川崎市とは、神奈川県の北東端にある市。政令指定都市。市外局番は044。2019年11月25日に川崎市日本人差別条例が市議会に提出され、波紋を広げている。
概要
子供と外国人に(権利的な意味で)寛大な街といわれる。
日本初の子供の権利条例を制定したり、外国人も暮らしやすい街作りをすすめている。
(※権利条例はあるが子育て支援は不足している)
北部がすぐ東京都心部や副都心という交通アクセスの至便さから、人口は増加を続けており、特に内陸の区はマンションが林立する。なお、未だにかつて問題となっていた公害という暗いイメージが影を落としているものの、それが様々なイベント実施やスポーツ、文化振興などを行うきっかけとなっている(これは同時に、川崎市が市民へ都市への愛着を持ってほしいという思いも込められている)。
ちなみに、バイクなどで有名なカワサキ(川崎重工業)は明石の川崎さんが創った会社であり、川崎市とは縁もゆかりも無い。
また川崎病は発見者の名前が川崎さんだったからであり、川崎の公害病のことではない。川崎医科大学も市内にはない。
市長
歴史
平安時代に建立された川崎大師の門前町だったのが、江戸時代になって東海道川崎宿の宿場町としても栄えるようになった。内陸部でも、中原街道等の渡し場として宿場町が形成されていた。
明治時代に入って、日本初の鉄道(新橋~横浜間)の開業で川崎駅ができ、交通の要所としては変わらず、また、南部を中心に重工業が発達した。そして、戦後の高度経済成長期に、国内最大級の石油化学コンビナートの立地や多数の重機械工場が立地し、京浜工業地帯の中枢都市、国内屈指の工業都市「川崎」として発展を遂げた。しかし、その裏側で大気汚染、水質汚濁などが深刻化し、兵庫県尼崎市、三重県四日市市などとともに名指しで「喘息」公害が蔓延し、暗い影を落とすことになる。なお、現在も川崎市は工業都市として一定の地位を保っているものの、全盛期に及ぶものではない(だが、その莫大な固定資産税収入によって、税収は安定している)。
その中で東急、小田急ら電鉄系デベロッパーが公害都市川崎のイメージ払拭のため、交通結節点の溝の口、武蔵小杉、新百合ヶ丘などを拠点に開発し、東京都心に近い住宅都市として発展をしていくようになった。内陸部でも、東京横浜鉄道(現在は東急)東横線、南武鉄道(現在はJR南武線)、小田急小田原線、玉電溝ノ口線(現在の東急田園都市線)が開業し、戦後には住宅地また駅を中心として商業も発達し現在に至る。県庁所在地以外では人口が最も多く、2019年現在は国内では福岡市に次いで多い153万人であり、京都市、神戸市を抜いている
最近は、麻生区を除くほぼ全域で再開発が行われている。(麻生区は新規開発が多い)。
特に、川崎駅西口や新川崎・鹿島田地区、武蔵小杉・溝口地区はマンションが大量に建造されているが、キャパオーバーによる新たな問題(居住マンションのエレベーターで既に交通ラッシュが起きているため、通勤するのに1時間近くかかっている、など)が起きていたりしている。また、沿線は多摩川に沿った低地が多く、過去に河川氾濫が多発していた。戦後になってもカスリーン、狩野川台風などの被害があり、2019年10月の台風19号はそのリスクを改めて露呈する結果となり、デベロッパー主導の都市開発のツケで、防災面での対策の甘さが浮き彫りとなった。
地理
市域が東西に細長い。(通称、ウナギの寝床)
北東から反時計回りに多摩川を隔てて東京都大田区、世田谷区、狛江市、調布市、隔てずに稲城市、町田市、多摩市と接している。同じ県内としては、横浜市としか接していない。また、東京湾アクアラインを通して千葉県木更津市とも繋がっている。
市内を流れている川は、多摩川水系と鶴見川水系の二つのみである。
もともと、川崎区、幸区、中原区、高津区、多摩区の5区だったが、人口の増加で高津区から宮前区を多摩区から麻生区を分区して現在の7区になる。
概して、南部は工業(主に重工業)、北部は農業(主に果物)だが、ほとんどは住宅地でありスプロール現象が起こっているようである。
※補足:一般的に、川崎区・幸区・中原区は『南部』、高津区・宮前区・多摩区・麻生区は『北部』と呼ばれる。
地域
- 川崎区(かわさきく)
