アイホン (AIPHONE)とは、日本のインターホン製造・販売企業である。
……おそらく本記事に来てしまった読者諸賢らの半分以上は別のものを調べに来たと思うが、それについては後述する。
概要
愛知県名古屋市に本拠を構えるインターホン専門メーカー。東証プライム上場企業であるほか、本社が名古屋市ということで名証プレミア上場企業でもある。日本の他、アメリカ、中国、東南アジア、ヨーロッパなど世界70カ国でインターホンを販売している。
創業当初はラジオなどの組み立て企業であったが、下請けからの脱却を図り、最終製品としてのラジオを販売しようと画策。しかし三洋電機のプラスチックラジオ一号機の出来栄えに勝てないと判断し、大手がやらなそうな最終製品を模索した結果、インターホンに行き着く。以後はインターホン一筋である。
インターホンメーカーとしては老舗かつ業界トップシェアを争うメーカーで、朝日電器 (ELPA) やアイリスオーヤマ、ツインバード等の他社の追随を許しておらず、特に集合住宅向けでは国内では7割のシェアを誇る (2023年時点) 。ただし、対抗馬があのパナソニックということで、価格競争に晒され続けているという指摘もある。ラジオを断念したきっかけである三洋電機も現在はパナソニックと合併しており (というよりそもそも松下電器産業からGHQによる公職追放をきっかけに分かれて、その後再度パナソニックに合流したのが三洋電機) 、常にパナソニックが大きな壁として立ちはだかる苦しい局面に晒され続けている企業とも言える。
アイホンとiPhone
ということで、多くの読者諸賢らがこの記事を開いてしまったのはおそらく「アイホン」をクリック / タップしてしまったからであると推察するが、多くの読者諸賢らがイメージする例のスマートフォン製品の日本語表記は「アイフォーン」である。「iPhone」は「アイホン」と読まない。
ここで面白い話がある。iPhoneを購入すると、そのパッケージに、「商標『iPhone』は、アイホン株式会社の許諾を得て使用しています」と明記されている。これは、日本国内では『iPhone』の登録商標を持っているのはAppleではなく、アイホンだからである。
2006年にAppleは日本市場におけるiPhoneの販売を目指して商標を申請した。しかし、日本の特許庁はこれを取り下げたのである。これは、アイホンの登録商標に類似しているということが理由であった。実際、アイホンは「アイホン」及び英文商標「AIPHONE」を既に登録しており、「AIPHONE」と「iPhone」が類似しているというのはまさしくその通りである。
これがバンダイが「変身」を登録しているような「他の事業で被るわけではない」ケースであればあまり問題ではなかったであろうが、よりによってインターホンは一応電話機である。そのため、同じ電話機である「iPhone」は類似商標として却下されてしまうわけである。
そこでAppleはiPhoneを販売するため、アイホンと協議。そして最終的には、「アイホンサイドがiPhoneの商標を日本国内で取得し、Appleはライセンス料をアイホンに支払うことで自社スマートフォンを『iPhone』として販売」「iPhoneの日本語表記は『アイホン』ではなく『アイフォーン』とする」ことで合意。また、アイホン自体が国際的にインターホンを販売しているため、日本国外では「iPhoneとAIPHONEが共存する」ことでも合意した。
これによって、アイホンは巨額のロイヤリティを得ていると推察されている。また、現在はアイホンのインターホンにiPhoneと連携するモデルもある。もっとも、ライバル・パナソニックもiPhoneと連携するインターホンを販売しており、苦戦は続きそうである。
関連リンク
アイホン
関連項目
- インターホン
- パナソニック - ライバル企業。
- Apple - iPhone
- Logitech - 世界的周辺機器メーカー。日本国内ではELECOMの子会社であるロジテック (Logitec) と被ってしまうため、「ロジクール (Logicool) 」ブランドで商品を展開している。
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- なし
- 3
- 0pt