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O111(O-111)とは、非常に危険な大腸菌の一種である。
概要
腸管出血性大腸菌の一種で、赤痢菌と同じくベロ毒素(志賀毒素)という強力な毒素(猛毒)を産生する。腸管出血性大腸菌の中ではO157の方が知名度が高く(有名であり)、O111はあまり知名度が高くないが、毒性の強さはO157とほぼ互角(かそれ以上)で、危険な大腸菌であることに変わりは無い。
2011年に「焼肉酒家えびす」の富山県・福井県・神奈川県の店舗でO111による大規模な集団食中毒が発生し、亡くなった人もいた。(焼肉酒家えびすを運営していたフーズ・フォーラスは後に廃業している)
O157と同様に普段は牛の大腸に生息していると考えられ、牛の糞便で汚染された食べ物(特に生肉、レバーが危険とされる)を食べることで感染することが多い。また、O157やノロウイルスなどと同様に人から人に伝染することもある。
感染すると数日の潜伏期間の後、腹痛や下痢(水様便)、発熱などの症状があらわれる。重症化すると大腸から大量に出血するため下血(血便)や激しい腹痛などもみられ、ベロ毒素によって急性腎不全や溶血性貧血、血小板減少、脳症などの重大な合併症を招くこともある。
治療方法は主に点滴による脱水症状の改善や、抗生物質を使ってO111を退治することなどがあげられる(合併症がある場合はそちらの治療も並行して行う)。なお下痢止めを飲んでしまうとO111やベロ毒素が体外に排出されにくくなるため、非常に危険である。
関連項目
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