JR四国2700系気動車とは、川崎重工業が製造したJR四国の特急形気動車である。
概要
老朽化したJR四国2000系気動車の置き換えを目的に開発された特急形気動車で、2019年8月に運行を開始した。
元々、2000系の置き換え車両にはJR四国2600系気動車を導入する予定であった。2600系は空気ばね式車体傾斜装置を採用しており、従来の制御付き自然振り子装置に比べ、曲線通過速度は劣るものの保守費用が抑えられるというメリットがあった。しかし、カーブが多い土讃線で空気の補充が間に合わない問題が生じたため、実績のある制御付き自然振り子装置を採用した2700系が開発・製造された。
車両は2600系を踏襲しており、制御付き自然振り子装置と最高設計速度が130km/hに引き上げられたこと以外ほとんど同じである。デザインコンセプトも2600系に引き続き「ネオジャポニズム」とし、外装には2600系と同じ伝統色の赤と金に「オリーブ」色のグリーンを加えたデザイン、内装には徳島が育んだ「ジャパンブルー」と高知から望む太平洋の「オーシャンブルー」を基調としたデザインとなっている。
2019年8月現在16両が製造済みで、2020年度末までにJR四国所属車両39両と、土佐くろしお鉄道所属車両2両の合計41両が出揃った。
スペック
- 形式:2700系特急形気動車
- 運用:JR四国
- 製造:川崎重工業
- 最高設計速度:130km/h
- 定員:
- 車体傾斜制御方式:ベアリングガイド式制御付き自然振り子方式 (傾斜角度:5度)
- 駆動機関:直噴型ディーゼル機関(SA6D140HE-2×2台 )
- 馬力:450ps
- 変速機:DW24A
- ブレーキ:機関・排気ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
- シートピッチ:1,170mm(グリーン席)、980mm(普通席)
- 主な設備:多機能トイレ、車いすスペース、防犯カメラ、コンセント(全席)、LED照明、フルカラー車内案内装置、無料Wi-Fi(2019年9月28日より)
運用
2019年8月6日から高徳線特急「うずしお」で運用を開始した。2019年9月以降、土讃線、土佐くろしお鉄道中村線・宿毛線特急「南風」・「しまんと」・「あしずり」にも運用を拡大する予定とされ、2021年3月のダイヤ改正で当初の予定通り置き換えが実施された。
なお、当形式は年末年始・GW・お盆などの最繁忙期に基本3両の「南風」を5両まで増車できる製造数に留められているため、同時期は所定2700系運用となっている「あしずり」の運用が2000系での代走となる。
関連動画
関連項目
- 四国旅客鉄道(JR四国)
- JR四国2000系気動車
- JR四国2600系気動車
- 振り子式車両
- 鉄道車両一覧
- 高徳線 / 土讃線
- うずしお(列車) / 南風(列車) / しまんと(列車) / あしずり(列車)
関連リンク
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