ECWとは、かつて存在していたアメリカのプロレス団体である。現在はWWEの番組及びブランドの一つとなっている。
概要
元はEastern Championship Wrestringという、ごく普通の団体だった。当時の経営者は大のプロレスファンではあるが経営が苦手だったため、やがて経営難に陥る。そこへ、当時ポール・E・デンジャラスリーと名乗っていたプロレスマネージャーのポール・ヘイマンがプロデューサーとして参加。旧経営者はポールに経営権を譲る。
その後、団体名をExtreme Championship Wrestlingに変更。Extreme(極端な高位、危機)の名の通り、危険と無茶が隣り合わせのハードコアスタイルや、ルチャやジャパニーズ・スタイルを合わせた高度なレスリングができる選手たちを多数招聘し、一大ムーブメントを築く。日本では無名だった田尻義博(現TAJIRI)もここでブレイク、田中将斗は日本人で唯一のECW世界王者に輝く。
だが、プロデューサーとしては一流でも、経営の方は旧経営者とどっこいどっこいのポール。テレビ局と契約しても過激すぎるゆえ規制の嵐、PPVで儲けようとしても広告費がそれを上回るなどの赤字操業が続く。そして、2001年1月13日の試合をもって団体は解散。ECWは倒産し、ポールも自己破産する。
そして、債権者の一人であったWWF(現WWE)会長のビンス・マクマホンがECWに関するすべての権利(映像・ネーミングなど)を買収。ECWの後を追うように解散したWCWとあわせて、WWFを壊滅させようとする「ECWCW連合軍(アライアンス)」をストーリーの一環に組み込む。だが、2001年11月のサバイバー・シリーズでの敗北を受け、解散。しばらくの間は名前が出ることはなかった。
時は流れ2005年、前年に発売されたECWのDVDの売れ行きが好調だったこと、またロブ・ヴァン・ダムら旧ECW所属選手らの要望もあり、同年6月12日にPPV『ECWワン・ナイツ・スタンド』を開催。旧来のファンを熱狂させた。このPPVの成功を機にWWE側で正式にECWを復活させることになる。だが、WWE傘下であるため、旧来の過激で危険なレスリングはWWE流にアレンジされてしまいファンを失望させることとなる。
だが、それでも地道にこつこつと続けていった結果、現在では旧ECWのもう一つの顔であるレスリングに比重を置きつつあり、また、新人育成の場として活動をしていくこととなる。
そして、2009年。日本でくすぶっていた山本尚史がヨシ・タツとしてデビュー。若手ベビーフェースとしてはかなりの人気を誇っていたが、WWEオリジナルのECWがなかなか受け入れられなかったことにより、ビンス・マクマホン会長の手により2010年2月で終了となった。その後のルーキー育成の場は、後番組である「NXT」に受け継がれている。
その後、ECWオリジナルの面々は活動場所をTNAに移し、PPV”ハードコア・ジャスティス”を開催するなど、ECWのスタイルを後世に伝えるべく活動している。
関連動画
旧ECW
- 3
- 0pt