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よく似た疾患にアルビノがあるが、こちらは生まれた時に既にメラノサイトの機能が消失しているのに対し、尋常性白斑は生まれた際にはメラノサイトの機能が残っている。
大まかな説明
人の体は常に何かしらの細菌やウイルス、化学物質や放射線にさらされています。対し人体はそれらから身を守るために体温をあげたり、粘液を分泌したり、皮膚を厚くしたりします。
その中でも体から直接的に病気の元に働きかけ、それを排除するものを自己免疫といいます。
自己免疫疾患とは、これが敵である細菌やウイルス等ではなく、自分の細胞に危害を加える様になってしまった病気の総称であり、原因が不明な物が多く、また完全な治療法も無い物が多いです。
尋常性白斑とは、その自己免疫疾患のなかでメラノサイト(メラニン産生細胞)と言う細胞が誤って自己免疫のターゲットになってしまう病気のことです。
自己免疫と言うのはターゲットに専門的に働く物が多く、尋常性白斑を引き起こす自己免疫も専門性が高い為メラノサイト以外に機能が障害される細胞はありません。
メラノサイトとは、人の皮膚や目、髪の毛等の色の元を作り出している細胞なので、この病気が進行するにつれて体から色が失われていき、肌がどんどん白くなって生きます。
それも全身が均一に白くなるのではなく、所々人によっては一部だけであったり、体の半分だけであったりが白くなり、最終的に全身ほとんどが白くなるタイプの人でも、その過程で体に色素の作られる部分と色素の作られない部分が作るまだら模様ができます。これが「白斑」と付けられる由縁です。
これによって太陽光に対して非常に敏感になってしまいますが、日焼け止めや日傘を使用する事によって病気に掛っていない人と変わらない生活を送る事が出来ます。
また、癌の様に自分の体のなかで自分の細胞が変化する事によって起こる病気なので、感染は有り得ません。
問題は知識に乏しい人間が憶測で彼らを批判したり、差別する事によって二次的な精神的被害を被るケースがあると言う事です。
ただでさえ日に日に自分の体に白い斑点が出来れば、悩みます。それに追い打ちをかける様に「脱色」や「伝染病」扱いをされれば、誰でも精神的に参ってしまいます。
メイクで肌の色を均一にして隠す事も出来ますが、全身に及ぶ場合は難しく、また四六時中メイク状態でいるのは非常に難しい事です。あなたが理解者であれば、彼らはあるがままの姿で生活できる時間が増えます。
この病気の事を理解し、患者さんには等しく接してあげてください。
関連動画
尋常性白斑に掛った有名人
マイケル・ジャクソン 彼にまつわるゴシップの多くがこの病気によって引き起こされました。
森光子 紫外線にさえ気を付ければ80歳ででんぐり返しも可能です。
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関連項目
- ニコニコ大百科:医学記事一覧
- マイケル・ジャクソン
- 差別
- アルビノ メラノサイトが活動しない状態で誕生する遺伝子疾患。
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