麤とは、あらい、はなれた、粗雑という意味の漢字である。
しかしどちらかというと、大抵の漢和辞典に載っている中での33画という画数の多さ、鹿三つという見た目のインパクトの大きさの方で有名である。
漢字として
麁
- Unicode
- U+9E81
- JIS X 0213
- 1-83-38
- 部首
- 鹿部
- 画数
- 13画
- 意味
- 粗い、荒い、大雑把、粗末、黒米、ほぼ。粗と通用する。觕とも通用する。
- 〔説文解字・巻十〕に「行くこと超遠なるなり」とあり、鹿がよく遠くまで行くことを表す。また鹿は競って走るらしく、そのため荒い、粗いという意味がある。〔玉篇〕には「不精なり、疎なり、大なり」とある。
- 字源
- 三つの鹿による会意。鹿が群れて走っているところという意味。字の組み立て方は猋や驫などと同じである。
- 音訓
- 音読みはソ(漢音、呉音)、訓読みは、あらい。
- 規格・区分
- 常用漢字ではない。JIS X 0213第三水準。JIS X 0212補助漢字。
- 部首
- 〔説文解字〕では部首である。ほかに𪋻(塵)が属する。
- 声符
- 麤を声符とする漢字に𧆓がある。
語彙
粗と同様の語彙が多い。
異体字
- 麁は、〔字彙〕や〔正字通〕に「俗麤字」とある異体字。JIS X 0213第二水準。
- 麄は、〔六書正譌〕に「俗に麄と作す」とある異体字。JIS X 0212補助漢字。
- 麆は、〔集韻〕に「或(ある)ひは麆と作す」ある異体字。〔爾雅〕にはノロの子の意味(「𢋵、其の子、麆」)とある。
- 蔍は、〔字彙補〕にある異体字。〔玉篇〕に蔍蹄は草の名とある。
- 𪋙は、〔玉篇〕に「麤と同じ」とある異体字。怚の異体字と同形。〔字彙補〕に「麤と同じ。一に云はく籀文怚字」とある。
- 𡔙は、〔集韻〕に「篆、土に从(したが)ふ」とある異体字。〔康煕字典〕に𡔙が〔説文〕にある𪋻(塵の〔説文〕の本字)と同じかは不明とある。
- 𪋨は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。
関連項目
- 1
- 0pt