ヒステリシス単語

ヒステリシス

ヒステリシス(hysteresis)とは、ある物理的性質である。

概要

たとえば磁石になっていないの塊に磁石を近づけるとそのの塊も磁石のようになるが、磁石を離すと元のただのの塊に戻ってしまう。しかし、の塊にある一定以上の強い磁場に曝すとそのの塊は磁石となり、他の磁石を近づけても簡単には磁を失わない。これを磁化という。仮にS極とN極を入れ換えるなら、始めより大きな磁場に曝す必要がある。

このように、過去に受けた外部の影を保持する性質をヒステリシスと呼ぶ。そのため、履歴現ということもある。強磁性体の磁が特に有名で、他には強誘電体の分極やゴムの弾性、金属の塑性変などが挙げられる。

物理の多くは線形に応答するため、ある状態Aが決まればある状態Xが分かる、と言うことが多い。しかし、Xがヒステリシスを持つ場合は状態Aをどのように変化させたか、という情報いと状態Xが決まらないということが起こる。逆にいえば、状態Xにヒステリシスがあるかどうか不明である場合、状態Aをある方向に変化させて状態Xを測定したならば、状態Aを逆の方向に変化させて測定する必要がある。たとえば低温から高温に上げて測定した後は高温から低温に下げてもう一度測定したほうが良い。

ヒステリシスを持つものを上記のサイクルで測定した場合、行きの曲線と帰りの曲線で囲まれる部分があらわれる。多くの場合、この曲線で囲まれる面積の分だけ熱などの何らかの形でエネルギー的損失となる。つまり、ヒステリシスがあると、い場合とべて変化させるのに余計なエネルギーが必要となってしまう。

ヒステリシスの応用例

IHヒーターは磁場を高速で変化させ、フライパンの中に誘導電流を流すことで発熱させている。熱の発生電気抵抗だけでなく、磁化ヒステリシスによる発熱が重要になる。通常発熱はエネルギーのムダになるが、IHの場合は磁化ヒステリシスによる損失が大きいほど効率がいいということになる。

また、モーター芯は回転に合わせて磁場がしく変化するため、磁化ヒステリシスによる損失が発生する。モーターエネルギー変換効率が落ちるだけでなくモーターが熱を持つ原因ともなるため、ヒステリシス損の少ない材料芯にすることが望ましい。

磁化ヒステリシスによる損失(ヒステリシス損)と誘導電流の電気抵抗による損失(渦電流損)を合わせて損という。

命名者

この性質に「ヒステリシス」の名を付けたのは、イギリス工学者・物理学者のジェームスアルフレッドユーイングであるとされる。

彼が東京大学教授だった頃、1881年に提出し1882年に出版された論文内で

 the author now gives the name Hystēresis (στέρησις, from στερέω, to be behind).

と記している[1]

なお、ユーイングはこの引用部分では「Hystēresis」と表記しているが、次の行では「hysteresis」と表記している。

ニコニコにおけるヒステリシスの例

関連項目

脚注

  1. *Ewing, J. On the Production of Transient Electric Currents in Iron and Steel Conductors by Twisting Them When Magnetised or by Magnetising Them When Twisted. Proceedings of the Royal Society of London (1854-1905). 1882. 33:21–23exit

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スマホ版URL:
https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E3%83%92%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%82%B9

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2019/10/15(火)05時更新