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逆流性食道炎(reflux esophagitis)とは、消化器疾患の1つである。
概要
胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:GERD)の1つで、食道炎の中で最も多く見られる疾患。
なお、GERDは胃液または腸液の食道内への逆流に関する症状や身体的合併症により健康的な生活が障害されるものと定義されている。
逆流性食道炎は胃の内容物が食道に逆流する事で食道の粘膜が胃液や十二指腸液に晒される事で発症する。本来、食道と胃の接合部には胃液の逆流を防ぐ防止機構が備わっており正常ならば逆流が起こる事はないのだが、一過性に筋の弛緩が起こる事で逆流し発症する事が多い。また、逆流性食道炎においてはこの食道胃接合部より口側にかけて粘膜の発赤や白濁・びらんを認める他、患者の約半数において裂孔ヘルニアを観察する。
逆流性食道炎の症状としては定形症状として胸焼け・呑酸があり、その他の症状として胸痛や咽頭喉頭の違和感、胸骨後部の痛みなどが見られる。
診察に際してはロサンゼルス分類が広く用いられており、この分類の確定に際しては内視鏡検査が利用されている。
治療において最初は薬物療法が行われ胃酸分泌抑制の為にH2拮抗薬やプロトンポンプ阻害剤が用いられる。薬物療法での改善が見られない場合は外科的治療の適用となる。
なお、発症の原因は不明な事が多いが生活習慣が関わってくる場合も多い。特に食後すぐに横になるのは逆流性食道炎になりやすい環境を作る為、1時間程度の時間を空ける事が勧められている(やむを得ない場合は座布団などで30°の角度をつける必要がある)。また、肥満などでもなりやすくなり、実際にGERDは中年の肥満男性に多く見られている。
※ちなみに、膝外側の指4本分下にある「足三里」というツボは腹部症状に対して効果がある為、みぞおち部分にあるツボ「鳩尾」などと共によく逆流性食道炎の予防や治療に対してよく使用されている。
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