概要
アニメや映画の映像に、本来のものとは違うセリフをあてることで、元のシーンとは一味違った面白さを引き出したり、シーンの印象をより一層強烈なものにする。
多数のネタを含むため「ネタMAD」に分類される作品の中にも吹き替え要素を含むものは多数存在し、ニコニコ動画のMADの中では比較的ポピュラーなジャンルだと思われる。
必要とされる技術やツールは他のMADジャンルに比べ比較的少なくて済むため、初心者でも気軽に作成できる部類に入る。
しかし、ストーリーの展開などの点において自由度があまりにも大きいため、素材の組み合わせ次第である程度完成図が決まってしまうMADジャンルと違い、同一素材を用いても作者のセンス(特に脚本能力)次第で完成品の質が大きく異なる場合が多い。そのため、一握りの作品しかヒットしていないのが現状である。
なお、本来「吹き替え」という語にはプレスコ(映像後付)は含まれないのだが、MADとしてはプレスコも同様に「吹き替えMAD」と呼ばれることが多い。
分類
大まかに、映像の方のシーン展開はそのままで音声を変更したもの(アフレコ)、逆に音声の側のシーン展開をそのまま残しそれに合った映像をあてたもの(プレスコ)の2つに分類されるが、シーン展開などは関係なく映像と音声を合わせたものも存在する。
アフレコ
- シーン吹き替えMAD
最も一般的な形式と言える。狭義にはこれのみを指して「吹き替えMAD」と呼ばれることもある。
本編の一部切抜きが人気を博すなど、ニコニコ動画全体で話題となるようなシーンが生まれた時には特に数多くの吹き替えMADが作られる傾向にある。
ごく稀にではあるが元のシーンを超えたと言われる程のシンクロ率を誇るMADが生まれることがあり、中には「冥王計画リリカルなのは」や「体育倉庫にグラハムが介入」など、シーンの印象どころかキャラそのものの印象までMADのものが定着した例も存在する。
- プロ実況MADシリーズ
吹き替えMADでは、本来セリフが無い部分に合いの手を入れたり、BGMやSEを追加したりして盛り上がりを演出するという手法がよく用いられる。(それのみで構成された作品というのも存在する。)
その手法を一躍有名にしたと言えるのが、School DaysのMAD「あのアニメにプロの実況と解説を付けてみた」である。これ以降、この作品の派生作品が数多く作られた。
- 演じてみた
セリフ吹き替え部分を他の作品から切り抜くのではなく、作者自らが演者となってセリフをあてる。
利点としては使用できるセリフ素材に制約が無いということが挙げられる。
代表的なものに「俺ヴォイス」「マクロスE」などがある。
プレスコ
現在ニコニコで主流となっているプレスコ作品としては、ホットペッパーやファンタなどの特徴的なセリフを含むCMの音声に、それに合った映像をあてがうことで一つの作品とするものなどがある。
その他
吹き替えネタ集のような形式をとるMADでは、数十秒程度の短いシーンを複数使用したオムニバス形式で作られることが多い。この形式であればストーリー展開やオチについては考慮する必要が無いため、比較的多く作られている。
また、シーン吹き替えでよく見られる手法として、キャラの顔部分を別キャラのものに挿げ替えるというものがある。その場合、ムスカ・キワミ・ゼロ(ルルーシュ)など、既に顔の時点でオチているキャラが選ばれることが多い。
関連ジャンル
吹き替えMADでは無いが、比較的吹き替えMADと親和性が高い、また思想的に似通っているものを挙げる。
- 嘘字幕シリーズ
「本来のセリフと別のものに変える」という点では同じ。 - ヤンデレCDと会話させるシリーズ
映像を使用していないため「吹き替え」に分類されることは少ないが、MAD作成方法などはほぼ同じである。
関連動画
吹き替えMADに関連する動画を追加してください。
関連項目
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