概要
矛は先端が幅広の両刃になっていて、斬ったり、刺突したりすることができる。刃の下部は袋状になっていてそこに柄をさしこむようになっている。
中国では長柄の武器としては戈と並んで矛がもっとも古くからあり、青銅製の矛が作られた。のちには鉄製のものが作られるようになった。矛は朝鮮、日本にも伝わり、日本では弥生時代の墓の副葬品として出土している。
矛は長柄の武器の総称としても使われ、槍などと武器としてどのような差があるのかについては諸説ある。
漢字として
矛
- Unicode
- U+77DB
- JIS X 0213
- 1-44-23
- 部首
- 矛部
- 画数
- 5画
- 意味
- 長柄の武器、ほこ、犯す、という意味がある。〔説文解字〕に「酋矛なり。兵車に建つ。長さ二丈」とある。〔周礼・冬官考工〕に「酋矛常有四尺、夷矛三尋」とあるのによるもの。一尋は八尺、常は二尋なので、酋矛は二丈、夷矛は二丈四尺である。兵車では、左の人が弓を持ち、右の人が矛を持ち、真ん中の人が馬を御したという。また古代中国では矛を兵車に立てて巡撫した。
- 字形
- 矛の象形。柄にいろいろものがついたような形だが、刃と飾りではないかとされている。
- 音訓
- 音読みはム、ボウ、訓読みは、ほこ。名のりに、たけ、がある。
- 規格・区分
- 常用漢字である。JIS X 0213第一水準。
- 部首
- 矛は部首矛部を作る。矛や武器に関連する字が属する。
- 声符
- 矛を声符とする漢字には、茅、柔、敄、袤、蟊などがある。
- 語彙
- 矛戟・矛盾
異体字
- 𢧟は、〔説文〕にある古文。
- 𢦧は、〔玉篇〕にある古文。
- 𨥨は、〔玉篇〕にある古文。
- 𥍥は、〔字彙補〕にある古文。
- 鉾は、〔字林〕が矛の古文とする字。〔玉篇〕には剣の端とある。
- 𥍤は、〔篇韻〕にある異体字。
互換文字
関連項目
- 2
- 0pt
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