- 東の端。多摩川河口に位置し、東京湾に面する。川崎港、川崎駅、川崎大師などがある。また京浜工業地帯の中心をなす工場や、川崎競馬場・川崎競輪場の公営ギャンブル施設も存在する。
- また複合商業施設ラ・チッタデッラがあり、その中にあるチネチッタは2003年から2006年の4年間、興行収入1位を記録し、同系列のクラブチッタ川崎では様々なライブが行われる等、人々の足が絶えない。また、駅前には全国屈指の地下街である川崎アゼリアがある。
- 幸区(さいわいく)
- 鹿島田・新川崎地区などの再開発が盛ん。平間には忠臣蔵で有名な赤穂浪士が潜伏していた。
- 東芝工場・東芝科学技術館がある。基本無料で学校・家族連れなど見学者が多い。
- 最近ではミューザ川崎シンフォニーホールや元東芝工場跡地にラゾーナ川崎がオープンした事により、駅前の活気が増した(この2施設は川崎駅前にあるが、住所としては幸区のためこちらに記載)。
- 南武線の尻手、鹿島田駅は幸区だが間の矢向駅のみ横浜市鶴見区となっている。これは改札が横浜市だということからきている。
- 中原区(なかはらく)
- 大体真ん中に位置する。タワマン増えすぎ問題の武蔵小杉駅がある。
- 武蔵小杉駅や新川崎駅の界隈でマンション建設やオフィスビルの建築が盛んで、人口が急増中。
- 元住吉駅周辺は昔からの住人が多いが、武蔵小杉、武蔵中原、武蔵新城の各駅周辺は移住者が割と多い。
- Jリーグチーム、川崎フロンターレの本拠地である等々力陸上競技場がある。
- また武蔵中原駅前には富士通の本店となる工場が広がっている。他にもNEC等の多数の企業が事業所を区内に構えている。
- 高津区(たかつく)
- 溝口(溝の口/溝ノ口/武蔵溝ノ口)がある。第三京浜や国道246号線があり交通量が多い。
- 丸井・ノクティの建設及び南部沿線道路の工事と共に、駅前広場が大幅に変更となり現在の模様となった。
- 位置的な関係から、中原区と並んで実質的な川崎市の中央部。
- なお、天体戦士サンレッドの舞台は神奈川県川崎市となっているが、アニメ・原作とも8割方高津区が舞台である。
- 宮前区(みやまえく)
- 北部では最大の人口を誇る。住宅、特に戸建が多い。東名高速川崎インターがある。
- 中心商業地は鷺沼、区役所は宮前平にある。
- 知名度はアレだが、一応宮前メロンという特産物や温泉がある。
- 他の区にも言えるが、鎌倉時代からの古刹など神社・仏閣が多い。
- 市営の鷺沼プールもあったが2002年に廃止された。
- JR貨物の梶ヶ谷貨物ターミナル駅があるのはここ。
- 面積と人口の割には特色といえる施設は宮崎台駅下にある電車とバスの博物館、東高根森林公園、黄金の湯とも言われる有馬療養温泉旅館くらいで他の区と比べると少ない? (生田緑地の一部は宮前区内だが…)
- 多摩区(たまく)
- 登戸(のぼりと)、生田、よみうりランド(所在地は東京都稲城市となっているが、大部分は区内にある)、よみうりジャイアンツ球場、生田緑地(敷地内に岡本太郎美術館)がある。
- 区役所は向ヶ丘遊園駅にある。
- 区内に専修大学、明治大学のキャンパスがあるため学生街の雰囲気もあるのが特徴
- なお、数年前に閉鎖されたが向ヶ丘遊園地と直通モノレールが存在した。(駅はちゃんと残っている)
- ちなみに、向ヶ丘遊園地跡地は現在バラ園がある。年に2シーズンほど開放中。またその近くに藤子・F・不二雄ミュージアムが2011年に開館している。
- 麻生区(あさおく)
- 西の端。新百合ヶ丘駅がある。近年は開発が進んできているが、それでも自然豊かな地区。
- 山口台と称される一帯は市内有数の高級住宅街が広がる。
- 区内の道路は住宅地専用の袋小路的な部分が多く、知らない人が脇道にそれると泣きを見ることになる。
- 全国的にも珍しい飛び地(岡上地区)が存在する。
- 漢字は同じだけど某政治家と読み方は違うので注意! また、北海道札幌市にある麻生(あさぶ)とも読み方が違う。
- この地区には、1億円1400万円以上の貯蓄のある庶民感覚の政治家、社民党の福島みずほが所有しているマンション(投資用のマンションか否かは不明)がある[1]。
交通
前述の通り、江戸時代から東海道等の街道があって、現在でもそれらが国道等の幹線道路として残っている。
