曇る視聴者にほんの僅かな安らぎを与えたのだった。
マルタンについては「秘密を知ってしまったゆえに口封じで殺されるのでは」という死亡フラグも危惧されていたのだが、この展開によって「ギャグ落ち≒生存フラグではないか」と安堵する声も。ひょうきん懺悔室を思い出す世代のファンもいたようである。
一方マルタンもセセリアも「地球寮の寮長」と「決闘委員会メンバー」というポジションにありながら「ガンダム・エアリアルの謎」や「ミオリネの婚約者争い」「クワイエットゼロ計画」といったシナリオ大筋の蚊帳の外にいたキャラクターであり「この二人が接点を持ったことが物語で大きな意味合いを持つのではないか」という真面目な考察もあった。それはそれとして「セセリアは普段から懺悔室でお悩み相談を聞いてニヤけていたか」という疑念が残るが
ハロ(端末機器)の存在
シリーズ恒例のペットロボ・ハロ。本作においては学園を案内するコンシェルジュロボとして使用されている(その他、ドローンの制御ユニットとしても使われている)。だが、それら学園用ハロはオレンジ色なのだが「セセリアと一緒にいたハロは緑色 = ロウジ・チャンテのハロ(水星世界の通常ハロはオレンジ)」とであった。
もしかしたらセセリアの後ろにロウジがいるのでは?という意見や、日替わりでロウジは神父を担当している、そもそもあの部屋を作ったのがメカニック科のロウジ、といった面白おかしい意見も出ている。
また、実はブリオン寮コンビは「懺悔室とハロを用いて学園内の情報を集めているのではないか」とも囁かれてた。上述のセセリアとマルタンだけでなく「ロウジを加えたブリオン寮 兼 決闘委員会古参の2人が今後絡んでくるのではないか」というあり得そうな予想も行われた。
その後
続く19話では、決闘委員会ラウンジらしき場所でセセリアの足爪のケアというご褒美プレイをさせられているマルタンの姿が!
懺悔の追い打ちとばかりに地球のこと・地球寮のことを恥ずかしげもなくネチネチと煽り蔑むセセリアに、ついにマルタンは地球寮を守るためにはあれ以外になかったとヤケになって抗議するが、セセリアは淡々と「(マルタンが)厄介事に巻き込まれたくなかった」「後ろめたさがあるから誰にも言えなかった」と指摘。さらに自信を追い詰めるマルタンに対し「見栄を張らずに最初からそう言うべきだった」「弱者(立場としてそう強いられている者)が平気そうに意地を張るな」と言葉を続ける。マルタンの凝り固まった心は遂にほぐされ、思わず泣き出してしまうのであった。
セセリアはつつかない方が良い話題を思い切りなじることで、どこかで罰を欲していた抑圧された彼の本音を無理矢理引っ張り出すカウンセリングを最後までやってのけた。かなり荒療治ではあるが・・・。
マルタンは地球寮に帰ってきていたみんなに「ニカがテロリストと繋がっていたこと」「それを自分が通報したこと」を打ち明ける。当然みんなは動揺したものの、最後にはみんながマルタンの行動に理解を示した。最善のやり方ではないが、その場ではそうするしかなかったのだと。
そしてスレッタも、そんなマルタンの行動から、ミオリネと母プロスペラの行動の真意に気が付く。ただのギャグシーンに見せかけて、スレッタに気付きを促し、話の本筋を進展させる伏線だったのである。
ちなみに、マルタンがセセリアの足爪をケアしているすぐ真向いにはやはりというか当然ロウジとハロが座っており、しかし先輩のマルタンが虐げられている状況にも、セセリアが仮にも先輩にそんな懲罰を課している状況にも一切動じずにポチポチとタブレットをいじり続けていた。
本当にどうでもいいのか、セセリアのそんな対応に慣れきっているのかは今のところ謎。どっちもな気がしなくもない。
関連動画
関連静画
関連項目
- 132
- 0pt