イエローダイヤモンドとは、カラーダイヤモンドの内、黄色を示すダイヤモンドである。
特徴
普通、ダイヤモンドは無色透明のものを想像するが、イエローダイヤモンドは黄色に色づいている。
着色因は大体の場合、炭素の集合体であるダイヤモンドに窒素が入り込むことである。
注意したいのは、「黄ばんだ」ように見える無色透明のカテゴリに属するダイヤモンドと、充分に黄色く色づいたとされるイエローダイヤモンドは別であるということである。
無色透明のダイヤモンドのカラー評価は、Dを最高の評価とし、以降E、F・・・と進んでZに近づくにつれて黄色に(または茶色に)色づいていくが、イエローダイヤモンドはZの評価の範囲を超えた、色の濃いものを指す。
特に色が濃く、鮮やかで綺麗なイエローダイヤモンドは「カナリー(イエロー)ダイヤモンド」と評され、同サイズの無色透明のダイヤモンドよりも高値が付くことが多い。
カナリーとは鳥のカナリアのことで、これはカナリアが美しい黄色をしているからである。ダイヤモンドに限らず、美しい黄色の宝石はカナリーの呼称が付けられることがよくある(カナリートルマリン等)。
補足
『特徴』の項目で黄ばんだダイヤモンドとの表現を使ったが、これは人によって感じ方が違うことがある。
D~Fを「colorless」 無色
G~Jを「nearly colorless」 ほぼ無色
K~Mを「faint yellow(brown)」 かすかな黄色(茶色)
under N(N~R)を「very light yellow(brown)」 とても薄い黄色(茶色)
under S(S~Z)を「light yellow(brown)」 薄い黄色(茶色)
となる。(light brownish yellow=薄い茶色がかった黄色 というような混色の評価もある。)
人によっては、「ほぼ無色」とされるHカラー位でも黄色みを感じるし、「かすかな黄色」とされるKカラーでもあまり黄色みを感じなかったりと様々である。
これは人によって感じ方が違うのはモチロンだが、色の鑑定をしているのは機械ではなく人間(グレーダーと呼ばれる)で、グレーダーは訓練されてはいるものの、鑑定にバラつきがあることも理由の1つである。
さらに言えば、Gカラーに近いHカラーもあれば、Iカラーに近いもの、Hカラーど真ん中のものと、同じカラーグレードの中にも色の範囲があることも挙げられる。
さらにさらに言えば、輝きの強いラウンドカットでは色が飛びやすいので黄色みを感じにくいのに対し、色溜まりが出来やすいペアシェイプカットやマーキスカットでは、より色を感じやすい。
また、ある程度黄色が強くなれば、「黄ばんだ」というより寧ろ「綺麗な薄めの黄色」という表現が合うダイヤモンドに感じられることもある。
ただし、D~Zでカラーを評価されるダイヤモンドはあくまで無色のダイヤモンドなのであって、これをイエローダイヤモンドと呼称するのは誤りとされるので気をつけたい。
イエローダイヤモンドの場合、カラーの評価に「fancy」が付くものだけが、カラーダイヤモンドとしてのイエローダイヤモンドと扱われる。具体的には、
・fancy light yellow (イエローダイヤとしては薄めの黄色)
・fancy yellow (充分に黄色)
・fancy deep yellow (色濃く深い黄色)
・fancy dark yellow (色濃く暗めの黄色)
・fancy intense yellow (色濃く鮮やかな黄色)
・fancy vivid yellow (intenseよりも更に色濃く鮮やかな黄色)
これらを指す。 イエローダイヤモンドの場合、茶色、オレンジ、緑との混色のカラーも存在する。
一般に、intenseやvividの評価が付くものが人気があり価値も高いとされるが、やはり人によっては、これらの評価のものよりfancy lightくらいのものが好みであったり、寧ろもっと淡めの、無色のカテゴリに属するlight yellowくらいのものが好きだったりと様々である。
なお、全てのダイヤモンドに言えることだが、色の起源(color origin)が天然(natural)以外のものは、人為的に着色処理を施していたり(加熱や放射線照射、粗悪なものだとコーティング等々)、レーザーと塩酸を用い黒色の内包物(インクルージョン)を白く目立ちにくくしていたりするので、天然のものより価値が低いとされる。
他のカラーとの比較
これらの特徴が挙げられる。
「安い」というイメージがあるので、日本では欧米に比べてイエローダイヤモンドは人気がないとされる。その為、綺麗なイエローダイヤモンドは日本に輸入されづらいという話がある。
関連項目
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