ベンジャミン・ブリテン(1913~1976)とは、20世紀の現代音楽に属する作曲家であり、エルガー以降イギリスで世界的名声を勝ち得た唯一の作曲家である。
概要
イギリスのサフォーク州ローストフトで生まれる。早熟であり11歳の時からフランク・ブリッジのもとで学び、この時期をブリテンはのちに王立音楽大学で学んだ時期よりも実り多かったとする。その言葉通り王立音楽大学でジョン・アイアランド、アーサー・ベンジャミンに学んだが、彼らを顧みることはほとんどなかった。
ウィーンでアルバン・ベルクに学ぼうと考えていたが、よからぬ影響を受けるかもしれないと危惧して断念している。しかし詩人ウィスタン・ヒュー・オーデンから「よからぬ影響」を大いに受け、1935年以降GPO映画班で映画の共同制作を行い皮肉たっぷりの作品を送り出している。
1939年には、生涯のパートナーとなる、テノール歌手のピーター・ピアーズと出会う。1945年にサフォーク州のオールドバラに新居を構え、以後そこで一生を過ごした。
1947年以降は主にイングリッシュ・オペラ・グループのために歌劇に尽力した一方で、各方面から大作を依頼され、『戦争レクイエム』などを作っている。晩年10年間はほとんど健康状態がすぐれなかったが、作曲活動は依然として続けていった。
ブリテンも師匠のフランク・ブリッジ同様、ウィーンの表現主義的手法から旋法による抒情性まで多様な形式を幼いころから用いている。20代になるまで形式の面では揺れ動いていったが、やがてマーラーのようにパロディと寒々とした葬送の悲劇性、ストラヴィンスキーの新古典主義が持つ明快なテクスチュアからの影響といった生涯にわたる特徴が形成された。
主要作品としては妻ビアーズのために書いた歌劇『ピーター・グライムズ』、彼の代表作である歌劇『ねじの回転』、『テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード』、ブリテンを代表する『青少年のための管弦楽入門』、歌劇『ビリー・バッド』などがあげられる。
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