SCP-5190とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
概要
| SCP-5190 | |
| 基本情報 | |
|---|---|
| OC | Keter |
| 収容場所 | N/A |
| 著者 | Tanhony |
| 作成日 | 2020年5月29日 |
| タグ | 人間型 反ミーム 生命 知性 自我 視覚 記憶影響 |
| リンク | SCP-5190
|
| SCPテンプレート | |
本オブジェクトは右記の通り、Keterクラスアノマリーである。Keterということは収容困難・ないし不可能であるわけだが、このオブジェクトの特別収容プロトコルでは、その性質上自己収容状態にあるため、具体的な特別収容プロトコルの対象となっていないとされている。あえて言うなら、収容しなかろうが、誰も気付かないタイプのTicondelogaクラスアノマリーみたいな存在なのだ (Ticondeloga自体は非標準クラスであるため、採用しない作者も多い。)
SCP-5190は全人類のなかで、不明確ながらもごく少数の割合で存在するタイプの人間で、このSCP-5190に指定されるような人間が外界に及ぼす変化に作用する、とある異常事象の影響下に置かれてしまっている。
これは、SCP-5190に指定される人間が外界に及ぼす影響が生涯を通じてほとんどない、ということである。なんなら思いかけずもたらした社会的・および環境的変化は直後に元に戻ってしまう。
このSCP-5190実例はすべて、自身が認識されるのを困難にしてしまう軽微な知覚フィルターの影響下にあり、しかも周りに人がいればいるほどこのフィルターの影響は指数関数的に強くなっていく。なので、例えばこの人達が友達を作りたいとサークルにはいっても、そのなかで認識されることがまずないというわけである。
唯一このフィルターの影響をほぼゼロにすることができるのは、この人達が犯罪などの社会的に不適切な行為に従事している場合である。だから、追い詰められて大事件を起こせば、気付いてもらえるというわけである。――とはいうものの、SCP-5190実例はそういった行為に従事することにも深刻な不安を感じるため、実際に実行することは稀である。
つまり、SCP-5190は偉人にも英雄にもなれなければ、逆に稀代の悪にさえなれない。徹底的に、どんな場面でもモブとしてしか存在し得ない。
SCP-5190の人間関係は、その人がどれだけ相手を思っていたとしても、相手からはいいとこ『知人』程度に留まる。SCP-5190実例と面識がある人物に話を聞いても、「まあ、いい人だとは思いますよ。存在感はあんまりないですけど……」という返答が返ってくるばかりなのだ。
なんなら、SCP-5190実例の知人にインタビューした際、インタビューされた人のうち80%はSCP-5190実例の名前、容貌を完全に思い出すことに著しい困難を覚えている。要は、よくよく頑張らないと思い出せないレベルに普段気にされていないのだ。なお、残り20%については全く覚えてすらいなかった。知人なんだよね、一応……。
そして、SCP-5190実例が亡くなった場合、その人と遭遇したことのあるすべての人物から、その人に関する記憶は急速に消えてなくなっていく。死亡から3日も経ってしまうと、当該実例に関する記憶は完全に失われ、重要度の低い何らかを忘れてしまったという漠然とした考えのみが残る。
さて、こんなSCP-5190だが、財団の関心が薄いため、このアノマリーについての情報はこれ以上公開されていないのだという。実際、報告書は初期オブジェクトもかくやというレベルで短い。ふつうなら、実例群のリストがあったりしてもよさそうだ。だが、そもそも考えてみれば、SCP-5190の生きている実例が存在しても、財団が気付けるのはそのうち何割にも満たないのだろう。そして、亡くなってしまえば関わったすべての人から、つまり一度は彼らを認知したはずの財団の職員の記憶からさえ忘却される反ミーム特性を獲得してしまう。かといって、収容するまでのこともない。そもそも、ほうっておいても、偉業も凶行もなし得ない、例えるなら
SCP-5190
猛吹雪の中の足跡
でしかないのだから。
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