概要
第二次世界大戦後、海外に多数の植民地を抱えていたフランスは各地で活発となった独立運動に悩まされることとなった。そのために空輸により迅速に展開可能な軽戦車が求められ、出来上がったのが本車両である。
本車両は様々な戦闘車両のベース車体としても用いられ、装甲兵員輸送車や自走砲などファミリー車両を含めた生産数は約7700両。内3400両が海外に輸出された。
コンパクトな車体に強力な主砲を搭載したコンセプトは多くの国に受け入れられ、世界25カ国で採用されており、現在も近代化改修を行いつつ多くの国で現在も使用されている。
構造
前述の通り、空輸のために車体を可能な限りコンパクトにすることが要求されていたため乗員席は限界まで切り詰められた結果、搭乗員の身長は172㎝以下に制限、装填手を減らすために6発のリボルバー式弾倉を2つ備えた自動装填装置が採用された。
またコンパクトな車体に強力な砲を搭載するために、砲塔は上下2段構造となっており、主砲や自動装填装置などを装備した上部全体が俯角、仰角をとるために上下するといった珍しい揺動式砲塔を採用した。
その砲塔には当初75㎜砲が採用され、90㎜砲を経て最終的に105㎜砲が備えられた。副武装は主砲同軸+対空用7.62㎜機関銃を備えた一方で初期型では砲塔正面にフランス製対戦車ミサイル『SS.11』発射機4基を装備した型も運用された。
なお、装甲は砲塔正面で40㎜、車体正面は20㎜と脆弱なことからオプションとして増加装甲も設定されているが基本的に防御力が低いことに変わりはないが車体前方にエンジン(250馬力)が配置されているためある程度の装甲として利用できるがガソリンエンジンのため火災のリスクは大きい。
ただ、フロントエンジン=後部スペースの利用範囲の広さは後述する派生型へと繋がる事になった。
派生型
- AMX-VCI
APC。固定乗員3名の他に兵士10名の輸送が可能。機関銃1丁の装備が基本だが兵員室の壁に銃眼が装備されているため簡易的なIFVとしての運用が可能。 - AMX-105(Mle.61)
105㎜榴弾砲を備えた自走砲。固定式砲塔のため突撃砲に近い。 - AMX-155(Mle.F3)
155㎜榴弾砲を備えた自走砲だが装甲板を備えず、発射時も駐鋤を展開しなければならないため実態は『自走砲架』。 - AMX-13DCA
30㎜連装機関砲塔を装備した自走対空砲。
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関連項目
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