階段木琴とは、木琴の鍵盤を階段状に並べ、その上にボールを転がすことで音楽を奏でる楽器である。
なお、鍵盤の材質が金属の場合は階段鉄琴となるが、現在のニコニコ動画のタグでは両者を合わせて「階段木琴」を指している。
概要
木とボールが奏でる素朴な音と、気まぐれに進むボールのテンポが聴いていて心地よいものになっている。ボールが途中で落ちてしまうこともあり、長い曲だとスペースをかなり使ってしまうので、コンサート会場などでの本番一発の演奏には向かない。しかし、試行錯誤を繰り返し、最後まで音楽を演奏することに成功すれば、大きな達成感を得られるだろう。
この発想は以前からあり、ピタゴラ装置に一部として取り込まれていたりもする。2005年時点で北海道の林産試験場で階段木琴が作製されている(参考)。この資料によると、木琴の奏でる音の周波数と材料の長さは以下の式で表される。
周波数 = 係数 / (材料の長さ)2
係数は材質によって異なるため、厚さと幅を決めたうえで適当な長さに切った鍵盤を鳴らし、周波数を計測して上記の公式から係数を求める必要がある。それでも材質が微妙に異なることもあるため、場合によってはミの鍵盤がファの鍵盤より短いということも起きる。中には、手作業で地道に鍵盤を削りながら音を調整して作る人もいる。
休符を作る場合は音が鳴らない材質の鍵盤を用意し、8分音符・16分音符の場合は幅の短い鍵盤を用意する。トレモロを鳴らす場合は、垂直方向に
\
/
\
/
\
/
のように同じ長さの鍵盤を並べ、そこをボールが落ちていく仕組みにする。ただし、これを作りすぎて高さが不足することもある。その場合、コースの脇に上記の垂直鍵盤ゾーンをいくつか用意し、ボールを2個用意してゲートを設置する。そうすると、1個のボールが通過した際に、ゲートの動きによってもう1個のボールが、横にある垂直鍵盤ゾーンに落とされてトレモロの音が鳴る(下記に挙げるdocomoのCMが好例)。
著名な階段木琴製作者・製作団体
invisible desings lab
2011年には、docomoのTOUCH WOOD SH-08CのCMとして、階段木琴でバッハの『主よ、人の望みの喜びよ』が演奏された(参考)。
この階段木琴を作成した企業はinvisible designs labで、Nintendo Switchの実況パワフルプロ野球のオープニング楽曲などを作っているプロの企業である。ほかにも2015年には北海道ガーデンショーの一環として北海道の大雪高原にバッハ『プレリュード』を奏でる階段木琴を設置したり(参考)、螺旋階段状の階段木琴『KO-TONE SPIRAL XYLOPHONE』も2017年に作成している。
monodzukuri_jiji
現在ニコニコ動画などの動画サイトで最も再生数が多い階段木琴動画投稿者。室内で演奏しているため一個一個の階段木琴の長さは短いが、それらをつなぎ合わせて一つの長い曲を演奏する。また、ドンキーコングのコースのような構造にしてスペースを節約することもある。
「ものづくり じいじ」と読むように年配の方のようで、「高性能じいちゃん」のタグが付けられていることが多い。お孫さんと思われる子どもが登場して階段木琴で遊んだこともある。字幕では英語も使っているので実際かなり高性能である。
動画の最後に「Thank you!!」が物理的に表示されることもある。
関連動画
関連リンク
関連項目
- 3
- 0pt