ニッケル(Nickel)とは、多くの合金に使われる金属である。
概要
- 原子番号は28、元素記号は“Ni”、分類は遷移金属、レアメタル。
- 鉄、コバルト同様に強磁性体であり、常温で磁石にくっつく。
- 融点1455度、沸点2913℃の銀白色の金属。塩酸・希硫酸に溶けるが、反応は非常に遅い(下の動画参照)。ただし希硝酸には速やかに溶ける(濃硝酸には不動態を作って溶けない)。
- 酸化銅に似ているが銅を含まない紅砒ニッケル鉱(NiAs)を、ドイツの鉱夫たちが「悪魔の銅(Kupfernickel)」と呼んでいたことに由来する。
- 発見:1751年、銅を抽出するために、クッフェルニッケルの表面を覆う緑色の結晶から酸化物を還元したところ、発見された。
- 利用例:ステンレス鋼(Ni-Fe合金)、形状記憶合金、ニクロム線(Ni-Cr合金)、ニッカド電池(Ni-Cd)、5セント硬貨・500円および100円硬貨(白銅・・・Cu-Ni合金)、テレビのシャドウマスク、触媒など
- 危険性:常温で一酸化炭素と触れた時に生成するニッケルカルボニル[Ni(CO)4]は猛毒であり、微量でも肺への傷害や血液の酸素運搬の妨害、ヒドロゲナーゼの活性阻害が生じ場合によっては死に至る。ステンレスの溶接の時には気をつけること。あと都市ガスをステンレス配管などのニッケルを含む物に接触させてはならない。
関連項目
関連動画
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