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デスロラタジン(Desloratadine)とは、抗ヒスタミン薬である。先発医薬品名はデザレックス®。
概要
デスロラタジンは、第2世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)である。アメリカ合衆国の製薬企業シェリング・プラウ社によって創製された。2001年にEUで承認され、2016年には日本でもデザレックス®錠5mgの製造販売が承認された。ジェネリック医薬品は未承認。
デスロラタジン(Desloratadine)は、ロラタジン(Loratadine)からエトキシカルボニル基(-COOC2H5)を取り除いた構造をしており、ロラタジンの主要活性代謝物である。“des-”は官能基や末端構造の除去の意味でしばしば用いられる接頭辞、“-tadine”は三環系ヒスタミンH1受容体拮抗薬のステムである。販売名のデザレックス®(Desalex®)は、デスロラタジンとアレルギー(allergy)が由来とのこと。ただし、海外ではClarinex®やAerius®という名で販売されている。
効能・効果
用法・用量
成人および12歳以上の小児には、1回5mgを1日1回経口投与する。ロラタジンは食後に投与するよう規定されているが、デスロラタジンに服用時間の規定はない。
作用機序
デスロラタジンなどの抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンH1受容体においてヒスタミンと競合的に拮抗し、H1受容体へのヒスタミンの結合を抑制することで抗アレルギー作用を示す。
また、デスロラタジンは、免疫細胞によるインターロイキン(IL-4、IL-6、IL-8、IL-13)の産生抑制作用も示す。これらは免疫細胞の分化・増殖や抗体の産生などに関与する生理活性物質である。
禁忌・副作用
ロラタジンやデスロラタジンに対して過敏症の既往歴のある患者への投与は禁忌。
副作用として、傾眠(眠気)などの報告がある。一般に、抗ヒスタミン薬の副作用として眠気が知られているが、デスロラタジンは比較的眠くなりにくいとされており、医薬品添付文書においても自動車の運転などを制限する文言がない。
同種同効薬
デスロラタジンは構造的に三環系に分類される。また、第2世代抗ヒスタミン薬である。第2世代の三環系抗ヒスタミン薬として、メキタジン(ゼスラン®、ニポラジン®)、ケトチフェン(ザジテン®)、エピナスチン(アレジオン®)、オロパタジン(アレロック®)、ロラタジン(クラリチン®)、ルパタジン(ルパフィン®)がある。ロラタジンやルパタジンは、代謝されるとデスロラタジンになる。
デスロラタジンのように比較的眠くなりにくく、医薬品添付文書に自動車運転を制限する記載のない抗ヒスタミン薬として、フェキソフェナジン(アレグラ®)、ロラタジン(クラリチン®)、ビラスチン(ビラノア®)がある。
関連リンク
- 『デザレックス』と『クラリチン』、新旧の抗ヒスタミン薬の違いは?~代謝酵素と個人差、用法の縛り - お薬Q&A ~Fizz Drug Information~
- 『デザレックス』と『ビラノア』、新しい抗ヒスタミン薬の違いは?~食事や飲み物の影響と、効果と眠気の差 - お薬Q&A ~Fizz Drug Information~
関連項目
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