千葉県北西部地震(ちばけんほくせいぶじしん)とは、2005年と2021年に千葉県北西部で発生したM6前後(最大震度5強)の中地震のことである。
2005年の地震
2005年7月23日16時35分に発生した千葉県北西部地震は、震央が35°34.9′N・140°08.3′E、震源の深さ73kmで、規模(マグニチュード)はM6.0。東京都足立区で震度5強の強震を観測したほか、埼玉県南東部や千葉県西部、神奈川県東部など首都圏の各地で震度5弱の強い揺れとなった。
38人が負傷(重傷4人・軽傷34人)したほか、停電や断水などのライフライン被害、鉄道など交通機関の不通なども多発した。またこの地震の特徴として、首都圏各地でエレベーターに人が閉じ込められる事案が多発した点もあげることができる。
2021年の地震
2021年10月7日22時41分に発生した千葉県北西部地震は、震央が35°35.4′N・140°06.2′E、震源の深さ75kmで、規模はM5.9。南関東の広範囲で震度4〜5の強い揺れとなり、埼玉県川口市・宮代町と東京都足立区で震度5強の強震を記録したほか、千葉県の千葉市や神奈川県の川崎市・横浜市などでも震度5弱の揺れを観測した。
東京で震度5強以上の揺れを観測したのは、2011年の東北地方太平洋沖地震以来、10年ぶりである。また、16年前の地震(上↑の地震)と、震源の位置や規模、震度分布や地震波形などがほぼ同じであった(相似地震)。
49人が負傷した(重傷6人・軽傷43人)ほか、70棟を超える住家が一部破損した。南関東の各地でマンホールや水道管からの漏水、火災などが発生したほか、16年前と同様に、エレベーター停止や停電、断水なども少なからず発生した。
震度5強を観測した東京都足立区では走行中の日暮里・舎人ライナーが脱線(日暮里・舎人ライナー脱線事故)。また、首都圏のほとんどの鉄道が運転を見合わせ、平日の夜に人口密集地で地震が発生したことなどもあって、多くの帰宅困難者が出た。
メカニズム
2005年と2021年の千葉県北西部地震は、いずれも逆断層型(東西圧縮)の「プレート境界地震」であり、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界で発生した。
関東地方の地殻構造は世界的に見ても極めて複雑であり、大陸プレートの下に「フィリピン海プレート」という海洋プレートが南から沈み込んでおり、さらにその下には東から「太平洋プレート」が沈み込んでいる。
千葉県北西部では同じような地震が一定の周期で繰り返し発生しており、1928年5月、1956年9月、1980年9月にも、M6クラスの地震が発生していた。
今後発生するであろうM7クラスの首都直下地震は、2005年・2021年の地震の30倍以上の規模になることから、比較にならないほど甚大な被害が生じることは明らかであろう。
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