鉄道は、川崎市を縦断する南武線があり、それと垂直に交わるように多くの路線が走っている。市域が細長いので、私鉄でも数駅で通過できてしまう。田園都市線や小田急線は斜めに走っているので駅が多めである。
横須賀線新川崎駅は南武線鹿島田駅が乗り換えに便利であったが、2010年3月13日に横須賀線武蔵小杉駅が開業。武蔵小杉駅は直接連絡通路があり特急停車駅の為、新川崎駅は微妙な立場に。
また、中心地から海側に延びる路線として京急大師線があり、工業地帯への通勤客及び観光客を運んでいる。
今の所、地下鉄は無いが、京急大師線がほぼ全線地下化されることになっている。また、横浜市営地下鉄ブルーラインを新百合ヶ丘駅まで延伸する計画も存在する。
主な一般道
- 国道15号(第一京浜、旧東海道)
- 国道1号(第二京浜)
- 県道2号東京丸子横浜線(綱島街道)
- 県道45号丸子中山茅ヶ崎線(中原街道)
- 国道246号(通称ニーヨンロク)
- 県道3号世田谷町田線
- 国道409号・県道9号川崎府中線(大師道、府中街道)
- 都市計画道路尻手黒川線
高速道路
路線
- 東海道線
- 京浜東北線
- 南武線
- 鶴見線
- 横須賀線
- 湘南新宿ライン
- 武蔵野南線(貨物)
- 京急本線
- 京急大師線
- 小田急小田原線
- 小田急多摩線
- 小田急向ヶ丘遊園モノレール線(廃止)
- 東急目黒線
- 東急東横線
- 東急田園都市線
- 東急大井町線
- 京王相模原線
※もちろん、東海道新幹線も通っているが、駅ができる可能性はお察し下さい。まあ、品川駅にできたんだから
無いという訳ではないんだろうけど・・・できるとしたら、小杉付近かな。
またリニア中央新幹線も市内を通る予定だがこちらも駅の設置予定はない。
バス(市内に営業所があるもの)
文化
Jリーグのクラブチーム、川崎フロンターレが川崎市をホームタウンとしている。ホームスタジアムは等々力陸上競技場。東京ヴェルディもかつては川崎市をホームタウンとしていた。
プロ野球では大洋ホエールズやロッテオリオンズが川崎を本拠地としていた。ホームスタジアムは川崎球場。逃げられてばっかりである。なお、現在川崎球場はアメフト専用グラウンドとなっている。
川崎競馬場と川崎競輪場があり、ギャンブルも盛ん。ちなみに両方とも郊外ではなく、市内中心部にある。
ラ・チッタデッラ内チネチッタ、川崎DICE内TOHOシネマズ川崎、ラゾーナ川崎内109シネマズ川崎とシネコン(シネマコンプレックス)が3つもあり、映画産業が盛んである。チネチッタは独立系としては珍しく、先述した通り興行収入1位を記録したことがあるほど、観客が多い。
毎年10月には「カワサキ ハロウィン」と言うハロウィンパレードが開かれており、これは日本最大級と言われている。もともと、ラ・チッタデッラの運営会社が1997年に始めたイベントだったが、規模が拡大していき、2005年からはパレード参加者が定員制になるまでに至っている。
またミューザ川崎や洗足学園音楽大学などを初めとした施設を紹介し、ストリートミュージシャン達にライブ場所を提供する等音楽のまち・かわさきとして売り出している。なお、国内有数の交響楽団である東京交響楽団(東響)はここのミューザ川崎をフランチャイズとしている(創業地及び本部は東京)。
ちなみに、川崎市のゴミ収集車は川崎市民の歌『好きですかわさき愛の街』(ミュージックのみ)を流しながらゴミを回収している。この歌は小学校、或いは中学校の音楽授業で習うぐらい市民に親しまれているが、肝心の『川崎市の歌』はほとんど知られていない。成人式で流されても誰一人歌えず、場内が「ざわ…ざわ…」となるのが常態。もう入れ替えちゃえよホント。
川崎市を舞台にした作品
ピコカキコ
川崎市民の歌(revised) |
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関連項目
川崎市 公式 | #kawasaki |
- | |
川崎大師 | かなまら祭り |
好きですかわさき愛の街(川崎市民の歌) | 川崎フロンターレ |
東海道 | 政令指定都市 |
tvk | |
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脚注
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